冷たい記憶と温かな追憶
二人の普段見ない様な真剣な表情に
「……二人……何……話して…るの……かな?」
ショコラちゃんも気になっている様だった。
真剣に話している二人を見ていると苺が気づいたのかこちらに近づいてきた。
「ショコラちゃん〜! ’‘これ’‘あげるですぅ〜!」
そう言って袋一杯の‘’手作りチョコレート‘’を渡してきた。
「小太郎しゃんとの試練が上手く行くようにお祈りしたチョコレートですぅ〜。 食べて欲しいのですぅ〜。」
「……苺ちゃん………ありがとう……。」
ショコラちゃんは嬉しそうにチョコレートを受け取った。
「早速食べてみて欲しいですぅ〜」
「…うん……」
ショコラちゃんが一口食べる。
「……苺…ちゃん……これ……! 」
「苺特製! ストロベリーチョコレートっですぅ〜美味しいですぅ?」
「……とっても……マイルド……病みつきの魅惑の味……」
「まだまだ沢山あるですぅ〜どんどん食べるですぅ〜」
「……コクリ」
ショコラちゃんが美味しそうに苺から貰ったチョコレートをどんどん食べる。
かつてないほど嬉しそうなその笑顔に俺も思わず試練に行くの不安が薄れたようだった。
そんなこんなであっという間に時間が経ち試練へ行く時間になった。
「特別試練を開始するぞぃ ‼︎ プレイヤーとショコラ!!前に出よ ‼︎ ‼︎ 」
ショコラちゃんと顔を見合わせて手を握りながら前に出た。
「小太郎しゃん! ショコラちゃん!!頑張ってくるですぅ〜」
「小太郎さん!帰ってきたらちーのお勉強も見て欲しいなのです !だからぜ〜ったい早く帰ってくるなのです!! アイドルであるちーをこれ以上待たせるなんてドルオタ失格なのです!!」
ちーちゃんと苺に見送られて俺とショコラちゃんは大きなかまどの前まで出た。
「準備は良いな? では出発じゃ! 」
その声と同時に一瞬目の前が真っ暗になり意識が遠のいた。
……____小太郎…
遠くの方から俺を呼ぶ声がする。
懐かしい優しい声。温かなその声に聞き覚えがあるのに誰だったのか思い出せない。
凄く大切な人?だったような……。
どうして思い出せないのだろう。
……____小太郎…さん……
この声は…………ショコラちゃんの声だ! 。
優しくて癒される声。俺の大好きな声だ。
それにショコラちゃんの甘いカカオの匂いもする……。
俺を包むこの温かくて柔らかいものはなんだろう……。凄く気持ちいい……。
ショコラちゃんの声がだんだん近づいてくる。
「……小太郎さん……起きて……くすぐったい……」
挿絵(By みてみん)
その声にハッとして目を開けるとそこには大きな胸と恥ずかしそうに顔を赤らめるショコラちゃんがいた。
「……小太郎さん……手を……動かさないで……下さい……」
そう言われて俺は自分の右手が無意識にショコラちゃんの内ももの際どい部分を触っていたことに気がつき、慌てて退いた。
「ごッごめん!! わざとじゃ無いんだ……無意識に手が勝手に」
そう弁明すると
「膝枕……もう一回…どう…です?」
挿絵(By みてみん)
辺りを見渡すがだだっ広い真っ白なこの部屋にはショコラちゃんと俺しかいない。
ショコラちゃんが濡れた瞳で上目遣いに俺を見つめる。
その誘惑に俺は負けた。
ショコラちゃんの柔らかな綺麗な太ももに俺の頬が触れる。
温かくてとてもいい香りににクラクラして変な気持ちになる。
そんなよこしまな事を考えていると
「プレイヤーとショコラは仲が良いのぉ〜!! 」
俺は慌てて立ち上がるりショコラちゃんも立ち上がった。
「そんな仲睦まじい二人に今から「二択裁判」を行なって貰う!! ではこれより「SugarシュガーWitch魔女Trials裁判」と宣言するのじゃ!!!!良いな! 」
顔を見合わせて俺たちは同時に
「SugarシュガーWitch魔女Trials裁判」
「Sugarシュガー…Witch魔女……Trials裁判」
その声と同時に辺りは真っ白なだだっ広い部屋から真っ黒な部屋に変わった。
続く
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