17日目 その他アイテム

 再び教習に来たアナタを出迎える


「ようこそ女神の道具屋へ! さあ、今回はいろんな便利グッツを紹介いたしますよ」


「・・・・・」


 女神はガチャガチャと色々な物を取り出し、机に並べた


「ではまずこちら、飲料水を携帯する為の水筒です。サバイバルの状況で最低限必要な1リットルぐらい入るものをお勧めしますが、500ミリリットルの物を二つ用意して携帯したり。大量の水が入る物をリュックに入れて、後で携帯用の水筒に補充する方法もあります」


「・・・・・」


「生きる為大切な水を運ぶ物ですから大切に使ってくださいよ。例えばです!煮沸消毒した際にお茶を作り、そのお茶を水筒に入れるなどもっての外です! お茶の栄養で雑菌やカビが繁殖し易く水筒の中身や水がダメになってしまうのです。後で中身を洗える口の広い物があると良いのですが蓋が大きいとかさばりますから、そう言った水筒はなかなか無いのが現状ですし慎重に扱いましょう。使わない時は水を抜いてしっかり乾かしておくのもお忘れなく」


「・・・・・」


「あと耐熱性が有りそうな水筒であっても熱々のお湯を入れたりしない様に、お湯が冷えて水筒の蓋が開かなくなってしまう恐れがあります。この為、煮沸消毒と言った手段は面倒になりがち、水を殺菌する浄水剤や胃薬等と合わせて携帯すると便利です。ワイン等のアルコールと混ぜたい時は直接水筒に入れず、他の容器にお酒と水を移して使います。お酒によってはその栄養で菌が繁殖する場合が有りますから。火にかけられる金属製のカップがあると便利です」


「・・・・・」


 女神は酒のボトルだと思われる物と、金属の小さい水筒の様な物を取り出した。映画で酒を飲ん出るシーン使ってる物に似ている。酒のボトルは衝撃で割れない様にする為か、表面をロープで綺麗にグルグル巻きにしてあった


「アルコールは傷の消毒にも使える透明なホワイトリカーがお勧めです。しかし直ぐに火がついてしまう様な度数の高い酒は言うまでも無く危険なので注意です。丈夫な金属製のスキットルに入れ、保護する為のカバーに入れるなど扱いは慎重に行ってください。火元での扱いは特に注意! 気づかずに酒をこぼした場所から出火しますから」


「カチッ!」


 そう言って女神は金属のカップにお酒を入れ、それに火打石を使い火をつけた。女神はその酒の火を蓋で閉じて消してから引っ込める


「・・・・・」


「そして前にも紹介しましたが着火道具一式は必要です。焚き木で暖を取ったり食材を調理したりなど出番が多いですから。火打石と打ち金、火口は持っておきましょう。火口は乾燥していることが重要なので湿気ったりしない様に大事に容器に入れて保管。打ち金は炭素が多い鉄で代用でき、鋼のナイフでも代用できますが、ナイフを痛めますし、万一無くした時の為に専用の打ち金は持っておきましょう。火打石はちゃんと火が起こせるようしっかりと角がある必要があります。火打石の全体のが角が丸くなってしまう前に新しい物を用意し、取り替えておくのもお忘れなく」


「・・・・・」


「そしてあると便利なのが携帯用のロウソク。携帯し易い様に横長の四角形なっているか、自分で蝋を固めて使い易い様に加工してもいいです。光源にもなりますし、他の物に火を移したりとあると便利ですから一つくらい持っておきましょう。獣脂で出来た物は非常食にもなります」


「・・・?」


「食べるって言ったかだって? 聞き間違いではありませんよ。飢餓におちいった時にロウソクを食べてしのいだ人の話聞いた事ありません? あくまで非常用で身体に良い物ではありませんけどね。100%天然素材ですから時間が経てば劣化しますので定期的に交換しましょう。でもパラフィン等科学物質が含まれてる物は間違っても食べちゃダメですからね!」


「・・・・・」


「それと、火を通さなくても食べれる干し肉やドライフルーツ、ナッツ類などの携帯食を持ち歩く事も有るでしょうが・・・、野宿される時は絶対にそれら食糧を自分から離れた場所の置いてください! 寝ている中に獣が寄ってくる危険が有ります。食糧を食べるついでにアナタも食べられる危険があるのです。獣に漁られない様に高い木の枝に釣り下げられたらベストです」


 女神がエサを辺りに投げると、どこからか小鳥やウサギなのどの小動物が群がって来る


「・・・・」


「そして、忘れてはならないのがロープです! 先ほど言った食糧をリュックごと吊るす為に、ロープを枝に引っかけてリュックに結び、吊り上げ、引っ張ったロープを下のどこかに結んで固定すれば、その結んだ場所を解けば簡単に荷物を下ろせます。その他にもアナタの応用力次第で様々な使い方が出来ます。想定される状況から適度な太さと長さの物を選び、用意しておくと非常に便利です。虫食い等でロープが傷んでないか定期的にチャックしてくださいね」


「・・・・・」


「それと用意して欲しいのはフード付きのマントです。鎧等の装備に汚れが付くのを防げますし、アナタの装備を適度に隠して町の住人を不用意に警戒させない為に必要です。脱いで広げればただの布ですから、荷物をくるんで背負いリュックの代わりにしたり。何かにロープを張って、上にマントを被せてマントの端に石を置いて固定するなどして簡易テントにしたり出来ます。ファッション用の物ではなく、質素な防水の物を選びましょう」


「・・・・?」


「異世界に防水の物があるのかと? 防水は化学繊維の専売特許ではありませんよ。オイルやワックスで防水加工した物があります。しかしそう言った物は他の布に色が移りやすいので、着替えとは分けて置いたり、人の家のお邪魔する時はベットやクッションが汚れない様に気を使いましょう。防水効果を保つために定期的にメンテナンスする必要が有りますから、余裕がある時に信頼できる業者にメンテナンスを依頼してください。石鹸で洗っちゃうと防水するオイルなどの成分が落ちちゃいますからやってはダメですよ。汚れを落とす際は布や柔らかいブラシで拭いて落してください」


「・・・・」


「それと裁縫道具です。装備が戦闘中にほつれたら命にかかわります。専門家に任せ修理するのが最善ですが、出来ない場合は自分でなんとかするしかありません。穴が大きく様々な糸を通せて、長く丈夫な5cmくらいの大きな針を一本と、普通の張りを何本かまとめて糸でグルグル巻きにして固定して持っておきましょう」


「・・・・」


「後はレンズと毛抜きが有れば役立ちます。虫に刺されたり、トゲが刺さった時に引き抜けると楽です。レンズは細かい物を見れますし、太陽光で火をつけられます」


「・・・・」


「今回はこれ位にしましょうか。今日の教習はここまで! ではまた次回では荷物を入れるポーチやリュック等を解説します。待ってますよ勇者候補よ」


 そう言って女神は去って行き。アナタは日常に戻っていった

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