第3話 わたしと価値

 人によって価値基準は異なります。そのひとは小説を愛していたり、運動が好きだったり、音楽無しでは生きられなかったりします。そのひとたちそれぞれに人生の歴史があり、積み上げられてきた人生の層/経験によって感じる価値が変化します。

 わたしは最近値付け直しをよくしています。自分の読んだ小説や映画に自分が払ってもいい値段をつけ直すのです。

 この世界の値段は需要と供給によって成り立っていますが、安い値段のものであっても、何よりも変えがたい価値があるものも在ります。

 他の人が価値を見いだしていないものに値札と名札をつけて売り出すのがビジネスというものでしょう。

 わたしの場合ただ勝手に価値をつけて遊んでいるだけです。たまに名前のつけ直しという遊びもします。


 読んでいない本は最初の状態で価値がほとんど無い状態です。装丁が美しく見栄えがよければそれだけで買った価値があると思えることもありますけれど、やはり本は読んでこそ本でしょう。どんなにくだらない本でも価値を発見することができます。自分の中で何度も新たな発想や考えが浮かび、血湧き肉躍るような本がわたしの中で価値のある本です。勿論、文章の流麗さに浸り、美しさに感動するのもよいのですが……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る