隠居が通る
村上俊介
隠居が通る1 乱世を走り続けた中浦正直は家光が将軍になり、自分の役目は終ったとして故郷である中浦に戻ったて、ゆうゆう自適の日々が待っていると思ったのですが、どうやら、
隠居が通る1
乱世を走り続けた中浦正直は家光が将軍になり、自分の役目は終ったとして故郷である中浦に戻ったて、ゆうゆう自適の日々が待っていると思ったのですが、どうやら、天はまだ正直、
を必要としていたみたいなのです、
風田に戻り風呂に入り汗を流して上がると夕餉のしたくが出来ており、お絹が酌をして飲み干しそなたも飲めと盃を渡して酌をすると、飲み干し美味しゅう御座いますと言うので相変、
わらずいい飲っぷりだと笑ったのです、お絹が腰元を紹介してみなと申します、今日より殿のお身の回りの世話をさせますと言うと、宜しゅう頼むと言うと、みなは馬にも乗れます、
し鉄砲も上手ですというので、
それは頼もしい宜しく頼むぞと言うと、一生懸命奉公いたしますると言ったのです、お絹にそなたはいつも何をして暮らしておるのじあと聞くと、野かけ、鳥撃、釣りに御座いますと、
言うので、なんと男のやる事ではないかと言う、飫肥スギが名産なれば山に入り見回っておるのです、そのついでに鳥撃ちなどしております、又釣りは漁民の暮らしぶりと飫肥スギで、
造った船の状態を知る為に御座いますと言うので、
まるで領主みたいだのうと言うと、夏正が江戸勤務なれば私が変わって民の暮らしぶりを見ているのですというので、成るほど、それではわしも一緒にまいろうぞと言うと、ハイ、楽し、
みに御座いますと笑ったのです、楽しく昔話しをしながら酒を飲み、それでは休むとするかと言って寝所に行くと、お絹が寝酒を持ってきて酌をするので飲み干すと、今夜の夜伽はみな、
にさせますると言うので、
お絹で良い、但し子が出来てももう分家してやれぬぞと言うと、私で宜しいのですかと言い、国はいりませぬ夏正の家臣にすれば良いのですと言ったのです、それでは明日はみなにしま、
しょう、でないと、みなが悲しみますると言うので、あい分かったと言うと、それでは用意をしてまいりますと部屋を出て行ったのです、寝間に入っているとお絹が部屋に入ってきて、
行灯を消してフトンに入って来たので、
裸にして燃え上がったのです、行為が終り久しぶりに殿にお情けを頂ました、嬉しゅうございます、いつまでも気をつこうて下さり、絹は幸せ者ですというので、何と言うても最初の、
女子だからのうと笑ったのです、久ぶりじあ、明日は暇じあよってもう少し2人で飲もうと起き上がると、それでは塩辛と飛び魚の塩焼きに高菜漬けを用意してみなも呼びましょうと、
みつくろいをして部屋を出て行ったのです、
お絹とみなに腰元3人が膳を持つて入って来たので、みんなの膳も持ってくるのじあ、みんなにわしの手柄話しなど聞かせようぞと言うと、腰元がハイと返事してみなの膳をもって来た、
のですそれでは、これより先は手酌じあ、みんな勝手に飲んでくれと言い、飛び魚の塩焼きを食べて美味い、美味いと言うと、みながほんに気さくなお殿様で御座いますなあ、腰元と同、
じ膳で飲むなぞ聞いた事は御座りませぬと言うと、
お絹が昔からそうなのじあよ、とても優しいお殿様で太閤殿下、大権現様、秀忠様、将軍様とはお友達なのですよと言うと、みなが驚いていたのです、みなが父上が聞いたらうらやまし、
がりますと言ったのです、夏正の側室は何人いるのだと聞く江戸上屋敷に1人程おります、まだお子は出来ていませんと言うので、そうか、そのうちできるであろう、あ奴はわしの兄者、
に似ておとなしいからのうと笑うと、
お絹がそうなのです何事も慎重すぎるのですと言うと、まあ、慎重なのは良い事であるぞ、わしみたいになるといつも心配していなければならず、お絹はいつもハラハラドキドキしたで、
あろうと言うと、ほんにそうで御座りましたなあ、あの淀の方の又くらに脇差を差して脅かし、座敷牢に入れたと聞いた時は息が止るかと思いましたよと言うので、山岡の奴が面白おか、
しく話したのであろうと言うと、
お絹があれは嘘で御座りますかと聞くので、いや、本当の話しだと言うと、ヤツパリ殿は何をなさるかわかりませんなあと言うと、みなが、そのよような事をされたら子が生めなく、
なりますと言うので、畳に差しただけじあと笑うと、そうで御座りましたかそれなら安心です、とみなが酒を飲み干したのです、そうじあ、われわれが騒いでおると、台所方も休め、
ないだろう、
寝酒と何かみくろって食べたら休むように言ってくれと言うと、ハイとみなが立ちあがり部屋を出て行き、戻って来て、みな喜んでいましたよと言うので、お前達もわしに気がねせずに、
休んでも良いぞというと、とんでもありませぬ、最後までここにおらせてくださりませと言ったので、遅くまで話していたのです、寝間に入ると直ぐに寝入ってしまい、声がするので、
目を開けると、
みながお目覚めでござりまするか、いい日和にござりますと言うので、起き上がり歯を磨き顔を洗い朝餉を取ると、お絹が武者姿で入ってきて一服いれたら出かけますると言うので、
なるほど見事な武者ぶりじあと言って着換えて庭に出ると、みなも着換えてきたので、3人で馬に乗り出かけたのです、二人は肩に鉄砲を担いでいます、それではと言うので、一発、
馬にムチを入れて走りだしたのです、
沿道の皆が手を振っていたのです、馬を繋いで山に入ったのです、お絹がここは切り出してもう20年は経つており植木も順調に育っています、まだ20年はかかるでしょうと言ったの、
です、2人は山歩きに慣れている見たいでどんどん登って行きます、殿大丈夫ですかとお絹が笑うので、中々体力のいる仕事だなと言うと、もうすぐに谷川がありますよと言うと水の、
流れる音がして谷川に出たのです、
みなが竹筒の水筒に谷川の水を汲んで渡すので、岩に座り飲むと冷たくて美味いので、これは美味いと言うと喜んでいます、お絹が脇差で傍の小さな竹を5本ほど切り、少し上に行き、
岩の窪みにエイと投げ入れたのです、5本の内の1本にイワナが刺さっており見事じあなあと言う、なかなかすばしこくて取れませぬと笑うので、それではわしにも槍を作ってくれと、
言うと、
5本を渡したので少しうえの窪の下に小石をポトンと投げてエイと5本を投げ入れる見事に5本ともイワナが刺ったのです、みなが手を叩いてお見事ですと目を白黒させています、お絹、
がお殿様はつぶての名人なのですよと笑い、それではカマドを作り塩焼きにしましょうと、腹わたを取り竹の櫛に刺して塩をふりかけカマドを作り、火縄の種火で枯れ草に火をつけた、
のです、
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