体調不良と男の野望
相変わらずのちーちゃんの雰囲気に俺は思わず
「フッ‥フッハハハ‥!!ちーは相変わらずだな!!なんか俺‥元気でたわ‥!ちー戻って来てくれて有難うな!」と言うとちーちゃんはドヤ顔で俺を見てるなり「小太郎さんもやっとシュガーキッチンのアイドルであるちーちゃんの魅力に気が付いたなのです〜♡このシュガーキッチンの天使であるちーちゃんは唯一無二の誰にも負けない一輪の可憐な花のように儚く美しい!」とずーっとテンション高く早口で話しながら時折、しょんぼりしてみたりそうかと思うとテンション高く笑い出したりとコロコロ表情を変えずーっと喋っていた。
それはそんなちーちゃんを見て本当に相変わらずだなと苦笑いを浮かべていると
「フォ〜ア〜ン」と言う音がして苺とショコラちゃんが戻ってきた。
「‥‥ただいま‥‥」
声は小さいながらも珍しく上機嫌にチョコを頬張るちびショコラちゃん。
そのショコラちゃんとは対照的に苺は顔が真っ赤でふらふらな状態で「‥ただいま‥ですぅ‥」と言った瞬間目を回し倒れた。
俺は慌てて苺に近づき「大丈夫か?! 」と苺を抱き上げるが苺はぐったりしていて息も荒い。
苺を抱えた腕が苺の熱で熱くなる。
「‥苺?!凄い熱なんじゃ無いか!?どうしたんだ? 」と心配していると「‥苺‥ちゃん‥水‥あび‥」とショコラちゃんが言いかけると「ダメ‥!!ショコラちゃん話してはダメなのですぅ‥」といいまたぐったりしていた。
前回のシュガー源老師の言っていたルールの話しもあるので、俺は凄く気になったがあえて聞かずに苺を部屋のベットまで抱えて連れて行き寝かすことにした。
それから苺は寝続けた。
時折うなされて苦しそうにしていたが俺達にはどうすることもできなかった。
それでも早く治るならと俺の思い浮かぶ限りの風邪薬を出して見たが、どれも苺には効果がなかったようだった。薬は効果が無いことに気づいた俺達は、皆んなで色々提案し苺を看病した。普段苺と喧嘩をよくしているちーちゃんでさえ心配そうに苺のおでこに乗せた濡れタオルを必死に絞り変えた。ショコラちゃんは苺がお腹が空いたら可哀想だと言って時々食べ物を食べさせようとした。おれもやれる事をやり、ちーちゃんに頼んで汗で濡れている下着や服を脱がして新しいものに変えた。
その効果もあってからかだんだん熱も40度から38度。38度から37度。とどんどん下がった。
そして苺が眠り始めてから三日目の朝。
「熱もやっと36度台まで下がったなのです♡そろそろ目を覚ましてもいい頃なのです♡早く目覚めるです♡」とちーちゃんが寝ている苺を揺らすが起きない。
ショコラちゃんが顔の上に乗り、苺の目を無理やり開けようとまぶたを引っ張るが反応がない。
「もう起きてもいいはずなんだけどなぁ‥。普通の風邪じゃ無かったのか‥?」とちーちゃんと顔を見合わせちーちゃんも分からないようで首を傾げた。
すると「お姫様を長い眠りから冷ますには王子様の熱いキッスが不可欠ですぅ‥あっ!なのじゃ。」と声がした。
いつものシュガー源老師の声じゃない‥それに語尾の「〜ですぅなのじゃ」って?と考えているとまた
「お姫様の眠りを覚ますには王子様からのキッスが必要ですぅ〜なのじゃ」と聞こえ声のする方を見ると苺が薄めでこちらをチラチラ見ながら口元を隠しながら話していた。
それも見てちーちゃんが
「あぁ〜!!!苺!!狸寝入りをしてたなのですね!!熱があって看病された事に便乗して小太郎さんの唇を奪おうだなんて100年‥いや!100億年早いなのです!!」と興奮気味に言いながら寝ている苺を激しく揺さぶった。
すると苺も
「ちーちゃん揺らし過ぎですぅ〜。苺は熱があったんですぅ〜。もっと優しく起こしてくださいですぅ〜」と言って目をこすりながら起き上がった。
目を覚ました苺を見て、俺は三日間の張り詰めた気持ちから解放され深く「ふぅ〜」と息を吐き思い切り深呼吸をして
「苺!!皆んなで心配したんだぞ!目が覚めなかったらって!!」と言って苺を抱きしめた。
すると苺は俺の胸に顔を押し付け深呼吸し、赤らめた顔で上目遣いに俺を見るなり
「‥小太郎しゃんの匂い‥大好きなのですぅ。ずっとずっと小太郎しゃんの匂いに包めれていたいですぅ‥」と言われ俺は恥ずかしくなり抱きしめていた手を離した。
それを近くで聞いていたちーちゃんは「あぁぁあぁぁ!!!苺ばかりずるいなのです!!ちーちゃんにも小太郎さん匂いを嗅がして下さいなのです!!」といい俺と苺の間に割り込んできた。
「今は苺の番ですぅ〜!!あっち行ってて下さいですぅ〜!!! 」と苺も負けじと割り込んできてそんな事を繰り返しやり二人共譲らない。
「こうなったらこういう時はじゃんけんなのです!!」
「負けないですぅ〜!!」と二人がやり取りを白熱させている時にちゃっかり俺の肩の上のポジションをキープしてチョコを食べているショコラちゃんは流石だなと思った。
色々あったが苺が元気に戻り、いつもの日常が戻ってきたのだが冷静に辺りを見渡すと部屋が散らかっていて汚れている。
この三日間で家事が何も出来ていない。いつもみんなが来ている、お馴染みのワンピースもほぼ洗濯物の山になった。いつも同じ服ばかり着てみんな飽きないのか?せっかくスタイルもいいのに同じ服ばかりじゃあもったいないよなぁ‥。そんな事を思いながら部屋置きっ放しのと洗濯物を手に取りじっと洗濯物を見つめて俺はある事を思いた。
そして喧嘩しているちーちゃんと苺を呼びショコラちゃんは苺の頭に乗り話を聞き始めた。
「皆んなに俺から提案があるんだが、今回苺が熱を出したのは寒そうな服を着ているせいもあるかもしれない!それに毎日同じ服もつまらないし飽きるだろうと俺は思う!そこでだ!皆んなでいろんな服を着てみないか?きっと似合うと思うんだ!いろんな服を試してみたらいいと思う!」と提案してみた。
色々、理由を言ってはみたがこんな可愛い子達に色々な服を着せて見たい下心がある提案だったが皆んなノリノリで
「このワンピース以外に服を着れるなんて嬉しいですぅ〜」
「ちーちゃんが一番スタイルもいいですから小太郎さんの好きな服をきせてなのです♡」
「‥‥私も大きくなって‥服‥きたい‥」と言った。
「じゃあまずショコラちゃんを大きく戻して、その後に皆んなでファッションショーしよう!!」と俺は張り切って言うと苺は恥ずかしそうに上目遣いで俺を見て
「小太郎しゃん‥鼻の下伸びてるですぅ‥いやらしい服‥ですかですぅ?」と言ってきた。
続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます