お母さんもういいんだよ

やまとこころ

第1話

ケアマネさんという仕事がある

介護者と家族との間で コーディネートをしたり

ある時は デイサービスや介護施設で職員さんと同じ仕事もする。


私は96歳の祖母を介護していた。


ケアマネさんの名前は さゆりさん


60歳くらいだろうか?


祖母が、私の家で同居する事になった時に

市からの依頼で 我が家にやってきた。。

そして、市との手続きなどすべてしていただいた方だった。。


それから 数年 Aのデイサービスに通ったが

そこが 手に負えなくなり Bの施設へと移動した。。


すると さゆりさんは そこのケアマネさんだったのです。。


そして 3.11 あの地震。。。。。



ある日 さゆりさんと玄関で話をしていた時だった。。


「あの地震から 毎日 金縛りにあうんです」


急に私に話をしてきました。。


「疲れているのかしら?」


そんな 話をしていたら


~ちがう・・・・・・・・・~



~ちがう・・・・・・・・・~


声が聞こえた。


だれ?


その最中でもさゆりさんは 私に一生懸命話をしてきていた

その弾丸トークを遮って


「ごめんなさい! さっきから 「ちがう」って聞こえてくるの」


さゆりさんは はっと我に返ったかのようにピタッと話すのを止めた。


「え? だれがいっているの?」


私が感じているのは 若い男性だった。。

しかし 彼女は 60歳くらい 身内だとしたら

旦那さま?

それにしても 若すぎる・・・

しかし 感じているのだから 答えた


「20歳くらいの男性です」


すると

さゆりさんは いきなり 泣き始めた。。号泣・・


「私の息子です・・20歳で亡くなったんです」


私自身もびっくりでした!


さゆりさんは 続けて


「なんて言っているんですか?」


「聞いてみますね。。えっと・・・

『もう いいんだよ! もういいんだよ!

それより もう 自分の体を大事にしてほしい』と言ってます」


すると さゆりさんは

「そうなんです。私は十字を背負っているんです。。

だから この仕事をしているの」


「息子さん『 おかあさんの正じゃないから。。自分を責めないでほしい

自分で決めたことだから・・・』といってますよ」



正直 私には 意味が分からなかった。


「あ~~これで 私の肩の荷が落ちた。。ありがとう!ありがとう!」


それから さゆりさんと会う事はなかった。。。。。



ケアマネさんは、代わってしまい。さゆりさんは、三陸の実家へと帰っていたそうです。そして 妹さんと共に暮らしていると。。。


新しいケアマネさんに聞いたら

さゆりさんの息子さんは自殺をされたそうです。


それに 気付けなかったさゆりさんは、ずっと自分を責めつづけていた。

だから 奉仕を一生懸命 60過ぎの体に鞭を打ちながら仕事をしていたのでしょう。






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お母さんもういいんだよ やまとこころ @seitosinohazama

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