隠居が通る3 それがしも歳をとりましたゆえ、温かい場所は住み易う、御座りますと言うので、わしもじあ、しかし、夏は暑いからのうと言うと、夏も山に入れば涼しゆう御座います
隠居が通る3
それがしも歳をとりましたゆえ、温かい場所は住み易う、御座りますと言うので、わしもじあ、しかし、夏は暑いからのうと言うと、夏も山に入れば涼しゆう御座いますと笑ったのです、
膳が来て腰元が酌をするので乾杯したのです、膳を見ると昼間に買い求めた飛び魚の塩焼き、アジの叩き、イカの丸焼きとキジ汁が載っています、これが今日の獲物のキジかと言って、
箸をつけて、
こりこりして美味いと言うと、熊蔵がお方様しとめられたそうに、御座いますなあと言うので、親ににて鉄砲の腕も中々のもんじあと言うと、お方様ゆえよしなされと言うているのです、
がと笑うので、しかし、熊造とも長い付き合いになってしもうたなと言うと、殿と戦に出ておもしろう御座いました、敵は我々の鉄砲の威力にたまげておりましたなあというので、色々、
手柄を立てたのに僅か200石とは悪いのおと言うと、
何を申されまかす、50石から200石への大出世にございます、又倅めも200石にお取立てして頂いています、これで十分ござりまする、殿と会ってから不自由なく暮らしております、後は、
どちらが長生きするかで御座いますなあと笑ったのです、シヤムに行こうと思うたが、いまさら行って、先に行った者達に後から割り込むわけにもいかぬので、遠慮したと言うわけじあ、
と言ったのです、
部屋に家老が入ってきて徳川忠長様がおみえに御座いますと言うので、なに忠長様じあと、江戸におられるはずだがと立ち上がると、おう、正直久方ぶりじあと言うので、どうなされた、
のですかと言うと、そのまま、そのままでよいと横に座るので、こちらにと上座を勧めると、ここでよい、熊蔵にそなた達もそこに座れと言って、実はなあ、正直が隠居して日向風田、
に引きこもると聞いたので、
兄上に言うて下総の知行地と日向宮崎の、知行地1万石と交換して貰ったのじあ、そなたの夏正の領地の直ぐ隣じあ、わしは、参勤交替もなく、江戸城に登城する必要もなく、何処に住ん、
でも言いのじあ、兄上が笑っておられたが自由にせよと言ってくだされた、急ぎ領国の巡察に来たわけじあ、正直に会いとうて馬を飛ばして来たのだ、わしも仲間にいれろというので、
それではまず風呂などと言うと、
ここに泊めてくれと言うので、それはかまいませぬというと、ならば風呂は後で入るとしょうと言うので、膳を運ばせて乾杯すると、忠長が飲み干し美味いと言って、膳を見てこれはご、
馳走だなと言い、おう、お絹も息災であったか、又正直と暮らせて幸せであろうと言うので、忠長様もお元気そうでなによりですというと、これも全て正直のお陰じあ、楽しく暮らして、
おるぞと笑ったのです、
佐伯熊造に川上彦之進に御座りますると挨拶すると、忠長じあ近くゆえ何かと世話になるが宜しゅう頼むと言うと、はは~というので、そのようにかしこまるな、普通に話してくれと言、
ったのです、正直が又なんと言う事をなさりますのでと言うと、いいでは無いか、ここでゆつくり過ごして、飽きたら江戸に戻ればよいというので、奥方様は何と言われたのですかと聞、
くと、私より正直殿の方がお好きなのでしょう、
勝手にしなされと言うておったわ、おしのの方に泣きついたそうだが、正直殿には誰も勝てませぬ、飽きてすぐ戻られるゆえ、ほうっておきなされと言われた、そうだと言ったのです、
それは又お松の方様に正直は恨まれますると言うと、そうじあ、みな足を崩してくれ、正直は正座が一番苦手だからなあと言うので、みなが足を崩したのです、心配ない最後には松も、
正直殿なら安心と言うて送り出してくれたぞと言ったのです、
日向はいい所じあなあ、1万石で米が二回とれるから実収は2万石じあ、お陰で儲かったぞ、太閤殿下も権現様も日向の殆んどを、天領地になさった理由が、わかったぞと言ったのです、
隣が島津隆久の領地じあ、さつそく挨拶に来て幕府に佐土原藩は疑われてので、わしを監視役にされたのかと聞くので、正直に危害を加えない為にここの領地を貰ったのだと言うたら、
正直殿に何かをするつもりは天命に誓ってありませぬと言ったぞと言うので、忠長様も人が悪いと言うと、みんなが大笑いしたのです、明日は飫肥の祐兵殿が領国にいますゆえ一緒に、
どうですかと聞くと、おう、戻っているのか行って脅かしてやろうと言うと、それではお供しましょうと言ったのです、本当に60万石を捨ててよかったと言い、そうじあ、わしに弟、
がいたそうでは無いか、
正直が子として育てて会津28万石に養子に行ったそじあなあ、こんどおうてみようと言うので、中々良い君主に育ちなされた、上様が将来は老中にするといわれておりましたぞと言うと、
正直の傍で育つて良かったのう、わしも正直の子とおなじあ、よろしく頼むぞお爺様というので、年寄り扱いめさるな、まだ女子も抱けるので御座るぞと言うと、ほう、それは又元気な、
お絹子が出来たらどうするのだと聞くと、
夏正の家臣にしますると言うと、兄上がそれを聞いたら又正直のように取り立てて、こき使うやもしれんので気をつけなされと笑うと、それも幕府の為ならやもうえませぬと言ってたの、
です、笑いの内に宴席は進んだのです、お絹がお供の方も別室で我が家の家臣と楽しく飲んでおられますよと言うので、それはかたじけない、しかし、今日は楽しいのお、今度我が陣屋、
にも足を運んでくれと言うので、
必ず足を運びますると言ったのです、このキジも美味いのお、酒も美味いし、料理も美味い、言う事なしじあと忠長は喜んでいたのです、宴席が終りそれでは風呂を貰って休むとするか、
と言うので、お絹が湯殿に案内したのです、熊造がビックリしましたなあと言うので、正直がすつかり元気になられたよし、目出し、目出度しじあと酒を飲み干したのです、お絹が戻つ、
て来て、
凄くご機嫌でしたよと言うので、女子はどうじあと聞くと、陣屋におるゆえ必要なしと言うておられましたと言うので、そうか、それなら何もしなくていいぞと言ったのです、熊造達が、
すつかり馳走になりました、これにて失礼いたしますと言って下がったのです、それではわしも休むとするかと寝所に行くと、みなが酌をして今夜は私が夜伽をさせて頂きますと言う、
ので、
あい、わかったと言って寝間に入ると行灯を消して寝間に入ってきたので、裸にして激しく燃え上がり、行為を終って子が出来ても国はやれぬがというと、夏正様の家臣で良いのです、
大殿に情けを貰って嬉しゅう御座いますと言うので、よし、沢山みなに子を作って夏正を困らしてやるかと再び燃え上がったのです、これ位お元気なら後2、3人は大丈夫ですねと、
笑ったのです、
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