白の思惑と黒の囁き
「
「
その声と同時に辺りは真っ白なだだっ広い部屋から真っ黒な部屋に変わった。
薄暗い雰囲気に隣にいるショコラちゃんも不安な表情を浮かべる。
「大丈夫。何があっても俺が守るから……! 」
「……はい……」
お互いに硬く強く手を握った。
緊張を紛らわす様に苺から貰ったチョコレートを食べ続けるショコラちゃん
そんなショコラちゃんを見ていると暗闇の中から歌声が聞こえる。
その小さな声の歌声はだんだん近づいてくるようだった。
シュガーシュガー甘い誘い貴方は世界の虜になる。
二つの禁断の蜜。悪魔の囁き一つは毒入り?両方毒入り?
比べてみよう運命の天秤で。翻弄される二つの運命。
二つの禁断の味。天使の囁き一つは甘い?両方は甘い?
切り開いてみよう運命の天秤で。
歌声が俺の目の前で止まった。
しばらくして小さいフードを被った双子が俺の顔の前に現れ小声で話し出した。
「ハク姉〜。こいつまじきょどってて陰キャ全開で引くわ〜。こいつの二択裁判なんてまじ
「こら!黒子!そんなプレイヤーさんに本当の事言ったら可哀想でしょ? 慎みなさい! 」
「はぁ〜い。でもぉ〜ハク姉もしれっと言ってるしwさりげにつまりそれって
「もう!!いい加減にしなさい!! 黒子ってば、すぐ外の流行りの言葉を使いたがるんだから!!プレイヤーさんがついていけなくて可哀想でしょ? ごめんなさいね?」
失礼な事をずけずけと言っていた手のひらサイズの小さい女の子達は俺と目があうと、姿勢を正し自己紹介を始めた。
<i306736|24036>
「自己紹介が遅れました。わたくしはシュガー源老師様の愛弟子。
の姉。上白糖の精霊。名を白(ハク)と言います。そしてこの騒がしいのが妹の黒子です。黒糖の精霊。で時折、怪しい言語を使いますがお構いなく無視して下さい。」
「ちょっと〜ハク姉〜!! そんな言い方ないでしょ?
「本当の事でも言わない。それが由緒正しい
「あッ……あはは…。」
さっきの余りの言われように落ち込み俯いていると隣にいたショコラちゃんが心配そう俺の顔を覗き込み
「……小太郎さん……落ち込まないで……元気……出して…下さい……私……その……小太郎さんの事……好きですから……そんな悲しい顔見たくない……です」
<i306738|24036>
ショコラちゃんのその優しい微笑みとその一言に救われた気がした。
「マジ
」
「こらこら。煽るのはお止しなさい。シュガー源老師様がお選びになった方です。二択裁判が終わっても固い絆で結ばれるはずです。」
そう言いながらショコラちゃんの顔をまじまじと見て、俺の顔もまじまじと見つめ白はため息混じりにブツブツ話し出した。
「まぁ……よく見れば見るほど見目麗しい乙女と外の世界からきた本来なら釣り合い男だこと。正に美女と野獣。二択裁判に相応しい。……どんなプレイヤーも運命の天秤に誘う。それが我ら
そして大きく息を吸い
「今こそ運命の時!出でよ!「審判の天秤」!!」
そう言いながら白は小さい白い角砂糖を上に投げ、続けて黒子も小さい黒い角砂糖を上に投げた。
二つの角砂糖が高いところでぶつかる。
ぶつかった角砂糖は弾け飛び、中から巨大な金色の天秤が現れた。
暗闇の中怪しく、そして美しい金色に光る巨大な天秤。
横にいるショコラちゃんも魅入られている様にじっと見つめていた。
そして白は黒子に白の角砂糖を渡し、逆に黒子は白に黒の角砂糖を渡して同時に口に入れる。
すると二人はみるみるうちにセクシーで可愛い女性になり大きくなった。
被っていたフードを外し
「これで我々の準備完了です。プレイヤーと麗しの乙女。準備はいいですね?」
「これよりシュガー源老師様から仰せつかった、「二択裁判」の特別試練を開始いたします!!弁護人黒子よりルール説明!!!!」
いよいよ始まる「二択裁判」どんな運命の分かれ道があるのか。
そしてこの時、俺の知らないところで自体は着々と進んでいたのであった。
続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます