隠居が通る12 大きないろりに鍋がかかっており、庄屋が源八殿のしとめられた物の鍋に、イワナの塩焼き、山菜の天麩羅に御座いますと言うので、これはいい匂いじあなと言うと、み


隠居が通る12


大きないろりに鍋がかかっており、庄屋が源八殿のしとめられた物の鍋に、イワナの塩焼き、山菜の天麩羅に御座いますと言うので、これはいい匂いじあなと言うと、みなとさよが給仕、

をしておわんにいれるので食べるとこれは猪肉じあな、こり、こりして美味いと食べるとさよがお前様大殿にお会いして、本当によう御座いましたなあと言うと、感激しておりますると、

酒を飲み干したのです、


たまには江戸でも行って倅に会い、江戸見物でもせい、そのおりにはわしの所にも尋ねてまいれと言うと、熊造が大殿は隠居の身なれど今度三松5万2千石をお預かりなされたのでそこの、

江戸屋敷にお入りになるのじあと言うので、それは又隠居などできませぬなあと源八が言うので、上様はわしを死ぬまでこき使うつもりらしいというと言うと、みなが天命に御座ります、

と笑ったのです、


弥助とすみれが入って来たので、おう、ご苦労そこに座って飲んで食べろと言うとご馳走になりますと言い、酒を飲んだので、先の様子はどおうであった、構わぬみんなの前で話せと言、

うと、臼杵の稲葉藩は正俊殿の親戚筋に当たります、どうやら刺客を送りこんだようで城下町に山田信綱と言う、念流の剣客が稲葉藩指南役の杉田道場に入りました、江戸から来たよう、

にございますと言うので、


剣客を装ってわしを亡き者にするつもりだろう、稲葉藩もカラムかも知れんなというと、源八がなぜ大殿をと聞くので、熊蔵が経緯を話すと、なんと無体なけしからん話しですなならば、

それがしも加勢つかまつりますと言うので、これ、これ平穏な暮らしをしているのであろう、気持ちだけ受け取っておこうと言うと、さよが、いいえ、大殿は倅の仕官している殿様のお、

父君なれば、


加勢するのは当然にござります、お前様しっかりご加勢なされましと源八に言ったのです、熊造が源八殿は鉄砲の腕も剣の腕も相当な者に御座ります、相手が藩くるみとなれば一人でも、

多いほうが良いとおもいます、是非加えてくださりませと言うので、あい、わかった、なれど決して無理はならんぞ、それでは稲葉藩と一合戦、でもするかと笑ったのです、


庄屋が臼杵城下には私の弟が旅籠をやっています、そこに逗留してくだされ、何なりとおうせつけ下さりませと言うので、それは助かるぞと言うと先に使いの者を出しておきますと言っ、

て庄屋が部屋を出て行ったのす、酒を飲み美味い料理を食べてみんな大満足したのです、翌日は源八が鉄砲を馬の横腹に隠し旅姿に着換えて太郎に乗り、騎馬5騎にて臼杵の城下を目指、

したのです、


城下の前に来ると1人の男が庄屋の弟の孫衛門にございます、城下の入り口に関所を設けております、こちらに間道がありますと案内するので間道を通ると、お寺の境内に出たので山門、

を出ると町中に出て、旅籠の裏に馬を繋いだのです、部屋に案内するので入ると、これで城下に入った事は気づかれていません、お殿様は今はお城におられますと言うので、家老は誰、

だと聞くと、


首席家老が白根様で次席家老が下田様ですというので、仲はいいのかと聞くと、いいはずはないですよ、いつも足の引っ張り合いをなさっていますと言ったのです、さてどっちに正俊の、

息がかかっているかだなと言うと、熊蔵が弥助の調べを待ちましょうというので、そうだな湯にはいってゆつくりしょう、と湯殿に行ったのです、風呂から上がると弥助が帰って来て、

つるんでいるのは次席家老の下田です、


屋敷に忍び込みましたら町奉行に正直様が城下に入ったら、山田に道場で果たし会いがしたいと挑戦させて討ち取るのだ、失敗するかもしれないので、道場の塀の上に鉄砲隊をひそませ、

出て来たら射殺しろと指示していましたと言うので、それでは、これから町に出て役人に顔を見せてこの旅籠を教えてやろう、さすれば果し状をもって来るであろう、熊造、黒木、源八、

は鉄砲隊を狙撃する場所に配置するのだ、


弥助とすみれは熊造の合図で後ろから襲いかかれと言うと、承知とみんなが言ったのです、それではお前達3人はとわし達、と別々に市中見回りにでよう、市中を警戒している侍の数を、

調べるのだ、さすれば、仲間の人数がわかるであろうと言って、旅籠を出て町にでたのです、町を歩くと多くの侍が警戒しており、1人の男に近づき中浦正直を探しているのかと聞くと、

ギョッとしておぬしはと聞くので、


道中見回り役中浦正直だ、町中に沢山の城侍が出ているようじあが、何をしているのだというと、しばし待たれよというと1人の男を連れて来て、その男が稲葉藩町奉行草田に御座りま、

す、巡察に来られると聞きお待ち申していたのですと言うので、無用な警護で御座る即刻引き上げるのだと言うと、承知いたしました、して何処にお逗留でと聞くので、臼杵屋と言う、

旅籠だ、巡察の邪魔はするなというと、


分かり申した、全員引きあげますると言うので、城下の出入り口の関所もだぞ余計な事をして通行の邪魔をするでない、それしとも知られてはまずい事でもあるのかと聞くと、めつそう、

もありませぬと言って、しからばごめんと立ち去ったのです、奉行所に帰り、もう城下に入っているではないか何をしていたのだと部下に言うと、しかし、関所は通っていませんがと言、

うので、


我々の動きを察知して間道から入ったのであろう、明日はぬかるなよと言うと、鉄砲隊十人を配置して、藩士20人を隠しておきますと言ったのです、それでは道場に知らせて果し状を、

届けさせるのだと言ったのです、失敗すれば臼杵藩はおしまいだなんとしても討ち取らねばならぬと言ったのです、居酒屋に入り酒と肴を頼んでハイを重ねて飲み肴はサバの刺身です、


箸をつけると中々身がしまっていて美味いのです、さすが潮の流れの速いところに住んでいる魚だ中々美味いぞと言うと、みなも食べて本当ですねと言うので、ここのアジも身がしま、

って美味いのだ、旅籠でだしてもらおうと言ったのです、みな次は秋正様の中津ですねと言うので、今は国元に帰っているはずだ、そうだ一つ臼杵藩を脅かすかと言って、弥助と呼ぶ、

と店に入って来たので、


悪いが中津に行き軍勢を整えて国境に集結して指示を待て、鉄砲隊を前面に配置して中津藩の国境の関所に、銃口を向けるように言ってくれと言うと、それが幕府にわかれば咎めら、

れませんかと言うので、臼杵藩がわしを銃撃するのだ、父を助ける為に出陣するのだなんの遠慮がいるものか、臼杵藩がしのこの言えば逆に火の粉がかかるので心配いらんと言うと、

そうですね、


秋正様は大喜びしますよと言って、それではと言って店を出て行つたのです、みなが臼杵藩も殿にちょっかいを出すなんてバカですよと笑ったのです、秋正は北九州の大名を監視する、

役目をおうているのだ、不穏な動きあらば兵はかってに動かして良い事になっておるのじあ、臼杵藩は正俊のし親類なれど関が原の後より臣下になったので外様になっている、監視の、

大名の一つになっているのじあと言ったのです、


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