隠居がとおる7 席に座っていた家老達に祐兵がここにいます者達も、その戦乱を潜り抜け者に御座いますと忠長に言うと、祐兵殿に使えてよかったなと忠長が言うと、それがし達のちか


隠居がとおる7


席に座っていた家老達に祐兵がここにいます者達も、その戦乱を潜り抜け者に御座いますと忠長に言うと、祐兵殿に使えてよかったなと忠長が言うと、それがし達のちからなさ言えに、

大阪にでましても祐兵様を仕官させる事ができず、難渋しておりましたのです、そこに正直様が現れまして、山城屋に連れて行き湯浴みをさせてくださり、着換えも頂戴して、酒も飯、

も腹一杯食わせてもらいました、


涙が出て酒と飯を食ったのを今でも覚えています、祐兵様に使えて頂き家老におなりになったのですが、5000石を殿がお貰いになったのに僅か100石しか受け取られないかったそうです、

それがしが殿にお聞きしましたら、残った者で兵を沢山召抱えなされと言われたそうです、又2万石になってもその4倍だから400石でいいといわれたそうです、400石の家老なんて聞い、

たこともないと申しましたら、


殿に家老が400石だから他の者をこれ以には出来ないので、不満はでないと言われたそうです、確かに、1000石いただいても郎党は25人必要ですから、これを均等に分けると40石です、

貰った本人が100石取ったとして後は36石となります、これでは2人が食べられる録にしか過ぎません、最低50石必要だとして1250石と自分の分100石を入れて1350石必要になるわけ、

です、


しかも陪臣ですから殿のお目見えもかないません、50石でも直参の方が手柄を立てる機会があるので、その方が殿為に一生懸命働くのが道理だと気がついたのですと言う、済みませぬ、

武士が金の事など口にするなと怒られます、お許しの程をと言うので、正直が何が遠慮があるものか、録を貰わないで命をかけて戦場に等行くはずがない、山本みたいな勘定方がいる、

から戦が出来るのじあ、


かの武田信玄公が強かったのは、金の産出の多い黒川金山をもっていたからなのじあ、信玄公は金の粒の入った袋をいつも持ち歩き、手柄を立てるとその場で金の粒を恩賞に渡した、

そうじあ、よつて、武田の兵は強かったのじあ、金がなければ鉄砲も火薬も玉もかえん、金を持っていた方が戦には勝つのだよと言ったのです、祐兵が正直殿のお陰でいろんな知恵、

を学びましたと言うので、


正直が祐兵殿それがしを褒めちぎっても、隠居の身ならば何も出ませんぞ笑うと、いや、まだ正直殿のチエ袋にはたくさん詰まっていると見えます、今夜の宿代と飯だいはおまけしま、

すので、すこしチエをだしなされと笑うと、忠長がわしの分も払ろうてくれと言うと、しかたありませんなあ、それでは一つだけお教えしましょう、飫肥スギはもう出しましたゆえ、


次は砂糖に御座る、砂糖は薩摩の専売にて米の取れない薩摩では奄美大島等で栽培して黒砂糖を作り、大阪、江戸で商い多くの利をだして、藩財政を賄っております、奄美大島と日向、

は夏はあまり違いはないので御座る、此処日向でもサトウキビを栽培すれば砂糖を作る事は出きるはずです、米が中心ですから田では栽培できません、また大量にサトウキビが必要で、

それにすから、


畑を新たに切り開くしかありません、水分が多くて陽の照る時間が多い場所ほど育ちます、日向は夏は雨も降り熱くて陽の照る時間も長いので育つはずです、砂糖は良い値で売れます、

から利は多く出るはずで御座る、飫肥スギと一緒に、大阪、江戸に運べは儲かり、村単位でやらせて儲けは皆に還元すれば民も喜びますと言うと、栽培、造る、商いを物産方を置いて、

指南させるのです、


また物産方は武士だけでなくそれに、長けた者を登用するので御座るというと、成るほど森林をやっているのだから、その他の物産も大いに奨励、すべきですなと祐兵が頷いたのです、

忠長がなぜそのような事を知っておるのだと聞くので、オランダの書物に載っていたので御座ると言うと、蘭学かと言うので、鎖国になっても長崎では交易が行われており、本は手に、

入りますぞと言ったのです、


忠長がわしの領地でもやってみよう、大阪、江戸へは祐兵の船に便乗させてくれと言うと、承知しましたと言ったのです、そうか、正直は商いも上手いのじあなと言うので、武士は、

戦と言うますが、町人は商いが戦なのですと言ったのです、家老が殿桔梗屋が来ているそうですがと言うと、何江戸からきたのか、かまわん、ここに通せと言うので呼びに行き、部屋、

に入り、


お邪魔して申し訳ありませぬ、飫肥スギを運ぶ船にて江戸より参上つかまつりました、正直様が隠居されて早3月江戸の味が恋しくなる頃と思いまして、江戸みやげ等を持参しました、

又祐兵様にも日頃の御ひいきに感謝しましてお持ちした次第です、風田に参りましたらこちらにお出かけと聞いて、祐兵様にご挨拶方々来た次第にございます、又この度は忠長様も、

日向宮崎に領地変えとなりましたよし、


おめでとう御座ります、正直様の近くでようござりましたと言うので、祐兵がようはるばるまいったさあ此処へ座りなされと言うと、失礼しますと座ると、忠長が正直に会とうなって、

わざわざ日向まで来たのだろうと言うと、ハイ、またいい儲け話しを聞かせてもらおうと思いたちましたと言うので、いい所に来た今良いチエが出たぞと祐兵が言い、まあ、一杯飲め、

と言うので、


腰元が酌をしたので、桔梗屋が飲み干し焼酎も又格別ですなと言ったのです、祐兵が正直の言った砂糖の商いの事を言うと、それはようござんすね、大阪、江戸では高値で売れて、材木、

を運ぶついでですから船賃も掛からず、多くの利がでます、手前に大阪、江戸での商いをお任せ頂ませんかと言うので、3家の御用商人をやればよかろうと祐兵が言うと、ありがとう、

ございます、


来るそうそうにこんな話しが聞けて、わたしはついておりますと笑ったのです、正直がみな息災かと聞くと、正直様がいなくなりましたので、江戸は灯が消えたもたいですと言うので、

大げさな事いうな、暫くここにいたら又江戸で暫くいて、又ここに戻ると言うふうにするぞと言うと、みんな喜びますると言ったのです、わしも、1人の参勤交替じあなあと笑ったの、

です、


祐兵が桔梗屋も今日はここに逗留せい、供の者の泊るところも世話しょうと言うと、承知しましたと言うので、家老に手配りしてくれ、おおいに楽しんでもらえと言うと承知しました、

と言つたのです、まだ早いので大いにやりましょうと祐兵が言ったのです、桔梗屋足をくずせと正直が言うと、そうでございましたな、正直様は正座は奥手で御座いますな、しからば、

と足を崩したのです、


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