隠居が通る19 おみつが心配せんでも、腹にたまらないので直ぐに腹が減るだよと笑ったのです、一両を出すと、長吉がここはあっしがと言うので、いいのだ、たんまり貰ったのだから


隠居が通る19


おみつが心配せんでも、腹にたまらないので直ぐに腹が減るだよと笑ったのです、一両を出すと、長吉がここはあっしがと言うので、いいのだ、たんまり貰ったのだからと言うと、

これでは釣銭がないだよと言うので、釣りはいらんぞとっておきなさいと言うと、本当にいいだかと言うので、おまけも一杯してくれたのでいいんだよと言うと、ありがとうと、

言い、ちょっとまってと言って、


奥に行きこれは焼きふくだよ、寝酒の肴にと渡すので、おみながありがとうと受け取ったのです、長吉の案内で龍神一家に行くと、熊蔵がでて来て挨拶するので、そのまま、その、

まま、休んでおれ、と言うと奥にというので部屋に行くと、今回は願いを聞き届けてくざさつたそうで、ありがとう御座いやす、決して旦那には迷惑かけませんと言うので、喧嘩、

に侍が出てくるとはけしからん、


それがしに任せておけというと、娘が2人に膳を出して酌をするので飲み干すと、熊蔵の娘で初といいます、今回はお世話になりますと言ったのです、熊蔵は休んでおれ、明日は呼、

びに来れば出張ってやると言うと、れでは失礼しますと部屋を出て行つたのです、お初に大分悪いようだがどこが悪いのだと聞くと、心の臓だと医師は言うております、すこしは、

養生してくれれは良いのですが、


寝ている事が出来ないお父さんでしてと言うので、それならスッポンの血が利くそうだぞと言うと、そんな物飲みやしませんよと言うので、それに酢と醤油をいれてうなぎにつけて、

焼くのだ、スッポンの血なんてわからないぞ、うなぎの泥臭さが抜けて美味い、美味いと食べるぞ、山椒を振りかければもっと珍味じあと言うと、そうですか、試してみますと言、

つたのです、


旅籠に戻り遅くなったと言うと、女将と仲居が夕餉をもってきたので見ると、ふく鍋に山菜のてんぷら、酢の物、味噌汁です、酒を注ぐので乾杯して、さあ食べろと勧めるとおみな、

が箸をつけないので、熊蔵が具合が悪いのですかと聞くと、居酒屋でふくを食いすぎたのだと言うと、黒木がそれではおみな殿の分はそれがしがと言うと、みながどうぞ皆んな食べ、

てもいいですよと言うので、


残りりものにはふくは無しだなと笑うと、でもとても美味しかったですと、酌をしたのです、夕餉を食べながら、みなが経緯を話すと、熊蔵がまた酔狂なと笑い、熊蔵の助っ人とは、

愉快ですな、それがしに任せてくだされとふくをこれは美味い、美味いと食べたのです、さて風呂にでもはいてこようと風呂に行き汗を流して部屋に戻ると、膳に焼きふくが乗って、

おり、


先ほどのお土産ですよとおみなが言って、私もお風呂にと言って部屋を出て行ったのです、弥助が入ってきて、江戸からの早飛脚が岩国に届いていましたのでお持ちしましたと言う、

ので、見ると正春からである、佐土原藩の顛末が書いてあり、また、隆久殿は何と言う事をと呼んで聞かせると、熊蔵が改易にならずに良かったですなと言うので、正春が言上した、

のだろう、


それから正俊の配下の黒崎が数人連れて、西に降ったそうだ何かをやらかす、つもりなればお気をつけ下され、また、東郷と佐々木を助っ人として送り出しました、岩国当たりで待、

つとの事だと言うと、性懲りもなくこんどは何をするつもりですかねと言うと、弥助が毛利家と吉川家の事情をはなし、正直が多分吉川家を毛利より完全に独立した藩として認め、

ると言う餌を出して、


岩国藩に助成させるつもりだ、こんどからはなりふり構わず仕掛けてくるだろう、岩国と安芸の国の国境の大竹には、正冬が5万2千石にて両国を監視しておる、厳島は天領地である、

ので正俊からの指図なれば追撃して上陸するだろう、ここに立てこもり正冬の上陸をまとう、敵が上陸したら船を焼き払い、島から出られなくすれば計略に引っ掛かったとして動揺、

して攻撃の手は鈍るはずだ、


正冬に出陣の準備をして、厳島の裏側から上陸し脇腹を1000人で攻撃せよ、その策で行くと伝えよと言うと、承知と部屋を出たのです、岩国藩は3万石あまりで家臣は600人に満たな、

いが300は動員出きるだろう、よし岩国の城下に入り込み姿を見せて、見つかるようにして岩国港に行き、馬は何処かに預けて船にのり、宮島へ行くぞ、すみれは馬の預ける場所と、


厳島への潮の流れが行く時刻を調べてくれと言うと承知と言ったのです、臼杵から持って来た火薬で手投げ弾を造るぞ、中には小石でも良い、小さなおわんに火薬を入れ二つを重ね、

て紙に飯粒を塗りつけて塞ぎ導火線を付ければよいというと、殿そのような事しなくてもこういう時の為に、手投げ弾30個は馬に積んであります、これだけあれば大丈夫でしょうと、

熊蔵が言うので、


そうかさすが熊蔵じあと言うと、しかし、おわんでも作れますな、これがなくなったら正冬様の、城下の職人に作らせて補充して、置きますと言ったのです、おみなが風呂から上が、

って来たので段取りを話すと、まさに戦で御座りますなあ、その手は毛利元就殿が大内軍に使った手で御座りますと言うと、そうだ、これで元就殿は長州を手に入れる事になったの、

じあと言ったのです、


熊蔵が殿はいいところに分家なさりましたなと言うので、これを聞けば外様も無体な事はしなくなるだろう、戒めの為岩国藩は改易にするが、家臣は三松藩で引き取る事にするかと、

言うと、又人のよいお殿様ですなとおみなが笑ったのです、翌日は長吉が来てヤツパリきやした、そこの川原での果たし会いですと言うので、それでは出かけるとするかと言って旅籠、

を出たのです、


川原に行くと総勢50人位が睨みあっています、見ると鬼頭一家には浪人が10人もいます、何と卑怯なと言って、長吉に先にあの用心棒を叩き潰してやると言って、熊蔵、黒木、安田、

おみなを伴って行くと、駒蔵が助っ人をたのんだなと言うので、10人とは卑怯ではないかと言うと、うるせえ、先生方お願いしやすと言うと、まかせておけと全員が刀を抜いたので、

痛めつけてやるのだと言うと、


4人が刀を抜きあっとて言う間に10人が転がったのです、慌てて駒蔵が逃げようとするので、正直が足に石を投げつけるとれげ~と言ってひっくりかえったのです、これよりは手は出、

さん、両方お思い切りやれと言って土手の上に引き上げると、長吉の合図で乱戦が始まったのです、病気の熊蔵は後ろの将棋に腰掛けて、喧嘩の采配をそれ右に回れ、真ん中を突き、

崩せと大声で指図しています、


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