第8話 地獄の夢
友人から聞いた話
友人はよく地獄の夢を見るという。
いつも漫画によくあるような姿の閻魔様の前で判決を受ける所から始まる。
それから舌を抜かれたり、針山を歩かされたり、熱湯の中に押し込められて煮られたりとその時々で受ける拷問が変わってくる。
夢の中では恐怖と苦痛で叫んでいるのだが、現実では違うようで、いつも快調に目覚める。
ある時夢の中で腕や足をのこぎりで切り取られるという拷問を受けながら、
あ、これは夢だと気が付いた。
その途端ふっと意識が現実に引き戻され目を開けた。
真っ暗な中、何人もの人間が自分を囲むように覗き込んできている。
覗き込んでいるのは見えるのに顔は全く見えない。
一人がぐっと顔を近づけてくる。
近付けてきた者の顔はやはり見えず、映像を映すように夢の中で拷問を受けて叫んでいる自分が見えた。
恐怖で意識が遠のく。
翌朝は異常に体がだるく動くのも大変だった。
丁度夢の中で切り取られた腕や足が異常に重くなっている。
数日間そのだるさが続いた。
今でも友人は夢を見続けている。
地獄の夢からふと目が覚めることもあるという。
そういう時は何があっても絶対に目を開けない様にしていると言っていた。
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