隠居が通る10 腹に突きたて、引き抜き首背筋に刃を立て一気に引くと、血が噴出し絶命したのです、生きている者にカツを入れると、息を吹き返したので、家老は切腹して果てた、
隠居が通る10
腹に突きたて、引き抜き首背筋に刃を立て一気に引くと、血が噴出し絶命したのです、生きている者にカツを入れると、息を吹き返したので、家老は切腹して果てた、後の仲間はいる、
のかと聞くと、ここにいるだけです、家老の命令には逆らえませんと言うので、次席家老は誰だと聞くと、井上様ですというので仲間ではないのかと聞くと、いいえ、井上様はここの、
御殿に匿う事だけはご存知ですというので、
これから行って連れて来いといって、熊造と一緒に迎えに行かせたのです、しばらくすると井上があらわれて、これは中浦様申し訳ありませぬ、まさか国家老の石塚様がお菊の方のお、
命を狙っているとは知りませんでした、こちらに呼ばれたのは石塚様ですというので、江戸ではやりにくいので国元で亡き者にしょうとしたのであろう、生きている者は傷の手当をし、
てやるのだ、
この者達は家老の命令を聞いただけだ、死んだ者は遺児を取りたてよ、また生きている者はとがめだてしなくて良い、上様には佐土原藩にお咎めがないように言うておく、お菊の方は、
ここにおいて行くわけには参らぬ、この正直が風田に預かって立派な子を産んでもらう、隆久殿には書状で知らせておこう、お峰の方にはこう伝えよ、幕閣とつるんでの狼藉、正直が、
江戸にもどったら詰問するゆえ、お覚悟めされよとなというと、
口上承りました、きっとお伝えいたしますと言うと、早く手当てしてやれと言うと、連れて来た配下に医者を呼んで手当てするのだ、息のない者はそれぞれの屋敷に送り届けて殉職した、
追って沙汰するので、とりあえず葬儀をせよとなと言ったのです、屋敷を出て旅籠に戻り、全て片付き申した、お菊殿はそれがしの日向風田で預かる事になった、そこで元気に子を産み、
なされ、
それがしの側室お絹が面倒みてくれます、安心なされませというと、ありがとうござります、決して産んだ子に佐土原藩の藩主に等と露も思うておりませぬ、ただ、平穏に生きていって、
ほしいと思うだけですというので、わかっております、全ては天のおぼしめしです、明日はそれがしの手の者が風田まで送って行きます、きようは早くお休みなされませと言って部屋に、
案内させたのです、
明日は弥助とすみれが風田まで送ってくれ、早飛脚にてお絹に手紙を送って、家臣に迎えに来てもらおう、ゆるりと行くが良いと言うと、承知しました、送り届けましたらすぐに引き返、
しますというので、今日の働き皆見事であった、わしの出番はなかったなと笑ったのです、さあもう一度祝杯をあげようと、皆で乾杯したのです、翌日は籠にお菊乗せて、腰元、弥助、
とすみれが護衛して風田に旅立ったのです、
早飛脚にて隆久と正春と家光に書状を出して、家光には江戸に着くまでは知らぬ顔をして頂きたいと書いたのです、この事態を知って、お峰、用人、稲葉はさぞ肝をつぶして、夜も寝れ、
ぬであろうと言うと、正春がどうするかがみものだな、これで一皮向けるだろう、しかし、お前達は頼りになると言うと、みんな嬉しがっていたのです、熊造がしかし殿にはいつまで、
たっても人助けを天が与えるのですなあと言ったのです、
早飛脚でこの知らせを受けた隆久は驚いたのです、しかもお峰に言った口上書きをみて、お峰を呼びことの顛末を話すと、絶句して何と稲葉様は春日の局様の倅に御座いますぞ、それを、
恫喝するとはと言うと、正直と言う男は春日の局様等恐れはしない御仁なのだ、こまった事をしてくれたなと言うと、あのようなゲスな女に手をつけるからいけないのです、もし私に、
子ができなければ、
あの女子の生んだ子が世継ぎになるのですぞ、それなら、稲葉様の次男を養子にすれば10万石以上に取り立ててくださるのじあ、殿の兄上は77万石では御座らぬか、その弟が5万石とは、
あまりにも差がありすぎますと言うので、しかたなかろう女子に手をつければ子も生まれようと言い、ともかく、石塚が切腹した事で佐土原藩は助かったのじあ、しかし、あ口上では、
そなたと稲葉殿は許してはくれまい、
絶対にそなたの父である側用人の戸田殿は切腹は免れまいと言うと、何かいい知恵はありむませぬか、正直殿が江戸にもどればお終いですというので、刺客を送り込むしかないが、とう、
てい正直には勝てまいと言ったのです、わかりました父上と相談して何とか正直殿を亡き者にしてくれるよう頼みますと言ったのです、同じようにことの顛末を知った家光は人払いをし、
て、
正春を呼び知らせがあったと思うが、稲葉正俊は何と言うことをやってくれたのだ、高々5万石を潰しても幕府には何の徳にもならんわと言うと、春日の局様の手前手柄が欲しかったので、
しょう、父上は稲葉殿を潰そうなんて思われていないでしょうが、この事が春日の局様の耳にはいれば、正俊殿は老中を辞めて録を返上して腹を切れと言われるでしょう、なにせ、上様、
の邪魔になる事はお許しになりませんからなあと言うと、
そこなんじあ、わしがいくら止めてもこれだけは聞かないだろう、懐妊している女子を亡き者にする事に、加担するなんて事を春日が許すはずがないと、家光が頭を抱えたのです、穏便、
にするには、お峰の方と用人の戸田殿に詰め腹を切ってもらうしかありませんと言うと、いかような仕置きじあと言うので、お峰の方は離縁して戸田殿には隠居してもらう他は手はあり、
ませんと言うと、
切腹させなくても正直は許すだろうかと言うので、切腹させれば春日の局様に知れてしまいます、隠居なら適当な理由がつけられますし、お峰の方は乱行が過ぎるので、正俊どのがこの、
ままでは稲葉に類が及ぶので離別させたと言う事にすれば宜しいかと言うと、家光が成るほどそれが良いというと、稲葉殿がそれを素直に受けてくれれば良いのですが、もし、刺客など、
を差し向けて父上を襲わせるなんて、
逆恨みをすれば困った事になります、そんな事しても絶対に成功せずに逆効果になります、父上も手錬ですが、護衛の熊造、黒木、みな、弥助、すみれは今回15人の手錬を一瞬の内に、
倒したそうです、たとえ100人送り込んでも返り討ちになるでしょうと正春が言い、これを知って東郷と佐々木が助っ人に行くと、もう手はつけられませんと言うと、正俊は国を賭け、
て勝負する、
恐ろしい男が正直だと、知らんのかと聞くので、噂は聞いているでしょうが、本当とは思っていないでしょう、一回父上と戦えば、恐ろしさが分かると、思いますがと言ったのです、
とかく正俊を呼んで説得しょうと家光が言ったのです、正春は下がり、稲葉正俊が来たので単刀直入にお峰の所業を言うと、絶句してそのような恐ろしい事をしたのですかと言うの、
で、
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