第3話助け
そんな学校が終わり部活帰りの学生たちが帰っていく。最寄り駅は混雑する。早く帰るために、文化部に入部したはずが帰りが運動部と一緒という毎日を送る。
暗い夜道を通り、駅に着く。駅の弁当屋はいつもに増して混雑していた。所狭しと並べてある弁当の中から形が崩れていないのを取り出し、会計を済ます。
レジ袋を持ち、いつも通りに改札を抜けようとしてなぜか引っかかってしまったんだろうと思っていると、後方から舌打ちした音が聞こえて身がすくむ。人間ってこういう生き物だったんだとつくづく思う。駅員さんがいるところまでsuicaを持っていく。原因は早く改札を抜けたからだと言われた。
近くの売店に目をそらし商品の配列棚を見、立ち止まる。{大特価}と書いてある。
会計を済ませ、なぜ人間はこんな言葉につられてしまうんだろうと思いながら時間を見る。「あっ」と思っているうちに電車が行ってしまう。まぁ次の電車が3分後だったからいいんだが。そんなことを考えていると電車が来る。「うわ、、」思わず後ずさる。満員電車という恐ろしいものを改めて見た。
マンションの最寄り駅で降り、200m先のマンションに向かう。警備が厳重なマンションなため、パスワードを入力しなくちゃいけないのでめんどくさいなぁと思いながらも入力する。入力が終わりエレベーターに乗り、21階のボタンを押す。このエレベーターはあべのハルカスにも搭載されているエレベーターなのでとても速い。
そんな豆知識を思い浮かべているうちに、21階に着く。そこから南に向かって進んで自分の部屋にたどり着く。横山の部屋から何かが聞こえ、耳を澄まして聞いてみる。
「わかんないの?なんで?なんで?なんで?なんでなんだよ~ぉ~~~~~」そんなことかと思うが聞かずにはいられなかった。その後、しーんとしてた部屋から泣き声とともに
「もう、死にたい。」
「は?」と思い、全身の筋肉が石のように動かなくなる。心を落ち着かせ、筋肉をほぐして自分の部屋のベランダに駆け寄った。
予想通り横山はベランダから身を乗り出していた。無意識か本能かはわからないが横山の手をつかむ。
「お前が好きだ。」なぜかわからないが、そんな言葉を発していた。
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