ラングルーネ決戦

第233話 砲撃支援

「対空迎撃!」


 タマキが叫ぶ。


 彼女の視界に映る市街地は真っ赤に染まっていた。

 統合軍のレーダーが、飛来するロケット弾頭をとらえ、その予想破壊範囲を出撃中の機体と共有している。

 つまり、赤く塗りつぶされた範囲内は全部危険地帯だ。あまりに周囲が赤すぎて、着弾までに待避が間に合わない。


「撃ちます!」


 タマキをかばうように前に出たサネルマが、空へとむけて40ミリ砲を乱射した。

 ロケットは目視できない。

 しかし統合軍のレーダー情報と、〈ヘッダーン4・ミーティア〉が装備した対空レーダーの情報から、火器管制制御に従って対空砲撃を実施した。

 砲撃が続く中、これまで赤く塗りつぶされていた範囲内に色のない領域が生まれる。


「緊急退避!」


 わずか4名のツバキ小隊はその狭い領域へと慌てて集まる。

 同時に、周囲へとロケット弾頭が次々に着弾し、あたりを爆炎と煙が包んだ。


「全機、稼働状態確認」


 タマキが命じると反応が返る。3人とも無事。


「移動します。

 建物に注意を。いつ崩れてもおかしくありません」


 場所がばれている。ここに留まるわけにはいかない。

 ロケット攻撃で崩れた建物の上を通り、小さな路地へと入ると大隊の動きに合わせて進路を決める。

 

 ツバキ小隊は第401独立遊撃大隊に随伴して、ラングルーネ旧市街地で遅滞作戦に従事していた。


 ラングルーネ旧市街地は、遙か昔、大戦以前に造られた市街地だ。

 後にトトミ中央大陸東部を横断する高規格道路と鉄道が建設される際、導線の都合の良い現在の位置に新しいラングルーネ市街地が築かれたため、こちらは旧市街と呼ばれるようになった。

 行政機関は新市街地へ移ったが、生活環境は残されたため、旧市街地は小規模ながら発展し続けた。背の低い建物が目立つがそれでも旧ラングルーネ市政庁など高層建築もいくつか存在した。


 現在のツバキ小隊は僅か4人。しかも4人の装備する機体は、速度も使用弾薬も絶妙にかみ合わない。

 分隊未満の規模を利用して、自由に動き回っては進軍する帝国軍部隊へ一撃離脱をかけていたが、もうそろそろ限界だろう。


 帝国軍は相手が少数であろうと、いや、少数であるからこそ、全力で潰しに来る。

 たった4人の相手だろうが敵がいると分かれば広範囲ロケット攻撃も辞さないし、狙撃兵が姿をさらそうものなら容赦なく重砲弾や誘導弾が飛んでくる。


 しかしそれももう終わりだ。

 今までひとまとまりになって進んできた帝国軍は、ここにきて市街地内で部隊を分け始めた。

 ラングルーネ旧市街地の支配権を確立するつもりだろう。

 当然それは阻止しなければならない。

 この旧市街地を落とされると、ラングルーネ・ツバキ基地の東側防壁をさらすことになる。

 向こうは南側防壁を守るだけで手いっぱいな状況だ。こちらはここで何としてでも止めるほかない。


「敵は市街地戦を望むようです」

「上等ですわ。奇襲ならわたくしにお任せを」

「上から撃った方が効率良いわ。近接装備だけのクソ燃費は指揮官護衛でもしてなさいよ」

「クソ燃費はそちらも同じでしてよ!」

「まあまあ」

「作戦行動中です。私語は慎んで」


 機体速度も使用弾薬もそうなら、隊員たちの性格もかみ合わない。

 ナツコが居てくれれば良い緩衝材になって部隊はまとまってくれるのに。居なくなってはじめて彼女がツバキ小隊にもたらしていた、決して目に見えることの無い恩恵に気がついた。

 サネルマもまとめようとはしてくれるが、彼女ではどうにも力不足だ。


「孤立した敵から仕留めていきます。

 入り組んだ市街地を利用するので常に地図を確認して。

 ツバキ7。偵察を任せますが、その機体で市街地内は――」

「問題無い。飛べるわ」


 リルは2つ返事で答える。

 彼女の装備する〈Rudel87G〉は30ミリ砲が装備可能でかつ飛行も可能な機体だが、その分旋回性能や上昇能力が低く、入り組んだ市街地内では真っ当に飛ぶことさえ難しい。

 それでも彼女が問題無いと言うので、タマキは信じて送り出すことにした。

 飛行可能機の操縦技能について、彼女の腕は疑いようがない。


 既に〈Rudel87G〉の飛行特性を頭に叩き込んでいたリルは、ブースターに点火すると短い路地から離陸した。正面の建物外壁を蹴りつけて無理矢理進路変更し、そのまま高度を上げていく。

 危なっかしい飛行に頭を痛めながらもタマキは次の指示を飛ばす。


「ツバキ5。

 相手がどれくらいの規模なら奇襲可能ですか?」

「小隊だろうが中隊だろうが構いませんわ」

「真面目に答えて下さい」

「わたくしは極めて真面目です。

 〈空風〉は宇宙最速の機体でしてよ。

 相手がいくら多かろうが関係ありませんわ」


 真っ当な返答が返ってくる期待はそれほどしてなかったので、タマキはそれで良しとした。

 カリラの実力は確かだ。

 中隊相手に奇襲は流石に言い過ぎだとしても、孤立した敵小部隊相手なら確実に一撃離脱を決めてくれるだろう。


『敵分隊発見』


 リルから早速報告が飛び、敵の位置と装備構成が戦術データリンクに共有される。

 突撃分隊。市街地内の索敵に出てきた先遣隊だろう。

 即戦闘に繋がりやすい市街地戦においては、索敵に偵察機では無く突撃機を使うのは基本戦術だ。

 第4世代初期型〈フレアD型〉が8機。指揮官であろう〈フレアE型〉が1機。

 分隊を2つに分けて、それぞれ路地の左右を警戒しながら進んでいる。


『見つかった』

「待避して」

『了解。1発撃ってく』


 〈Rudel87G〉が発見された。偵察向きの機体ではないので発見されるのは時間の問題だったであろう。

 リルは14.5ミリ機銃で弾幕を張られる中、両腰につけた30ミリ砲を敵分隊に叩き込み、建物内に隠れた〈フレアD型〉1機を撃破。

 民家の壁など、30ミリ砲の前には無いも同然だ。


『1機撃破した。

 敵は警戒しながら移動継続中』

「援軍を呼んだでしょうね。

 対空機が来る可能性が高いです。深追いしないで」

『了解』


 リルはもう1度奇襲に向かいたかったようだが、命令を受け入れ敵分隊から距離をとった。

 敵の所在情報は大隊とも共有されている。

 ここで無理にツバキ小隊が出て行く必要も無いだろう。


「レーダーに敵機」

「こっちにも来ましたか」


 サネルマが声を上げると、タマキは左手を振って路地を左折するよう指示を出した。

 敵も市街地内に飛行偵察機を出してきている。

 迎撃したいが、サネルマの〈ヘッダーン4・ミーティア〉は40ミリ砲装備の重対空機。一応左腕に7.7ミリ連装機銃を積んでいるが、市街地内では分が悪い。

 タマキの指揮官機〈C19〉も主武装は12.7ミリ機銃。飛行偵察機の迎撃には若干重い。

 そしてカリラの〈空風〉は対空戦闘においてはお荷物同然だ。何を考えてかセミオートライフルを持ってはいるが、火器管制のほぼない〈空風〉では、カリラは命中弾を永遠に出せないだろう。


「一時下がりましょう。

 ここで無理する理由もありません」


 この市街地区画を敵に渡すのは悔やまれるが、ツバキ小隊4人で何とかなる相手ではない。

 大隊へ敵機接近情報を送りつけて、ツバキ小隊は2ブロック後退を選択。


『後退先に敵機。

 〈フレアC型〉2機。多分近くにまだ居るわ』

「距離をとって索敵継続。

 このまま進みます。戦闘準備」


 退路上に敵機発見報告が飛んだ。

 報告にカリラが「C型?」と、珍しい第3世代機の存在に驚く。


 リルに先行偵察させていたのが功を奏した。

 タマキはカリラへと先に行かせ、サネルマに自分の背後を守らせて前進。


 リルのばら撒いた索敵ユニットが、敵機の姿を捉えた。

 〈フレアC型〉が更に4機。恐らくまだ居る。帝国軍の1分隊は8人か9人だ。


「ツバキ7攻撃準備。

 ツバキ5。砲撃にあわせて強襲して。

 恐らくまだ隠れているから注意して」

「畏まりましたわ。ではお先に失礼。

 サネルマさん。中尉さんを頼みましたわよ」


 カリラはそう言うと、加速して敵機のいる地点へ向けて市街地をかけ始めた。


「わたしたちも攻撃準備を」

「はい。

 ――側面敵機」

「こんな時に。

 ――応戦します」


 路地の左方向。建物の向こう側から攻撃を受けていた。

 タマキは加速して回避しつつ、戦術レーダーで敵機位置を捉える。


「敵機捕捉。

 戦術データリンク同期完了。

 ツバキ2。建物ごと撃って」

「了解」


 敵の使用弾頭は14.5ミリ。建物を貫通し飛来したそれをサネルマは砲一体型のシールドで防ぐと、照準を火器管制に任せて40ミリ砲を放った。

 強力な40ミリ徹甲榴弾が建物のフレームごと貫き、炸裂して爆炎を上げる。


「背後から敵機!」


 攻撃中のサネルマが叫んだ。

 タマキも同時に戦術レーダーが捉えた敵影を確認していた。


「こちらは引き受けます。

 ツバキ5,7。そちらへの到着が遅れます」


 通信に対して、リルとカリラはそれで構わないと返答した。既にリルが30ミリ砲での急降下砲撃を開始し、高機動状態に移行したカリラは振動ブレードを手に突撃を敢行している。


 タマキはサネルマに背後を任せ、反対側へと12.7ミリ機銃を向ける。

 敵機は建物の3階部分。機銃では威力が心許ない。

 出し惜しみしている場合では無いと、右肩に装備した4連装ロケットランチャーを火器管制から呼び出す。

 2発だけアクティブにして、敵の居る3階部分に1発。その下2階部分、建物の主柱へ向けて1発放つ。


 打ち出されたロケットは迎撃されること無く、建物内部に飛び込んで爆炎を上げた。

 タマキは戦術レーダーを頼りに機銃で追撃を仕掛ける。

 レーダーに新たな敵影。


「敵機! ――速い!」


 高機動機。数は2。

 3階に居た敵は囮だろう。壊れかけた建物から飛び出した〈スフィアB型〉がブースターを吹き出して、全速力でタマキへと迫ってきていた。


「誘導弾撃って!」

「はい!」


 サネルマは即座に応じ、左肩に装備したマイクロ誘導弾を〈スフィアB型〉へと指向。既にレーダーが捉えているのでそのまま16発全弾投射。

 優秀な〈ヘッダーン4・ミーティア〉の火器管制が活きた。

 速攻で打ち出された誘導弾は前を進んでいた〈スフィアB型〉の進路を尽く潰し、回避不能の攻撃となって襲いかかった。


 炸裂。

 防御力皆無の高機動機ではいかに小口径であろうと誘導弾の直撃に耐えられるはずも無い。

 だが前に居た機体を盾にして、直撃を免れた2機目がタマキへと迫っていた。


 振動ブレードが引き抜かれ、超高周波振動が光の波となって刀身を輝かせる。

 タマキは後退しようとせず、逃げた建物上の敵の背後へと機銃弾をぶち込んだことを確認すると、コアユニット下に提げていた近接武装を引き抜く。


 エネルギーパックは装填済み。

 握り込まれたそれは、青白い光の刀身を展開した。

 最強の近接武器。レーザーブレード。

 ただしそれは超威力の代償としてとんでもないエネルギー消費量を誇った。

 今接続しているエネルギーパックなど、刀身を2,3振りしたら空になる。


 近接武器を見せても〈スフィアB型〉は退かない。

 いや、既に距離が近すぎる。今更後退するより、一撃加えてから転進した方が生存率が高い。

 それに、高機動機と指揮官機が近接戦闘すれば、どちらが強いかなど目に見えてる。


 姿勢を低くし真っ直ぐに振動ブレードを突き出す敵機。

 タマキはそれをレーザーブレードの刀身で受けようとするが、寸前で敵機が90度進路変更。負荷限界を超えた速度で無理矢理機体進路をねじ曲げて、そこからブースター噴射で強引に突撃してくる。


 タマキは手首の先の動きだけで、その進路へとレーザーブレードを放り投げた。

 青白い刀身が弧を描いて飛ぶ。

 突撃を一瞬ためらった敵機。

 タマキは迷わず敵機方向へと踏み込んで、左手に握った個人防衛火器を撃ちまくった。


 小口径高速弾が、脆弱な高機動機の装甲を貫いて内部を加害する。

 既に致命傷であっただろう敵。

 タマキは更に踏み込むとくるくると舞うレーザーブレードの柄をつかみ取り、勢いを失いながらも突っ込んでくる敵機へ向けて振り下ろした。


「ああ! もう! 手が足りない!」


 ことは済んだとレーザーブレードを元の位置に牽下してタマキは叫ぶ。


「でも隊長さん、久しぶりの実戦で嬉しそうです」

「そんな訳ありません。決して」


 念を押しながらも、タマキはどこか鬱憤が晴れたような、澄んだ表情をしていた。

 ここ最近は指揮に集中してばかりで近接戦闘に参加する機会など希だったし、出撃前に何かあったらしく苛立っていたようなので、久しぶりに身体を動かせていい気晴らしになったのだろう。

 そうサネルマは思うことにした。


「敵機増援来てます。突撃機編成。こちらの編成バレてますね」

「後退します。

 ツバキ5、戦況は」

『こちらは片付きましたわ。

 進路確保中』

「ご苦労様」


 タマキとサネルマの2人は、背後から追ってくる敵突撃機分隊へとグレネードを投射しつつ、煙幕を展開して後退した。

 進路上でリルとカリラと合流し、退路をリルに先行偵察させて更に後退を継続する。


『先回りされたわ。

 突撃機が構えてる』

「進路変更。

 位置がバレてますね」


 周囲には既に帝国軍の索敵ユニットが撒かれている。

 指揮官機のレーダー錯乱で詳細な位置を追われないようにはしていたが、多数の敵機が市街地に潜んでいるのなら、自ずと位置は露見してしまう。


「建物内を進みます。

 くれぐれも奇襲に気をつけて」


 前方に煙幕弾投射。

 煙幕の中建物へと入ると、2階に上がり開けたオフィスを進む。貸しオフィスだったらしいが、借主がいなかったのだろう。オフィスに仕切りは無く、1階層吹き抜けの状態だった。

 3人は空のオフィスを突っ切ると、索敵ユニットを窓から投射。敵影有り。


「強行突破しましょう」


 大隊の援護を得られる地点まであと僅かだ。

 リルを呼び戻し、邪魔な敵への援護射撃を要請する。


「ツバキ5、先に行って」


 カリラが一番に窓から飛び出し、向こう側の建物へと移った。

 隠れていた敵機が姿を現すが、高機動状態の〈空風〉を捉えられるものはいない。

 縦横無尽に暴れ回る〈空風〉をタマキとサネルマで援護。

 残弾を気にせず、ロケットも誘導弾も撃ち込んで強引に退路を築く。


 タマキとサネルマが建物から飛び出し隣へ移った。飛び移ると窓辺に近接信管を備えた対歩兵爆雷を仕掛けて前進。

 カリラと合流して先へ進む。


 折角仕掛けた爆雷だがあっけなくバレた。

 敵に指揮官機が居る。

 爆雷がグレネードで爆破処分され、突撃機が乗り込んでくる。


 タマキは煙幕展開。更に地雷を撒き散らし前進継続。

 リルが30ミリ砲で援護射撃に入り敵機2撃破。だが既に同階層に7機は渡って来ている。戦術レーダーは建物外にも敵機の反応を示している。


「残弾確認」


 指示を飛ばし、タマキは各機の残弾状況を確かめる。

 タマキはロケットを撃ち尽くし、残っているのは機銃弾とカートリッジ式グレネード。

 サネルマは40ミリ砲弾の残弾が心許ない。7.7ミリ連装機銃では突撃機の相手は分が悪い。

 リルの30ミリ砲はあと射撃2回分のみ。12.7ミリ狙撃銃は残弾十分。

 カリラは近接武器を敵から奪いながら戦っているためそちらは問題無し。ただ、度重なる戦闘でエネルギーの消費が激しい。


 〈空風〉は奇襲の為の機体であって、その場に留まっての戦闘は本来不得意のはずだ。それをカリラが操縦技能で無理矢理補って継戦してしまったが為に、エネルギーパックの消費がとんでもないことになってしまった。


「砲撃支援は要請済みです。進めるところまで進みましょう」

「進路でしたら切り開いて差し上げますわよ」

「大変結構。任せます」


 タマキはバックパックから取り出したエネルギーパックをカリラへと投げ渡す。

 エネルギーパックを取り替えた彼女は邁進開始。

 正面は〈空風〉で切り開く。

 タマキは遅れ気味のサネルマを叱責して加速する。


「遅れずついてきて」

「はい!」


 背後から誘導弾反応。

 誘導妨害機構を立ち上げて適当に照準を逸らす。煙幕が途切れ途切れになってきた。

 こんな時に限って大隊の砲撃支援が遅い。

 誘導弾の炸裂音が響く。

 直後、耳を劈く轟音と共に、砲弾の雨が飛来した。


 やっと来たか。

 タマキはようやく安堵して、隊員へ退却ルートの指示を飛ばす。


 だが何かおかしい。

 砲撃が妙に精確だ。距離がやけに近い。


 発射地点を割り出し、そちらを注視。道路を挟んで向かいにある建物の屋上に居た。

 〈R3〉が注視点をズームし、拡大画像をメインディスプレイに表示した。


 ――イスラさん?


 見られているのに気がついたのか、30ミリガトリングを斉射していた彼女は左手を掲げてグッと親指を立てた。

 タマキはそのハンドサインを見て何故か頭が痛くなり、ため息をつく。

 イスラは不敵に笑って通信を繋いできた。


『手が足りないようだから、頼りになるイスラ姉さんが助けに来てやったぜ!』


 斉射された30ミリ砲弾の雨は、建物を粉々に打ち砕き、ツバキ小隊以外の全てを破壊し尽くす。


「お姉様!!」


 姉の登場に、カリラはそばかすの浮いた頬を紅潮させ、喜びに満ちた表情で彼女を見上げた。

 しかしその表情は、イスラが装備している〈R3〉を見た途端に絶望の底にまで落ちた。

 こともあろうにイスラ・アスケーグは、カリラ・アスケーグの変態機コレクションのうちの1台を最前線に引っ張り出していた。


「お姉様ああああああ!!!!」


 カリラの虚しい叫び声が響く中、タマキは淡々と退却ルートを再度指示した。

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