隠居が通る14 山浦の屋敷で弥助の物見をまっていた正直は、もし新手が来れば防ぎきれない、城の三の丸を乗っ取るぞと言ったのです、弥助が戻って来て、次席家老の一派は三の丸に


隠居が通る14


山浦の屋敷で弥助の物見をまっていた正直は、もし新手が来れば防ぎきれない、城の三の丸を乗っ取るぞと言ったのです、弥助が戻って来て、次席家老の一派は三の丸に配下の者を集め、

ていますと言うので、よしここにいると見せかけよう門を閉めよと言って、敵の火縄銃10丁を門の隙間に差し込むのだ、引き金に紐をとおし石でぶら下げて、それをもう一つの紐で上に、

結び、


蝋燭のを此処に立てれば、蝋燭がこの高さにきたら縄に火がつき、石が下に落ちて引き金を引き銃撃する、ように細工すると10丁を細工して、蝋燭の高さを調節したのです、それでは裏、

から出て迂回し三の丸の後ろにでるぞ、やつらがここに押し寄せたら、三の丸を乗っ取り立てこもる、弥助は秋正に国境を突破して蹴散らし城を囲むように言うのだと言う、弥助が承知、

といって馬に乗り走ったのです、


裏門から出て三の丸の後ろで様子を見ていると、道場の方角でパンと言う銃声がしたので、家老の下田が300の手勢ならば負ける事はない、みなのもの押し出すぞと言うとみんな三の丸、

を出て城の外に出ていったのです、城は空っぽになり難なく侵入して門を締めたのです、門の上の銃窓に熊造、黒木、源八を配置して、正直、みな、山田は櫓の上に乗り、すみれに、

ここに火薬はないかと聞くと探して来ますと言って、


武器蔵に火薬の樽がありますと言うので、武器倉に行き、火薬の樽を運び出し門の石垣の両脇と堀の橋のたもとに運んだのです、再び中から扉を閉めて、熊造にあそこの火薬たるまで、

玉は届くかと聞くとおよそ270間ですから大丈夫ですと言うので、橋を渡ろうとして橋にのったら銃撃してくれ、乗ったものは全員掘りに落とすのだ、まだ道場の方からは散発的に銃声、

が聞こえてきます、


もうそろそろ空っぽだと気ずいて引き返し、一隊は我々が逃げたとして町中の捜索に向かうだろうと言うと、大勢が城に向かって引き上げて来たのです、堀の橋を渡ろうと30人位が橋に、

乗るとずど~んと音がして、その後ドカ~んと音がして橋の城側が崩れて掘りに落ちると、乗っていた者が掘りに落ちたのです、熊造、黒木、源八が銃撃すると堀の中で逃げ惑っていた、

のです、


櫓からばかめ、というと、下田がくそ~、それなら迂回して大手門から三の丸へ向かえと、いうと大手門の橋に軍勢が移動したのです、弥助が帰って来て秋正様が国境を越えてこちら、

に進撃しています、後半時すれば城下になだれこみますというと、よし、それでは十分いたぶってやろう、奴らはこれで270人に減ったぞと言ったのです、やがて迂回した270人が門の、

石垣の所へ来たので、


熊造いいぞと言うと、源八がそれがしにお任せをと言って、狙いをつけて前の樽を狙い銃撃すると、どか~んと音がして火薬樽が爆発して傍にいた、10人あまりが吹き飛ばされたのです、

慌てて逃げようとすると今度は黒木が後ろの樽を銃撃して爆発して又10人あまりが吹き飛んだのです、みんなが一斉に遠ざかり、遠巻きに退いたのです、これで、260人に減ったなしば、

らくは、


襲ってこないだろうと言うと、ばかなやつらですあそこまでは役280間です、玉は届かないと思っていますので脅かしてやりましょう、あの真ん中にいるのが、家老ですというので、源八、

にその銃を貸してやれと言うと、熊蔵がこれは300間は届くぞと渡すと、ほう、凄い火縄銃ですなと言って家老に照準を会わせて引き金を引くと、家老が馬から転げ落ちたのです、源八が、

左肩を打ち抜きましたので、


命には別状ありませんと言ったのです、敵は驚いて又50間ほど後ろに下がったのです、そして半時が立つと秋正の軍勢が大手門から怒涛の如く突撃して、270人の背後に回り、一斉に銃撃、

したのでたまりません、270人は逃げ惑い本丸の方に逃げて行ったのです、門の前に鎧兜をつけた秋正が馬上から、父上ただ今参上つかまつりましたと言うので、ご苦労と言って下に降り、


中々の武者ぶりだのうと言うと、ありがとう御座りますると言ったのです、付け家老の屋島にご苦労じゃったと言うと、国境より稲葉兵を蹴散らして、まいりましたぞと言うので、見事、

な進撃であった、本丸を取囲んで、脅かしに銃撃してやれ、さぞかしたまげるであろうと言うと、秋正が承知と言って、鉄砲隊前へと号令すると本丸に、向かって軍勢が移動したのです、


本丸の門の前に鉄砲隊を並べて一斉に銃撃したのです、3回銃撃すると、櫓に白旗が翻り今門をあけますると言うと門が開いたので、武器を全て下に置き城を出てくるのだと言うと先ほど、

の者達が出てきたので、みんなを並べたのです、お前が下田かと聞くと、肩に包帯を巻いた左肩を釣っている者が、他国に侵入するとはどういう了見でござるかと言うので、秋正が我が、

中津藩は、


外様大名の監視が仕事だ、不穏な動きの場合には自由に兵を動かせることになっている、上様直々の道中見回り役を徒党を組んで襲うとは、上様に対する反逆である、よって厳しく詮議、

する定通殿にあないしろと言ったのです、立たせて城に秋正と正直が家老をともなって御座所に入ると、定通と首席家老が下座に座るので上座に座り、秋正が口上をいうと、それがしの、

指図では御座りませぬ、


全てはこの次席家老下田の引き起こしたことに御座いますと言うので、それに城兵300人も加わったと申すかと正直が言うと、申し訳ござりませぬ、全員に厳罰をもって処置いたします、

れば、なにとぞ寛大な処置をお願い申しあげますると言うので、下田それに相違ないかと言うと、相違ございませぬ、それがしの一存で行った事にございます、誰の指図なのだと聞く、

と老中稲葉正俊様にございます、


申し出をことわれば稲葉藩は取り潰すと言われたので御座いますと言うので、その書付はあるのかと聞くとここに御座いますと差し出すので、これはみどもが預かる、それでは手分して、

負傷者の傷の手当をしてやるのじあ、死んだ者はそれぞれの屋敷に運びこめと言うと、定道がおうせのとおりにするのだと言うと、ハツと家臣が言って城から出て行ったのです、今回、

の事は、


稲葉正俊の差し金と言う事なので特別に稲葉藩にはめこぼし、してお咎めないように上様に言上しょう、但し次席家老は責任をとり隠居いたして、倅に家督を譲るのだまた今回この騒動、

に加わった者は命令を聞いただけなので許してやれ、死んだ者は遺児を取り立て、傷ついた者には十分な手当てをしてやれ、決して責めを負わしてはならんと言うと、寛大なご処置かた、

じけのう御座りまする、


今後は老中の指図なれど理にかなわないものは身を徹して、跳ね除けますると言うとので、上様の指図のみ従いなされと言うと、承知つかまつりましたと言ったのです、秋正が領内落ち、

着きましたので、軍勢は引き上げますが、不穏な動きあらば直ちに駆けつけますぞ、今回の一件は道中見回り役より上様に言上される良しに御座れば安心めされいと言うと、ご苦労にご、

御座りましたと言ったのです、


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