7
「待ってたよ」
開口一番、私はそう言った。
「それは嬉しいね。待ってたなんて言ってもらえるとは」
「ええ、待ってたわ。気が遠くなるほどに。会いたくて仕方がなかった」
「そこまでかい?いや、もちろん嬉しいが、そうまで言う理由が俺には浮かばないんだが・・・」
「いやいや、そうまで言わせてもらいますよ。何せ詳しい日付まで書いてあるわけじゃないですからね。いつ来るものかと待ち焦がれていましたよ」
「・・・・・へえ」
その一言で、彼は全てを理解したようで、途端に神妙な顔つきになった。
「じゃあ受け入れたんだね、やっと」
「受け入れた?そんなんじゃないですよ。確かめに来たんです、何が本当で、何が嘘なのかを」
「あっはっは、何を言っているんだ?確かめるも何も、全部本当のことじゃないか」
「・・・ふざけているんですか」
「いや何、お前があんまりにも怖い目で俺を見るからさ。笑ってほしくてね。やっぱりお前には、笑顔が似合う」
「・・・・・」
ギリ、と歯を食い縛る。
馴れ馴れしく私のことを話す彼が、腹立たしかった。
馴れ馴れしく。
知ったような口で。
「・・・この病院に清水さんっていう名前の看護師さんがいるんですよね」
「ん?」
何の捻りも前置きもなしに、私は本題に入った。彼からしてみれば、一体何の話かさっぱりだろう。
「すごくいい人でしてね。ずっと私の看病をしてくれているんです」
「そいつは、一言挨拶に行かなきゃいけないな」
「この前来たとき、扉の横に立っていたでしょう?彼女です」
「ああ、あの人か。なかなかの美人さんだったな。ん?ああもちろんお前が一番だけどな?」
「・・・彼女はもうここに十年以上勤めているベテランだそうです」
「十年をベテランと呼ぶかは兎も角、きっと真面目な人なんだろうね」
「ええ、そりゃあもう。清水さんはずっと私の看病をしてくれていたんですよ」
「それ、さっきも聞い・・・」
「私が目覚める前からずっと、ね」
「・・・・・」
回りのよい彼の口が、油が切れたかのように止まった。
「あなたは言っていましたよね、『毎日のように見舞いに来ていた』って」
「・・・それを言ったのは俺ではなくお前だったと思うけどな」
「でも、肯定したでしょう」
「・・・ああ」
「なのにあなたは、清水さんのことを知らなかった。清水さんも、私があなたのことを聞いたら『どんな人かは分からない』と言っていました。でも私の恋人が毎日のように見舞いに来ていたのは確かな話だと、清水さんから聞きました。じゃあどうしてあなたと清水さんは互いに互いを知らなかったのか。答えは簡単です。初対面だったから。ただそれだけです。つまりその答えから至るに園崎さん、あなたは」
あなたは。
「あなたは、私の恋人じゃない」
「・・・・・・・・・・・・・」
しん、と面会室の中が静まり返る。私の二つ目は、彼を捉えていた。
「・・・いつ、そのことに気が付いたんだ?」
「前にあなたと会って、しばらくしてからです。馬鹿で申し訳ありませんね」
「そうか・・・いや、やっぱりお前は頭がいいよ。流石だよ、本当に」
「皮肉ですか」
「いや、本心だよ」
否定をしない、ということは。
真実を語っているも同じことだ。
「一体、あなたは・・・」
誰、と聞こうとする私の言葉を遮るように、彼はソファから立ち上がる。
「ちょっと、外の空気でも吸いにいこうか」
「いえ、結構です。話ならここでもできますから」
「そう言うなよ。ちょっと付き合ってくれ」
「・・・・・」
そう言って彼は私の返事を待たずに部屋を出て行った。仕方なく、私もその後に続いて部屋を出た。
「入院生活はどうだ?楽しいか?」
「・・・からかっているんですか」
「そんなつもりはないよ、単なる好奇心さ」
「楽しいわけないじゃないですか。毎日やることもないし、食べ物はあまり美味しいとは言えませんし、いいことなしですよ」
「でも、快適ではあっただろう?」
「それはまあ、ええ」
「都内で一番大きな病院だからな。そうじゃなきゃ困るってもんだ」
「・・・・・はぁ」
「それに楽しくないってのは嘘だろう?」
「は?」
「だってお前、退屈は好きだろ?」
「・・・・・」
知ったような口で、言う。その口で、私のことを語る。それがたまらなく、たまらなかった。
恋人でもないのに。
馴れ馴れしい。
「あの、その呼び方」
「ん?」
「やめてもらえますか?お前って呼ぶの」
「ん、ああ何だ。馴れ馴れしいってか?ははっ」
「・・・・・」
本当に、見透かしたようなことを言う。言い当てられて嫌な気分ではあるが、否定はしない。寧ろ開き直る。
「ええ、そうです。恋人でもないのに馴れ馴れしいのでやめていただきたいんです」
「・・・そうか、それはすまない」
そう言って彼は何故か。
少し、悲しそうな表情をした。
しかし、すぐにふざけた顔になる。
「じゃあ何て呼ぼうかね。名前で呼ぼうか?」
「ふざけないでください」
「ははっ、分かったよ。全く冗談が通じないな、―――君は」
「・・・・・」
まあ、お前よりは距離が遠退いたか。
「さっき面会室で聞きそびれましたが」
「ああ、なんだ」
「あなたは、誰なんですか」
「・・・誰、ね」
「私の本当の恋人は、今どこにいるんですか」
「さてね、どこだろうね」
「警察呼びますよ」
「まあ待てよ、落ち着いて一つずついこうか」
彼がエレベーターのボタンを押す。程なくして扉が開き、私たちは中に乗り込んだ。
そして彼は、屋上のボタンを押した。
「・・・屋上は今立ち入り禁止ですよ」
「まあいいじゃないか。そんなことより私が誰かって話だったな。聞いてはいるけど、実際のところもう分かっているんだろう?俺が、誰なのか」
「・・・・・・・・・」
重力に逆らう感覚を感じると、エレベーターは音もなく上へと昇り始めた。
「あの本を・・・」
背を向ける彼に言い放つ。彼が求める答えを。
「あの本を書いたのは、あなたなんですか・・・・・!」
必死に声を絞り出し、言う。認めたくない現実を認めなければならないという痛みが、声に現れた。
「・・・・・」
チン、という音と共に扉が開いた。瞬間、心地よい風がエレベーターの中にまで流れ込んできた。そしてそのエレベーターの前には立ち入り禁止のテープが張られていた。
そのテープを気にもとめない様子で、彼はそれを飛び越える。
「いい景色だな」
辺りを見回しながら、そう呟いた。私も後を追ってそのテープを乗り越える。
「勇気君は死ぬのに、いい場所を選んだね」
「―――――」
絶句した。
どの口が。
どの口が、そんなことを言うんだ。
どの口が、そんなことを言えるんだ・・・!
「あなたが・・・あなたが、殺しておいて・・・・・!」
「・・・・・おいおい、何の話だ」
呆れたような、とぼけたような顔で私を見る。それが腹立たしかった。
「あなたは一体、何なの?何だって言うの・・・。どうして、こんな・・・」
理解できない。
何もかも。
だけど彼はそんな私を放置して、勝手に話を進ようとする。
「そういえばどうして、俺が本の作者だと思ったんだ?」
「私の質問が先でしょう!」
「俺の問いにちゃんと答えてくれたら、全部教えるよ」
「・・・・・」
逆らうことはできない。
主導権は、彼にあるのだから。
私が話さなければ、彼も話さないだろう。それでは、何のためにノコノコ屋上まで着いてきたのか分からない。
「・・・自分からバラしておいて、何を聞きたいっていうの。あんなことを言っておいて、分からないわないでしょう!?」
そう怒鳴ると、彼は。
「流石だね、君は」
と、言った。
「ふざけないで!どうして、どうやってこんなことを・・・。私の心を・・・人生を、操っていたつもりなの!?」
私の。
私の読んでいた本は。
私の読んでいた、あの本は。
あの物語は。
私の物語だった。
目覚めてから今日までの出来事は全て。
いや、目覚める前も含めて。
今日までの出来事は全部。
あの本に書かれていた出来事だった。
記憶を失うことも。
二人の友人も。
同じ病を持つ者との出会いも。
恋人の存在も。
私の、存在も。
私が今日までにしてきたことの全ては。
私が今日までに見てきたことの全ては。
既に、あの物語に描かれていた。
つまり、私は今日まで。
ただひたすらに、既にある物語をなぞっていただけだった。
彼が書いた、物語を。
そんなもの、生きてるなんていわない。
自分の存在を、感じなくて当然だ。
だって、生きていないのだから。
あの本に、自分の存在を感じて当然だ。
だって、あの女の子こそが、私なのだから。
つくられたせかいで、あやつられたように―――。
私は、死んでいた。
最初は、だからこそあの本に惹かれた。自分と同じ記憶を失った少女の物語だから。どこか、自分のことのように思えて見過ごせなかった。
しかし、それはあまりに同じすぎた。時が過ぎていくうちに、それは、確かなものへと変わっていった。
物語の中で「お姉ちゃん」と呼ぶ少年は、女の子を呼んでいた。
そして勇気君も全く同じように、私を呼んでいた。
美緒と桜花が私の誕生日を祝ってくれた日。あの日は、物語の女の子の誕生日と同じ日だった。
ついでに言うならば、モンブランが好きな女の子だった。そう、私と同じように。
彼は言う。「記憶を失った理由教える必要はない。お前はもう知っているから」と。それはつまり、私の記憶喪失の原因は、「物語の女の子が記憶喪失になった原因と同じ」ということ。
だから、教える必要がなかった。
既に読んで、知っているから。
そして彼はそれを「否定するな」と言ったのだ。現実に、本の内容と同じ出来事が起こっているという事実を必死に否定する私に、そう言ったのだ。
それらを全て、偶然だと思っている私に。
お前の人生は、その物語と同じように進んでいくのだと。
そう、言ったのだ。
周りにある至るものが、つくりものに見えて当然だ。
美緒の笑顔も。
桜花の笑顔も。
勇気君の笑顔も。
つくりものに見えた私は、別におかしくなんてなかった。
結局、彼のその言葉を真に受けてしまった私は、その物語の通りにならないようにしようと必死だった。だから勇気君に「屋上に近づくな」「記憶を思い出すな」と言葉を尽くしたのだ。が、しかし。
結局彼は記憶を取り戻し、思い出したくない記憶を思い出し、屋上から飛び降りて自殺してしまう。
そう。
あの本の物語と同じように・・・・・!
あの物語で、記憶を失った少年は。
記憶を取り戻し、その記憶に蝕まれ。
その記憶から逃れるため、病院の屋上から飛び降りたのだ。
物語では、そうなっていた。
だから私は、そうならないために。
彼に、記憶を取り戻してほしくなかったのだ。
屋上に、近寄ってほしくなかったのだ。
「そんなの、できるわけない・・・」
ずっと、そう思っていた。
だからこそ、今日まで疑い続けていた。
否定しようと、していたんだ。
たまたまだと。
偶然の重なりだと。
或いは、考えすぎだと。
「ねえ教えて!一体どうやってこんなことをしていたの!?どうしてこんな、未来を見透かしたようなことができるの!?あなたは一体、何なの・・・」
叫ぶ。
心を、吐き出すように。
「・・・別に俺は、未来を見透かすような力は持ってないよ。ましてや、君を操ったりするような力もないよ」
「ならこれは全部、私の意志だというの!?」
「そう、とも言えるけど、そうじゃないとも言える。だって君がどれだけ自分の意志で動こうと、俺が操っていたとしても、できないことがある」
「・・・・・ええそうね、そうでしょうね。だってあなたが動かなければ絶対にできないことがあるものね。だから、あなたが殺したんでしょう?」
「・・・・・」
震える声で、言う。
「あなたが、勇気君を殺したんでしょう?」
「だったら、何だ?」
否定しない。
ただ、問いかける。まるで私が責められるべき対象であるかのように。
「だから」
だから。
「私も、殺すんでしょう」
「・・・・・・・・・・・・・」
私は。
この男に。
殺される。
「どうして俺が君を殺さなくちゃいけないんだ?」
「とぼけるのもいい加減にしてもらえるかしら」
「いや、本当に何を言っているか分からなくて」
「屋上に連れてきておいて、よくそんなことが言えるものね」
「それはただ、外の空気を吸いたかっただけさ」
「あなたは、知らないはずがない。あなたが書いた物語なのだから。結末を、知らないはずがない」
「ああ、知ってるよ。だけど君の言っていることは本当に分からない」
とぼけているだけだと思った。だけど彼は、本気で分からないという表情をしていた。
「・・・っ。なら教えてあげるわ。物語の最後、主人公である女の子は、先に死んだ男の子と同じように、自殺する」
物語の最後、彼女は全てを思い出し、病院の屋上から舞い落ちる。
それが結末。
それが、物語の終わり。
「だけど私は、記憶なんて戻っていない」
「・・・・・」
「自殺だって、するつもりもない・・・・・!」
それは絶対に許されないことだから。
「何が理由かは分からないけど、あなたは私を使って、自分の物語を現実に完成させようとしている。そのためには、私は死んでいなければならない。自殺していなければならない。でも私には、死ぬ気なんて、ない」
「・・・だから、俺が君を殺すと?」
「そうでもしなきゃ私は死なないでしょう?だから勇気君も、同じように自殺に見せかけて殺した。自分の物語を実現し、完成させるために。違う!?」
「なるほどね。でも違う。俺は殺してなんかない」
「違わない!じゃなきゃあなたは、勇気君が記憶を取り戻して自殺することを知っていたことになる!そんなの、ありえな・・・」
ありえ、ない?
いや、でも。
「ありえないね、確かに。そんなの知っているはずがない。だけど君も気付いているはずだろう?いや、今気付いたのかな?君は色んな人から彼の死を聞いたはずだ」
彼の、死の話。
彼の同室の人は言っていた。「あるとき突然人が変わったかのように豹変した」と。
それは。
それは、記憶が戻ったから?
それに、彼の遺書には―――
「遺書に書いてあったはずだ。『記憶なんて思い出さなければよかった』って」
彼が。
知らないはずのことを言った。
「・・・・・・・・・・・・・・・・あなたが書いたの?」
「ん?」
「どうしてあなたが勇気君の遺書の内容を知っているの?私はそんなこと言っていない」
「そうだったかな」
「あなたが書いたのね。それか、書かせたのね、無理矢理、勇気君に。そうして彼が記憶を取り戻して自殺したように見せかけた」
私は一歩、歩みを進めた。彼の姿が、少し鮮明になる。
「・・・それが分かった上で、逃げないんだね。自分も殺されると思うなら、すぐに後ろを振り返って逃げればいいのに。それか、屋上に来た時点で引き返せばよかった」
「殺されたって、別にいいわ。そうすればあなたは捕まって、勇気君の仇を討てるのだから。ただ、どうしても」
「どうしても?」
「真実を、聞きたかった。一体どうして、あなたがこんなことをしたのか。あなたが一体、何なのかを」
「・・・・・」
「そして私が、あなたの操り人形のように、与えられた毎日を過ごしていたわけを」
「操り人形、か」
「あなたは私に、何をしたの?何をさせたかったの?何をさせていたの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
長い沈黙を、彼は口にする。
それが私には、永遠のようにも思えた。これまでの日々が、あっという間であったのように。
やがて、彼は口を開いた。
「違うよ。俺は君に何かをさせていたわけじゃない」
「何を言っているの?私は今日まで、あの物語の女の子と同じように生きていた。それでも私に、何もしていないと言うの?あの物語を書いたのはあなたでしょう?」
「・・・・・そうだ」
そして彼は。
私を見つめて。
私の目を見つめて。
私の全てを見つめて、言った。
「俺が文豪だ」
「・・・文・・・・・・・え?」
「そして君が役者だ」
「役、者?」
「いや、君がじゃないな。正確に言うなら『君たちが』かな」
「何、言って」
「まあ『正確に言うなら』と言うなら、俺も文豪ではない。まだね」
「わ、わけの分からないことを言わないで!役者って・・・私があなたの物語を演じていたとでも言うの!?」
「ああ、そうだよ」
「な・・・・・」
「君だけじゃなくて、みんなだけどね」
「みん、な・・・・・?」
「そう、みんな。医者も、看護師も、患者も。美緒も、桜花も」
「・・・・・美緒、も?桜花も?」
違う。
違う。
そんなわけない!だって二人は、確かに存在してて・・・・・。
「勇気君もね。名演技だったよ」
「勇気君、も・・・・・?」
「ああ、そうだよ」
「違う・・・!だって彼は、あなたが殺して・・・・・・・!」
「いいや、俺は誰も殺していない」
「―――――は」
「そして、君も、殺さない」
「・・・・・・・・・え」
「君が、自分で死ぬんだよ」
何故か彼は少しだけ。
悲しそうに、言った。
「・・・・・・・・・・・・・・・・は。馬鹿言わないで。何もかも自分の思い通りになると思っているの?私は自殺なんかしない。それに、記憶だって戻ってなんかない!」
「ああそうだね、今の君は自殺なんかしないさ、絶対に。だから、君は記憶を取り戻して自殺するのさ」
「だから!私は記憶を取り戻してなんか・・・」
「そのために。俺らは合言葉をつくったんだよ」
「・・・・・合、言葉?」
「そう、愛、言葉。いや、鍵言葉と言ったほうがいいのかな?君の、記憶を取り戻す、鍵となる言葉」
「記憶を、取り戻す」
「そう、思い出してみて」
「・・・・・は、そんなの覚えてるわけないでしょう!?記憶を失ってるんだから!」
「ああ、そうじゃない。思い出してほしいのはそれじゃない。俺との会話だよ」
「会、話?」
「そう、君と。君と、俺とのね。分かるはずだ、君なら」
「分かるって、何が」
「気付いているはずだ。君と、俺との会話の中にあった、違和感を」
「違和感・・・」
「確かな違和感を、君は感じていたはずだ。君なら気付いているはず。頭のいい、察しのいい、要領のいい君なら、気付いているはず」
気付く?
何を?
「俺の、恋人なら」
・・・・・。
分からない。
分からない。
分から、ない?
「君が今まで会話してきた人たちの中にあって、君と俺との会話の中にない言葉が、あるだろう?」
ない言葉が、ある。
ある言葉が、ない。
あるべきはずの言葉が、ない?
何だ。
何が。
何がない?
美緒との会話の中にあって。
桜花との会話の中にあって。
勇気君との会話の中にあって。
清水さんとの会話の中にあって。
彼との会話の中に、ない。
「しおりん」
「詩織」
「しおりお姉ちゃん」
「立花さん」
「お前」
「君」
「俺の恋人」
・・・。
・・・・・。
・・・・・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なま、え?」
「・・・・・・」
そう言うと、彼は悲しそうに笑って。
「流石だよ、しおり」
初めて、私の名前を呼んだ―――――。
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