第10話 まずはスザクの元へ

「さて、と…これで準備は済んだかな。」


園長は下準備を終えて伸びをしていた。

今日はよく働いた。後はサーバル達に任せてゆっくり…と、考えてたところで声が聞こえてきた。


「何をしようとしているのですか?園長さん。」


「オイナリサマ、はは、これはね、ミライさんに帽子を渡すための舞台だよ。やっぱり華やかで豪華じゃないとね。思い出に残したいんだ。」


「なるほど、……行ってしまうのですね、ガイドさんは」


「………仕方ないよ、それに、今生の別れという訳でもないし、また会えるよ。」


園長は少し悲しそうな顔をしたが、すぐに笑顔に戻した。


「ちょっとパークセントラルに行くだけだしね、その気になればいつでも会いに行ける。」


「どうしてパークセントラルに行く事になったのでしょうか?」


「よく分からないけど向こうで新人さんを教育するそうだよ。それに、聞くところによるとサーバル達と瓜二つのフレンズが居るんだって」


「そうなんですか、サンドスターの性質上同じフレンズが生まれることはそう珍しくは無い筈ですがあまり見たことがありません。」


「私もそうだよ。ミライさんもそうらしくて、結構はしゃいでた。…サーバル達と別れるのはやっぱりちょっと辛そうだったけど」


「ふふ、また暗くなってきましたね。折角です。稲荷寿司でも召し上がりませんか?」


「じゃ、おひとつ。」


園長とオイナリサマは二人で稲荷寿司を食べ始めた。






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「お土産のまんじゅう買ったし、これで大丈夫だね!それじゃあレッツ…」


サーバルは紙袋を手に持って大きな一歩を踏み出そうとしたがカラカルに止められる。


「待って、そういえば私たちスザクとクジャクがどこに居るか分からないわ。あなた分かるの?」


「えへへ、安心してカラカル。四神のみんなは体力を回復させるためにここの病院で休んでるらしいからそこに行けば大丈夫だよ!」


「なるほどね…そういえば結構無理してたものね。ホント、感謝しても足りないわ」


「セーバルも頑張った。」


「ほらほら、ありがとね、セーバル。」


カラカルはニコニコ笑いながらセーバルの頭を撫でると、セーバルは気持ち良さそうに目を閉じて笑顔になった。


「むぅ…カラカル!私にも頭ヨシヨシして!」


「あんたは…はぁ、分かったわよ。ほら」


「えへへー」


サーバルも今にもゴロゴロと喉を鳴らしそうなほど気持ち良さそうにした。


「ほら、早く行きますわよ。」


「そうね」


「あ、シロサイひどい、もっとヨシヨシされたかった。」


「セーバル様、今は帽子を完成させる事に集中するべきですわ」


「むぅ…」


「ほら、セーバル、行こ!」


サーバル達は土産を持ってゴコクエリアの病院へと向かった。













「ん?なんだか今日は良いことが起きそうな気がしてきたぞ。」


「突然何を言い出すかと思えば…」


「信じとらんな?セイリュウよ、今に見ておれ。我の勘は結構当たるのじゃぞ。」


「その勘、この入院生活で鈍ってなければ良いわね。」


「本当に当たるのじゃ!見ておれよ、いずれ何者かが我らを訪ねる筈じゃ。」


スザクは久々に感じた良い予感に大きく期待している。そんなスザクを、呆れた様子でセイリュウが眺めているのであった。

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