第7話 わたしとまどろみ

 布団にもぐると一定時間でまどろみに襲われる。

 時間感覚が曖昧になり、起きているのか寝ているのかがわからなくなる。今見ているイメージが現実なのか夢なのか判断がつかなくなって、わたしは眼を覚ましては何度も眠りに戻り、また夢を見て、すぐに忘れ、また戻ってきては眠り始める。

 まどろみの中でたまに意識がはっきりとするときがある。そういうときは思い浮かべたイメージを細部まで細かく見ることができ、いつも見ている世界より解像度があがった、一段階上の次元の世界に連れてこられたような気分になる。閉じられた瞼の下で高速眼球運動が起こっており、その不随意運動を止めることができないわたしはまどろみの中で現実の曖昧さを知る。

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