濡れた想いと理性の終焉

 



 俺は白ともう一度キスがしたい。



 だけど俺は俺の周りにいるこの可愛くて甘い女の子を誰一人として失いたくない。


 白にもちーちゃんにも聞かれない様にショコラちゃんも失わないように……

 そんな気持ちでずるい俺は全てがうまくいく様にショコラちゃんの耳元で囁く。




「俺はショコラちゃんが大好きだから 」




 俺の言葉を信じて微笑むショコラちゃんを目の前に俺の目線は不敵な笑みを浮かべこちらを見ている白だった。


 白の笑みは己の欲望に忠順な俺の邪で汚い心を見透かした様な笑みだった。



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 一連の様子を見ていたちーちゃんが

「……むむむ?もしや! これは何やらちーがいない間に状況が変わった様なのです〜! こ . れ . は !小太郎さんのハートを射止める近道を白様に聞いたらこのちーが小太郎さんの1番になれるはずなのです。シュガーキッチンのアイドルであるちーにコツさえ掴めれば落とせない殿方などいないのです!これはチャンス到来なのです!!!そうと分かれば善は急げなのです 」


「……あッ……ちーちゃん……ちょっと!!! 」



 俺が止めに入ることも出来ないままちーちゃんは白に近づき何やら聞いている様だった。



 しばらく経ってから大きな声で


「えぇ〜!!!!!!」

「小太郎さんとキスしたなのですか ⁈ きゃわわ〜それは……はッ恥ずかしいなのです!! 殿方とキスはちーにはハードルが高すぎるなのです 」




 絶叫したちーちゃんの声から察するに‘’ あの事 ’‘ を話してしまったらしい……。

 それを聞いていたショコラちゃんも暗い表情を浮かべる。


 気まずい空気が流れる中


「ちょッ!!!!……待つのです!白様ぁ〜 」


 白に背中を押されてちーちゃんが俺に近づいて来た。



「麗しの乙女ショコラ。可憐な第3乙女ちーがプレイヤーと二人きりで話したい様なので席を外していただけますか。プレイヤーも気を使いますし。なんなら一回シュガーキッチンにでもお戻し出来ますよ。見たくないでしょうから」


 そうショコラちゃんに言い放った。


「……嫌……です……私……ここにいたい……」


 いまにも泣き出してしまいそうなショコラちゃんを見ていて俺の胸は締め付けられる様に苦しくなったがそれ以上に自分にとってもしかしたらまたキスが出来る、お得な展開が待っているのかもしれないとドキドキしていた。



「恋は戦争なのです! ショコラちゃん……今、小太郎さんに選ばれたのはちーなのです。だから……ちーのお願い聞いて欲しいなのです 」


「選ぶ権利はプレイヤーにあります。可憐な第3乙女は確かにプレイヤーに選ばれました。それはまぎれもない事実。なので麗しの乙女ショコラがどんなに嫌がってもここから離れていただきます。プレイヤー佐藤小太郎もそれを望んでいますから。良いですね? 」


「……わかりました……残り時間……後7分……5分だけちーちゃんに……それなら文句ない……」


 そう言い残しショコラちゃんは何処かに消えていった。

 いつのまにか白もいなくなりちーちゃんと二人きり。


 改めて俺の目の前に来たちーちゃんはもじもじしたかと思ったらいつになく真剣な表情になって


「小太郎さん!!あッ……あのなのです……ちーとキスしたかったらしてあげなくもないなのです !現役アイドルとの生ファーストキスなのです。するなら今なのですよ 」



 そう言いちーちゃんは近くの椅子に座り恥ずかしそうに微笑む


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 ちーちゃんのピンクでやわらかそうな唇を見つめる。

 自分からキスしたことがない俺の心臓はかつてないほど早く脈打っていた。



 沈黙が流れる。



 ドキドキし過ぎて何も言えず、キスの仕方もわからない俺は動けず、固まっていると気まずい空気にちーちゃんはみるみるうちに涙を浮かべ


「小太郎さん……ちーではやっぱりだめなのです?……小太郎さん……」


 上目遣いに耳まで真っ赤にして、いつも笑顔で元気なちーちゃんの濡れた綺麗な瞳にぷにっとした柔らかそうか唇。


 誰もいない二人の空間にお互いの息遣いだけが聞こえる。

 緊張感は一気に理性とともに弾けて無言のまま

 ちーちゃんの甘い香りに誘われて俺は勢いそのままちーちゃんを押し倒してキスしていた。


 想像していたよりずっとずっと甘いちーちゃんの唇に柔らかな肌、濡れたちーちゃんの瞳。

 ちーちゃんにえっちな息遣いに俺は自分の欲望を止められなかった。


 長く舌の絡まるキスをした後

 ハッと我に帰り押し倒し、覆いかぶさっていたちーちゃんの顔を見る。



 ちーちゃんは息も絶え絶えにいやらしいく俺を求めた。


「はッふぅ……小太郎さん……もっともっと……して欲しいなのです」




 続く

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