第2話死

日本で有名な交差点を渡り、点滅したころには渡り終える。近くでは、駆け出しのバンドが路上で歌を歌っている。その周りには人が数名、その歌を聴いるんだろう。そんなことは気にせず歩く。

 少し歩くと橋が見えてきた。橋に着くと、バックを下ろし手すりの上に立つ。周りに人がいないか確認して前方に体重をかけた瞬間

 「待って」

と言われ足首と腰をつかまれた。


そして、「死」の時間が「生」に時間になる。


元カノに自殺を止められるというのはダサイにもほどがある。元カノの優良は、バイト先で知り合った。まあ、交際5か月でなぜかふられた。それでも、夢の国〈ハハッ呼んだ?〉は2,3回は行ったし、お洒落な喫茶店でいちゃラブしていた記憶もある。



どこかの灯が消える。死んでいたらいかなかった高校が、今自分の意思で向かっている。誰かが持つはずだった金も、今持っている。やはりこの気持ちはみんな持っているのか?それとも持っていないのか?そんな想像から現実に引き戻される。

 「なんで死のうとしたの?なんで?なんで?なんでよ。」

その意味が僕はわからなかった。わからないというより、脳内変換機能が作動しなかったといったほうがいいのか?

 「私にはわからないよ。」

 「わからない?」

 「なんで?」

そういって彼女は泣き崩れた。

 「だからおんn」

これを言ったら殴られると思い言うのを止める。

 「横山だったらどうするだろう。」そんな疑問が脳裏をよぎる。なぜか天気を確認したくなったので、スマホに目を移す。あしたは,,,雨か。そして優良の方向を見る、寝ていた。こんな情景見たことあるなと思い、横山との出会いを思い出す。


 桜の花が咲くころ、引っ越して近所挨拶に回っていた。そして隣の部屋の挨拶に行く。会った瞬間、自分の全細胞が反応した。そこからだった。

そんなことを考えていた。

 車内アナウンスでは、

 「次は~白山~白山~ご乗車ありがとうございます。」

速度が遅くなっていく。それとともにガタンゴトンというリズムが崩れていく。

 車内は先頭車両だからか自分たちしかいなかった。後で後悔するとも知らずに。

 駅を出ると、すぐ学校が見えてくる。今年建て替えたばかりの学校とはどんなにいいものか。トイレはきれいだし、きれいな床だ。言い出すと止まらなくなるからここらへんでやめておこう。この学校はA型できれい好きな僕にはぴったりだった。


 1時間目は数学だった。教師は井上、はげとして有名だ。いつものように全員の目線が井上の頭を向く。正直、ワックスを塗っているんじゃないかと思うくらいだ。

 「堀口!聞いてんのか てめえ」

あ、言い忘れてた。口も悪かったんだ。

 「はい、すみませんでした。」

 とりあえず適当に返事をする。そんな感じで説教が終わる。まあ、学校生活はこんな感じだった。

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