隠居が通る2 いい匂いがして来たのでお絹が焼けましたよと渡すので一口食べて、これは美味いと言うと、竹筒に入った酒を出すので飲んだのです、これは楽しいと言うと、2人が喜


隠居が通る2


いい匂いがして来たのでお絹が焼けましたよと渡すので一口食べて、これは美味いと言うと、竹筒に入った酒を出すので飲んだのです、これは楽しいと言うと、2人が喜んでいたのです、

それでは昼にしましょうと、にぎり飯を出すので食べると、空気もいいしなんともいえないなあと言うと、田舎とゆえ飽きはきませぬといって握り飯とイワナを食べたのです、そこに、

森林方の役人が来て、


これは大殿様にお方様、森林方の村井と時任に御座います、お見回りご苦労様で御座いますと言うとので、いつもご苦労じあなあ、そなた達も食べろと言うと、みなが2人に渡したの、

です、そこの岩に腰掛けて食べるのじあと言うと、頂きますると食べて美味しゅうござりますると言ったのです、飫肥スギは大阪、江戸でも評判のようじあ、藩財政の基盤にもなって、

おるというと、


林業に携わる民も豊かに暮らしおり、領民はことごとく殿に感謝しておりますると言うと、そなた達の苦労のおかげじあ、山歩きは大変だろう無理はしてはならんぞと言うと、お気使い、

痛みいりますると言うので、我々にあまり気はつかわんでも良いぞというと、それではそれがし達は、まだ見回りがありますればと、傍を離れて山を下って行ったのです、


ご苦労な事だなと言うと、森林方の頭、野崎進三郎が領民だけに任せぱなしに、するなと言うているそうですと言うので、藩主のお袋様が山歩きするのだ知らん顔は出来まいと笑ったの、

です、この上の藪にキジが沢山おります、今日の鳥なべの材料にしましょうと言い、火を消して水をかけて、残ったイワナを籠にいれ、山を登ると原っぱに出たのです、二人が鉄砲を、

下ろし、


火薬と玉をこめて火縄に火をつけて、お絹が藪の後ろに石を投げると、ガサガサと音がしてキジが藪から5匹走り出したのです、2人が狙いをつけて引き金を引くと、ずど~ん、ずど~ん、

と音がして二匹が倒れたのです、そばに行き血抜きをして籠にいれたのです、見事な腕じあと言うと、女子でも戦の役に立ちますよとお絹が言うので、まさにその通りじあなあと笑った、

のです、


さあ、それでは向こうへ回っておりましょうと、山を下っていったのです、麓に出ると畑で働いていた百性が土下座するので、手を休めなくてもよい、ほれ立つのだと声を掛けると立ち、

上がり、鉄砲のおとがしたけど、取れましただかと聞くのでお絹がほれ二匹しとめたぞというと、相変わらずお方様は猟師顔負けですなと言ったのです、庄屋が馬を連れてきて、いつも、

の通り、馬を回して書きましたと言うので、


お絹がすまぬのおと言うと、いいえ、いつもご苦労様でございます、大殿さまここら当たりの庄屋の吉衛門で御座いますと言うので、いつもご苦労うじあなあ、何かあれば遠慮なく言う、

のだぞと言うと、ありがとう御座ります、平穏に暮らしておりますれば大丈夫に御座いますと言うので、それはいい事じあ、それではと言い馬に乗り城に向かうと、みんなが手を振って、

いたのです、


お絹も人気者じあなあと言うと、みながお方様は民に気さくに、接してくださるので、領内ではお顔をしらない者はいないのですよと言ったのです、それでは海の方にも行ってみましょ、

うと言うので、海の方へ行き砂浜に出ると、漁師がお方様今日はいい飛び魚とイワシとアジがありますだと言って見せるので、後で城に届けなさい、みんな買いましょうというとありが、

とう御座いますだと頭を下げたのです、


網元がやって来てこれは大殿様と平伏するので、立つのだ座って挨拶などせんでもいいと言うと、立ち上がり、どうだ飫肥スギで作った船はと聞くと、丈夫で長持ちしますと言うので、

それは良かったと言うと、何かいいにおいするのおと言うと、イカを焼いているのですとみながいうので見ると、先の小屋で焼いているので近づいて、そのまま、そのままと言い、うま、

そうじなあと言うと、


たべますかと老婆が言うので、馬を降り手に取って食べて、これは美味いと言うとそれはよかっただと喜ぶので、お絹に幾つか買って行こうというと、ハイと返事して二分銀を渡すと、

これではここの全部でも余るだと言うので、そんなにいらぬ5ハイでよいと籠に入れて釣はいらんぬぞと言うと、ありがとうございますと喜んだのです、それではなと言って串刺しに、

したイカを食べながら馬にまたがり城へ向かうと、


お絹がイカを食しながら馬に乗るお武家は殿様だけですよと笑っていたのです、しかし、これは美味いぞと言ったのです、城に帰り部屋に入り今日は楽しかったぞと言うと、お絹がよう、

御座いましたと言い、お湯にはいってくだされというので、お湯に入り汗を流して上がると湯のみをみなが差し出すので、飲むと甘くて冷たいので何だこれはと言うと、さとう水に、

御座りますと言い、


お湯に砂糖を入れて井戸水で冷やしたものに御座います、琉球から渡来したそうですというので、成るほど黒砂糖ではなく白砂糖じあな、そうだこの辺でもサトウキビは育つのではない、

かと言うとどうでしょう、奄美大島では盛んに栽培しているそうですがと言うので、明日吉衛門に聞いてみようと言ったのです、あんまり土地の肥えていなくて水分と熱い所すなわち、

南国に良く育つそうだ、


ここは陽の照る時間が長く雨も多いので育つはずたと言うと、みなが良くご存知ですねと言うのでオランダの本に書いてあったな、なんでもニューギニアととか言うインドの近くの島が、

原産地らしいと言ったのです、砂糖は高値だから育ては民のいいみ入りになるだろうと言うと、薩摩様の専売だそうですから義弘様に叱られるのではと言うと、そんなに沢山栽培しなけ、

ればいいだろうと笑ったのです、


わしの隠居で熊造も夏正の家臣になりこの城下に住んでいるはずだが、会ったのかと聞くと、ええ、母上もとても元気でした、弟は江戸勤番で夏正の近習頭をやっております母は温かい、

処に戻れて喜んでいます、父は騎馬奉行で毎日配下を訓練していますと言うので、そうかみんな元気で何よりじあと言ったのです、そうだ今日はそなたの父と一献かた向けようと言うと、

それでは呼びに行かせますと言うと部屋を出て行ったのです、


暫くすると熊造が1人の男を連れてやって来て部屋に入り、騎馬鉄砲隊頭をやっています川上彦之進に御座いますと言うので、おう、戦がなくなったと言っても武士ならばいつでも戦に、

出られるように準備しておいてくれと言うと、承知つかまつりましたと言ったのです、お前も今日はわしに付き合うのだと言うと、承知いたしましたと言ったのです、熊造どうだ故郷は、

と聞くと、


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