選択の天秤と裁きの時間

 

 いよいよ始まる「二択裁判」。

 目の前には突然出てきた、シュガー源老師の愛弟子と名乗る怪しげな双子Witch魔女Sisters姉妹




 この特別試練は双子の姉である白の号令から始まった。



「これよりシュガー源老師様から仰せつかった、「二択裁判」の特別試練を開始いたします!!弁護人黒子よりルール説明!!!!」



「まじメンディ面倒くさいだけどテンアゲ気分を上げて説明しま〜すw」


「黒子、今は由緒正しいWitch魔女Sisters姉妹のお仕事中ですよ?その話し方お辞めなさい! 」


「でも〜……」


「‘’でも‘’では無いのです!!余りに酷いようならシュガー源老師様に言わねばなりません。」


「ちぇッ!マジでさげぽよ気持ちが下がる。ハク姉〜。ハク姉が説明してよぉ〜!Witch魔女Sisters姉妹ならどちらが言ってもいいしさー。お願い!! 」


「ダメです!なりません。」


「ハク姉〜お願い!!今回だけでいいからぁ〜」


「黒子。あなた毎回毎回今回だけと言ってるでは無いですか?! 今日はダメです!!」


「だってルール説明ってさげぽよ気持ちが下がるなんだもん。難しいしさぁ〜ハク姉の方が説明が上手いしさぁ〜。今度から頑張るから!ね?お願い!! 」



「……もう黒子ったら。仕方ないですね。あなたが出来ないと姉であるわたくしも困ります。いい加減、わたくしがいなくてもWitch魔女Sisters姉妹の仕事が出来なければいけませんよ?良いですね?今回だけですよ? 」





「……では、仕切り直してわたくし白がルール説明をさせていただきます。」



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 まず「二択裁判」とはプレイヤーが「シュガープロジェクト」をプレイしていく中で ‘’とある感情‘’ が生まれると出てくる ‘’特別試練‘’ です。


 その ‘’とある感情‘’ の内容はこの特別試練と深く関わりがあるため説明できかねます。


 そして「二択裁判」とは、関わりのある疑惑の人物を「被告」として擬似出廷させ、プレイヤーの心を全て知っている検事であるわたくしとプレイヤー本人。

 擬似出廷させられた人物の全てを知っている弁護人黒子とその被告との駆け引きで罪の重さを確定します。


 擬似出廷した「被告」に検事であるわたくし白が3問、問いかけます。


 その内容が「真実」かはたまた「偽り」なのかを裁判にかけます。


 時間は30分。

 見事、真実に辿りつき偽りを見出せたら「審判の天秤」にかけます。




「審判の天秤」は物理的な重さに左右されない不思議な天秤でですが、真実は重く、嘘は軽く天秤が触れます。


 その他に罪を決定する中で「審判の天秤」を動かす事が出来る‘’最重要アイテム“ が二つあります。


 それはプレイヤーの「慈愛のかけら」とプレイヤーの愛を受ける乙女の「幸せのかけら」です。


 その二つの行方が「審判の天秤」を大きく左右し罪が確定します。


 罪が確定するにあたり被告が課せられる罰は二択。


 現状維持か裁きか。


 現状維持の場合何事も無かったように継続されますが 真実は闇に葬られ、誤った選択のままプレイヤーも知らない状態で「シュガープロジェクト」をプレイしていただきます。




 正し!被告が‘’裁き‘’ になった場合。


 被告は ‘’リセット‘’ つまり消滅します。



 被告の姿が消え、プレイヤーはその人物に関する記憶も無くなり罪悪感も無いまま新たに選択した内容が上書きされ「シュガープロジェクト」を引き続きプレイしていただけます。


 つまり被告が関わっていた選択を全て ‘’リセット‘’ し新たに選び直し上書き出来るのです。



 人間の本質、物事の本質を見ることが出来るこの「二択裁判」は、プレイヤーにとって「シュガープロジェクト」を攻略するにあたり、これ以上無いサービス試練になっております。



 プレイヤーが意図しない自分に有利な選択を乙女がするのかはたまたプレイヤーの気持ちに沿った選択を乙女がするのかプレイヤーの気持ちとプレイヤーの愛する乙女との絆も試されます。



 説明は以上です。


「何か聞きたいことはございますか?」



 長い説明と被告を ‘’消滅‘’ させるという話に戸惑い困惑していると、隣で聞いていたショコラちゃんが徐に手をあげ話し出した。


「……例えば……小太郎さんが……作った……私達を消滅……させた場合……BADENDの……乙女を殺すの……条件に当てはまって……ゲームオーバーに……なるんじゃ……?だから……出てくる……被告次第では……危ない……ってことじゃ?」


 ショコラちゃんの疑問は的を得ていた。

 確かにBADENDの条件に当てはまってしまう。

 その場合真実が何であれ選択の余地がなくなる。

 そう思っていると


「それは大丈夫です。「審判の天秤」によっての消滅はBADENDの条件は当たらないです。なので思う存分裁いて下さい。」


「……その……言葉に安心……しました……」


 そう言い俺の顔を真剣に見つめるショコラちゃん。

 混乱し、未だに状況理解が追いつけていない中、冷静に状況分析するショコラちゃんが頼もしく感じ男として情けない気分になった。



「……では質問は無いようなので二択裁判を開始する!!! 黒子!被告を前へ!!」


「は〜い!ハク姉!被告「森園武」を連れて来ましたぁ」



 目の前に連れてこられたのはオタ友の「武」だった。



 づづく

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