冷たい視線と熱い鼓動
緊迫した雰囲気の中、傍聴席にいたショコラちゃんが重い口を開いた。
「……あの時……怖くて言えなくて………実は……聞こえました……私にも……裏切者って……」
そう言ったショコラちゃんは震えているように見えた。
_______……………「 裏 切 者 」
その言葉がきっかけで俺の消えた筈の記憶が一つ戻ってきた様な不思議な今まで感じた事がない感覚が襲った。
あの時俺は………
ショコラちゃんの髪の毛は本当にいい匂いでこれが女の子の匂いなのかと感動して潤んだ綺麗な瞳のショコラちゃんの告白に我慢出来ずに勢いに任せて口づけをしょうとした。
あと数センチの所で真後ろから苺の声で「裏切者」と聞こえた気がしたんだ。
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俺は真後ろからの視線と違和感を感じた。
苺の声がすぐうしろから冷たく聞こえた。
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じゃああの時……。
「裏切者」とショコラちゃんも聞いていたんだとしたら……。
ショコラちゃんも違和感を感じていたとしたら……。
ずっと目を閉じていたショコラちゃんが目を開けて一番最初に俺越しに見たのは……。
______…………苺 ?
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俺はそんな事を想像しただけで恐怖で身動き一つ取れなかった。
でもどうしてショコラちゃんはあの時
「‥‥‥小太郎さん‥どうしたんですか?‥‥やっぱり‥‥私では‥ダメですか?‥」
そう言って何事もないかのような振る舞いをしたんだ?
苺がその場から居なくなったら俺にこっそり教えてくれても良かった。
何でショコラちゃんは隠したんだ?
俺はその事が気になって傍聴席にいるショコラちゃんに聞いた。
「なぁ。ショコラちゃん……どうしてあの時言ってくれなかったんだ……?何で誤魔化したり…… 」
ショコラちゃんは一瞬俯いたがしばらく経って、意を決した顔付きで白に
「……白様……小太郎さんに……理由……話しても……良いですか……?」
「それはいけません。 ここの ‘’ ルール ‘’ に抵触する恐れがあります。」
「……でも……それを話さなければ……」
「麗しの乙女ショコラがおっしゃる意味もわたくしは理解しておりますが、これはシュガー源老師様が定めたここのルール。言わば、
「……でも……そうなると……小太郎さんの……望み……聞けない……んじゃ……?それも……ルール違反…… 」
「確かにそうですが…。わたくしではやはり決め兼ねます。ここはシュガー源老師様の御意見を拝聴しなければなりません。」
そういうと白は退屈そうに大あくびをしてる黒子を見つけ
「黒子!貴女良い加減になさい!!!! 何とだらしない姿ですか!誇り高き
「ふぁ〜い。白姉。気いつけま〜す。」
「全く。黒子ったら。……とりあえず!わたくしは裁判の形式上、ここから抜ける事が出来ないので、黒子!貴女は大至急シュガー源老師様の元に向かい示唆を仰ぎなさい。分かりましたね? 」
「
そう言い黒子は暗闇に消えて行った。
「全く! あの子のやる気のなさ、誇り高き
白が小声でぶつぶつ言っていると
暗闇から黒子が戻ってきて
「白姉〜!
「こら!黒子!いつも言ってますが!! シュガー源老師様をそんな呼び方するんじゃありません!
シュガー源老師様は本当に尊い方なのです!」
「えぇ〜でもばっちゃんもばぁちゃんって呼ぶと嬉しそうにするし……」
「そういう問題じゃありません!!!!本当に貴女という妹に、姉として頭が痛くなります…」
「まあまあ。白姉もそんな固い事言わずに!ばぁちゃんから受け取った手紙開けてよ 」
そう言って黒子が白に手紙を渡し、白が蝋の刻印で封された手紙を開けた。
すると中から大きな声で
「第二乙女ショコラの発言を特例で許可する!!但し、詳しい内容や試練本来の理念が分かってしまった場合!今後の試練は実施が困難になるからのぉ。残っている乙女を全員不合格扱いにするか、もしくは関わりのある部分のプレイヤーの記憶が全て貰う事になるがいいかのぉ?その線引きはこちらで決めさせてもらうのじゃ!!以上!! 」
いよいよ、試練の本質が暴かれようとしていた。
続く
シュガープロジェクト めんちさん @Sugapuro
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