第25話 懐かしい声
サーバル達七人のフレンズ達はある部屋で集まって居た。部屋に彼女達以外は誰も居ない。その代わり様々な複雑なマシンが大量に置いてある。本来ここは研究者達が蔓延る場所なのだが…。
パシュっと、自動ドアが瞬時に開けばそこからミライさんと園長が入って来た。
「よく来てくれたね。ありがとう」
「いいよ!やること無かったし」
「ふふっ、それじゃあ今日は何をするのかをみなさんに教えます。それは…」
ミライさんが彼女達の注目を集めている間に園長はササッと移動して複雑なマシンを弄りだす。何かを押したり、つまみを回したり、あれ、全然繋がらないな。と呟いたりしながら弄っているとザーッとあるスピーカーから音が聞こえ始めた。
「あ、繋がりましたよ!ミライさん!」
「やりましたね!それではみなさん。これからお見せするのはかつて私達がいたところです…」
「あ!もしかして…!」
ミライさんはスッと息を吸い込むとマイクに向かってその名を呼んだ。
「ラッキーさーん!」
ザザッ、ザザザッと相変わらず雑音が鳴るがそれが少し経つと次第に消えていき、そこから声が聞こえて来た。
『キコエテルカナ? ヒサシブリ ダネ ミライ。 ラッキービースト ダヨ』
「すこい…!ラッキーだ!おーい!聞こえるー!?元気にしてた?」
「サーバルさん、ラッキーさんはフレンズの言葉には…」
「えへへ、分かってるよ。言ってみたかっただけ」
『ミライ、ホウコク スルヨ』
「はい!キョウシュウエリアで何か変わった事はありましたか?」
『イッテシマエバ、ナニモカモ カワッテルネ。ジカン ノ ナガレ ガ ハヤイ セイ デ チケイ ノ ヘンカ ガ トテモ ハゲシインダ。』
「やはりその問題は未だ解決しませんか…」
園長はバツが悪そうに胸元のお守りを少し見つめるとすぐにスピーカーに視線を戻した。
『デモ イイコト モ アッタヨ。アタラシイ フレンズ ヲ カンソク シタヨ。モト ノ ドウブツ ハ ジャイアントペンギン ダネ。』
「ジャイアントペンギン?……研究所にサンドスターが入り込んだのでしょうか…」
『オソラク ソウダロウネ。ホウコク ハ イジョウ ダヨ。 ヒキツヅキ チョウサ ハ ツヅケルヨ。ジャア、マタ イッカゲツゴ ニ』
「はい、ありがとうございますラッキーさん!」
「うぅ…お話ししたかったけど、またね!ラッキー!」
『………ツウシン シュウリョウ。』
そして、プツンと音が鳴り、部屋は静寂が支配した。
「そういえばどうして時間の流れが早くなったりしたんだろう?普通ありえないよね。」
「サンドスターが何か関係してるんじゃないかな!」
サーバルとルルがそんな風に話していると園長はますます気まずそうな顔をして部屋の隅に移動する。
「?、どうしたの園長。」
「え?あ、ああ!なんでもないなんでもない」
「……怪しい」
「とりあえずみなさん!今日のように一ヶ月ごとにラッキーさんと連絡を取りますので、楽しみにしててくださいね!それでは少しこの近くにある美味しいクレープ屋さんに行きませんか?」
「あっ!それ知ってる!とっても美味しいんだよね!」
「行く行くー!」
そうサーバルとルルが騒ぐとみんなを連れてこの部屋を後にした。
そして、二人だけになった園長とミライさんに会話が起きる。
「……やはりコレのせいでしょうか?」
取り出したのはお守り
例の異変前にはあった六つの紋章は消えてしまい、現在はオイナリサマの紋章だけである。
「気にする事はありませんよ、園長さん」
「そうは言っても…いや、これ以上欲張っちゃダメか。」
園長は再び胸元にお守りを入れる。そして、ドアに向かって歩き出す。
「あの子達の笑顔を守れた。それだけで、十分なのですから」
「園長さん…」
「さ、行きましょうミライさん!みんなが待っていますよ!」
「……そうですね!」
そう言って、二人は部屋を出て行った。
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