第15話 ハツキ島義勇軍ツバキ小隊 その⑤
シオネ港から南西方向へ、海岸沿いに続く道を進むことおよそ300キロ。仮設の義勇軍部隊として登録されたハツキ島義勇軍ツバキ小隊を乗せたトレーラーは、海岸から内陸へ1キロ程入った所にある、コレン補給基地へと立ち寄った。
コレン補給基地は周りを海と山に囲われ、南西のハイゼ・ミーア基地、北東のシオネ港、北のハイゼ・ブルーネ基地へと続く3つの道路が交わる交通の要所であった。
ツバキ小隊はトレーラーの燃料補給と休憩を兼ねて、コレン補給基地に入ったのであった。エネルギースタンドにトレーラーが停められると、ツバキ小隊の各員は隊長指示でトレーラーから外へと出た。
「次は出発したらハイゼ・ミーアまで休憩はありません。皆さん今のうちに体を動かしておいて下さい。カリラさん、ここからハイゼ・ミーアまで200キロ程ありますが、運転を交代しましょうか?」
「ええ、お願いしますわ」
「分かりました。イスラさん、頼んでも?」
「もちろん。任せてくれ」
イスラはにかっと笑って、快く運転主を引き受けた。狭い荷室の中でじっとして、時折リルやナツコをいじるのにはおおよそ飽きていたからだ。少なくとも運転席は、心地よいシートとそれなりに真っ当な空間が保証されている。隣に生真面目な隊長が座っているのを差し引いてもイスラにとってはいい話だった。
「お願いします。では各員、食事を済ませておいて下さい。出発は30分後です」
タマキが告げると一同は元気よく返事をした。
元気だったわけではないが、しないとやり直しを命じられるので、多少無理してでも元気を取り繕う必要があったのだ。
エネルギーケーブルをトレーラーへ接続し終わると、各員にトレーラーに積まれていた保存食料が配布された。真空パックに詰められた固形状の栄養食で、ハツキ島を出立してから食事と言えばこれだった。
「暖かいものが食べたいなんて、我が儘なんでしょうね……」
すっかり食べ飽きた味の薄い冷たいそれを囓りながら、ナツコは愚痴った。
「ハイゼ・ミーアにつけば真っ当な食事が出てくるさ」
イスラは楽天的に笑って見せた。少なくともハイゼ・ミーアは大規模な基地であり、食堂が存在することは分かっていた。だからといって仮設の義勇軍に温かい食事が提供されるかどうかは疑問が残るところではあるが……。
「食事はともかくシャワーが浴びたい」
珍しくリルが愚痴るようにそう言うとナツコも賛同して返す。
「そうですよね。もうハツキ島を出てからずっと浴びてません」
「本当ですよねぇ。段々髪がべとべとしてきて」
「そうそう。特に朝髪を縛るときにっ――サネルマさん!? やめてくださいよ!」
普通に返答していたナツコだったが、発言の主がサネルマであることに気がつくと思わず口に含んでいた水を吹き出した。
「え? どうしました?」
サネルマは何のことやらと言った風を装うが、誰の目から見てもその光り輝く頭に髪がべたべたになる要素など存在しないのは明白であった。
「もう、悪い冗談はやめてくださいよ」
「冗談だなんて。これでも一応頭皮のケアは必要なんですよ」
「それは――そうだとしても髪はないじゃないですか」
「楽ですよー。どうです、ナツコちゃんも」
不気味に微笑むサネルマであったが、そのつるつるの頭をタマキにコツンと叩かれた。
「部隊内での布教活動は控えるように言ったはずです」
「いえこれは散髪の提案であって決して布教では――」
「駄目です」
「はい」
ぴしゃりとタマキに言い切られたサネルマは、素直に頷く他に選択肢はなかった。
「わたしは少し歩いてきます。皆さんも出発時刻までは自由にして構いません。ただし余り遠くへ行かないこと。それと他者とのトラブルを起こさないこと。よろしいですね?」
隊員は食事中のものも含めて返事をする。タマキはそれを見て、トレーラーを離れて近くの小さな丘へと続く道を歩いて行った。
「あれ、リルさん何処へ?」
食事を終えたリルが立ち上がりその場を離れようとしたので、ナツコは思わず声をかけた。
「歩いてくるのよ。ここから4、5時間はまたあのトレーラーでしょ。あんたも今のうちに体動かしておかないと血管詰まるわよ」
「そういうこと。どんなに疲れてても少しは体動かした方が良いぞ」
「なるほど」
そういうこともあるのかと、ナツコはリルとイスラ、それに続いたカリラを見送って、食事を終えると立ち上がった。
「私も歩いてきますね。サネルマさんとフィーさんは?」
「あー、一応まだ怪我人扱いなので、あとでそのあたりで軽く体動かします」
「自分はいい」
「そうですか。分かりました。では行ってきますね」
一緒に散歩する仲間が欲しかったのだが、2人に断られたナツコは1人、タマキが歩いて行った小さな丘へと向けて歩き出した。
トレーラーではずっと座りっぱなしだったので、意識していないところで体は随分硬くなっていたようだった。しかし歩き続けると段々と足の痺れも消えてきて、硬くなっていた筋肉もほぐれてきた。
小さな丘を登っていくと頂上に見晴台があった。ナツコはそこまでは歩こうと決めて、真っ直ぐ進んでいく。
「あれ、タマキ隊長」
見晴台の元にはタマキがいた。タマキが何かを口に入れたが、それが何だったかナツコには分からなかった。しかしタマキは背後から近寄るナツコに気がつくと振り返り、ばつの悪そうな表情を浮かべた。
「見てました?」
「ええと、ちょっとだけ」
「ナツコさん、口は堅いほうです?」
「どうでしょう、結構柔らかい気も――」
ナツコは自分の口を触りながら答えたが、タマキが顔をしかめるのを見て姿勢を正して答え直した。
「じょ、冗談ですよ」
タマキが何を口に入れたのかさっぱり分からなかったがナツコはそう答えた。
「よろしい。全員分はないので、内緒ですからね」
タマキはポケットから取り出した銀色の包み紙に包まれた何かをナツコへと手渡す。
「ありがとうございます。あ、キャラメルだ!」
「直ぐに食べてしまって下さい。見つかると厄介ですから」
ナツコは言われたとおり直ぐにキャラメルを口の中に放り込んだ。味のない保存食料ばかりだったので、久しぶりの甘い刺激に脳がとろけそうな程だった。
「厄介って――あ、イスラさんですか」
「言いたくは無いけどそうです」
「ですよね。タマキ隊長も大変ですね」
シオネ港からここまで、トレーラーの中でイスラの暇つぶしにからかわれ続けたナツコはタマキの心労を察して苦笑する。
「覚悟はしてたわ。それに、何処に行ったって迷惑な人間は存在するものよ。ナツコさんはそうでないと信じたいものだわ」
「あはは……。善処します」
「是非ともそうして下さい」
既に命令無視をやらかしていたナツコは申し訳なさそうに答えるほか無かった。
それからタマキは遠くを眺めて物思いにふけり始めた。ナツコは話しかけて良いか迷いもしたが、結局タマキへと問いかけた。
「あのタマキ隊長。質問良いですか?」
「はい、構いませんよ」
「あの、タマキ隊長は私たちの――義勇軍の隊長になってしまって本当に良かったのですか?」
「わたしが隊長では不満ですか?」
逆に尋ねたタマキに対してナツコは両手を振って答える。
「い、いえ、そんなことないです。そうではなくてですね、リルさんと、イスラさんに聞いたんです。義勇軍の隊長なんかになったら出世コースから外れるって」
「ああ、そのことですか」
タマキはそんなことかとばかりにナツコの問いかけに軽く応じる。
「リルさんにも言いましたが、出世なんて後からいくらでも出来ますから」
「そう、ですよね! タマキ隊長は凄い人ですもんね!」
タマキは首を横に振りナツコの言葉を否定する。
「いいえ違います。わたしがニシ家の娘だからです」
「え?」
「祖父が前大戦の英雄アマネ・ニシ元帥ですから。わたしも、兄も、父様でさえ、今の地位があるのはおじいさまのおかげです」
「そんなこと! ――そんなことないと思います」
ナツコはタマキの言葉を否定しようとしたが、それ以上なんと言ったら良いのか言葉に詰まってしまい声はしぼんでしまった。
「アマネ・ニシ元帥の名前は統合人類政府にとってあまりに大きい。政府の樹立から20年経ったにも関わらず未だに旧連合軍と旧枢軸軍の軍人がいがみ合い続けている状況でも、旧連合軍側の将校ですら、アマネ・ニシ元帥にだけは敬意を示す。それほどまでにおじいさまが残した功績は偉大なのよ」
「凄い人、だったんですね……。でもタマキ隊長は、そんなおじいさんみたいになりたいって思わないんですか?」
「わたしにとっておじいさまはいつも笑顔で優しい遊び相手でしかなかったですから。それにああいうのは父様や兄が引き継ぐべきだわ。むしろわたしは――。ナツコさん、イハラ提督は知ってる?」
話題を変えたタマキは朗らかな笑みさえ見せて、士官用端末にある女性士官の写真を表示させてナツコへ示した。
「イハラ――すいません、ちょっと待って下さい思い出します……。――あっ! もしかしてユイ・イハラ艦長ですか! それなら知ってます! たった一隻の船でたくさんの敵と戦った人ですよね! 孤児院の絵本で読みました!」
「流石に知ってましたね。ユイ・イハラ提督の話はそれこそ旧連合軍領でも人気ですから」
「はい! 頼れる仲間達と力を合わせてどんな苦難にあっても諦めずに戦い続け、宇宙に平和を取り戻したんですよね! 絵本も好きでしたけど、初等教育向けの戦記小説も好きでした!」
「ああ、あれね。わたしも好きだったわ」
2人は子供の頃の懐かしい思い出に浸り頬を綻ばせる。
「私もイハラ艦長には憧れました。――でも、作り話ですよね?」
「え? 実在した枢軸軍の士官よ」
「え?」
ナツコはきょとんとした表情を浮かべ硬直する。
「ほら、だからこの人が、イハラ提督」
タマキは手にしていた士官用端末をナツコへと手渡す。
ナツコは食い入るように画面を見つめる。
タマキと似た短い黒髪。顔つきは目元が若干垂れた柔和で優しそうなもので、左目の下に泣きぼくろがあった。
確かに昔読んだ絵本と良く似ているその女性士官の姿にナツコは思わず唾をのむ。
「で、ですが、あの小説みたいな大活躍は――」
「流石に全部が全部、書かれたとおりではないわ」
ナツコはその言葉にほっと安堵する。
「そ、そうですよね。だってイハラ艦長ときたら、滅亡寸前の包囲された星からたった1隻で出撃して敵の戦艦400隻を撃沈して、更に追撃して敵の新鋭戦艦と一騎打ちの末中破させたり、修理のため逃げ帰るその新鋭戦艦の通るルートを200万通りの中から予測して強襲をかけて大破させたりしたんですよね。流石に作り話――」
「そのあたりは全部忠実の戦果です」
「え、え? いや、そんなことって」
ナツコの頭でも流石に子供向け戦記小説の話が実際に起こるはずはないと理解していた。
それなのにタマキは事実だという。
言ったのがイスラなら、自分をからかってふざけたことを言っているのだと察しがつくのだが、相手はタマキだ。ナツコは何を信じたら良いのか分からず目を白黒させた。
「気持ちは分かります。イハラ提督の上げた戦果が余りに多すぎて、どこまでが真実なのか今でも議論はされます。
ですが、実際にイハラ提督は戦果を上げ続け、勲章という勲章を授与され、受け取る勲章がなくなったためイハラ提督のために新しい勲章まで作られてもまだ戦果を重ね、勲章が尽きたので代わりに昇進させたら少尉からわずか2年で大将まで昇進してしまったのがイハラ提督です」
大真面目に語るタマキに、ナツコは酸欠の淡水魚みたいに口をぱくぱくさせていたが、正気に戻ると士官用端末を手にしたままタマキへと詰め寄った。
「実在するなら、今イハラ艦長は何処にいるんですか! 是非会いたいです!」
「イハラ提督は戦死しました」
その一言でナツコに立ち上っていた熱気は急激に冷めていった。真っ白になったナツコへとタマキは声をかける。
「トトミ星系外縁部で行われた連合軍と枢軸軍最終決戦の前哨戦となる戦闘中、宇宙空間へと放り出されたそうです。遺体は見つかっていませんが、状況から見て戦死は間違いないと。その結果ユイ・イハラ大将は特例で大元帥に死後昇進しています」
幼い頃心を躍らせたイハラの実在と、その戦死を同時に知ってナツコは言葉に出来ない感情を噛みしめて立ち尽くす。でも直ぐに立ち直りにかっと笑う。
「そうですよね。イハラ艦長みたいな人が生きていたなら、みんな放っておきませんよね」
「ええ、本当に」
「イハラ艦長は枢軸軍にいたんですよね? ということはタマキ隊長のおじいさんとも知り合いだったのですか?」
「ええ。枢軸軍が連合軍の新鋭戦艦〈ニューアース〉の前に為す術無く首都星系まで進出されたのは知っていますか?」
「え、ちょっと戦争のことは分からないです」
ナツコがかぶりを振ったので、タマキはわかりやすいよう大雑把にかみ砕いて説明を始める。
「前大戦では序盤は枢軸軍が優勢でしたが、連合軍が新鋭戦艦の〈ニューアース〉を投入して以来戦局は一転。連合軍が連戦連勝で、遂に枢軸軍の首都星系まで進出したんです。当時最終防衛ラインを守るべく艦隊を率いて出撃したのが、わたしの祖父、アマネ・ニシ元帥でした」
「当時から凄い人だったんですね」
「ええ。でも結局、その戦闘では負けてしまいました。艦隊は壊滅的被害を受け祖父の乗艦していた旗艦すら大破する始末だったそうです。ですがその代わり祖父は〈ニューアース〉を中破させたのです。
補給線が延びきって〈ニューアース〉頼みだった連合軍は攻撃を一次止めざるを得ませんでした。〈ニューアース〉の修理完了までおおよそ6ヶ月。枢軸軍の誰しもが無条件降伏を受け入れようと言う中、祖父は諦めなかった。〈ニューアース〉の修理が完了するまでに、対等に戦える新鋭戦艦を作る。そのために新鋭戦艦を設計する人材と、運用する人材を集め始めた。
そこで見いだされたのが、当時士官学校を卒業したばかりながら枢軸軍旗艦のサブオペレーターに配属されていたユイ・イハラ少尉だったのです」
「へえ。縁があったのですね。あれ、でも少尉だと、今のタマキ隊長と一緒ですね」
「そうなのよ。でもイハラ提督はわたしとは違う。家柄も後ろ盾もない、普通の士官学校卒業生だった。
それでも一目で祖父に秘めた実力を見抜かれるほどの人物で、結果としてイハラ提督は新鋭戦艦の艦長となり、破竹の快進撃で枢軸軍と連合軍の対等講和にまで持ち込んだ。
――わたしの憧れはイハラ提督だった。子供の頃はイハラ提督のような才能がきっとわたしにもあるはずだって信じてた。でも、士官学校に入る頃にはそんなことはないと気がついてしまった。わたしが周りから一目置かれるのは、その後ろにある祖父の姿を見ているからだと」
タマキは物憂げに遠くを見つめた。そんなタマキの姿がなんだか悲しそうに見えて、ナツコは言葉をかける。
「そんなことないです。私はタマキ隊長のおじいさんのことは知らないですけど、タマキ隊長が私たちの隊長になってくれて良かったって思ってます」
「いいのよ。言ったでしょ、自分でも分かってるの。
でもどこかで自分が特別な存在であって欲しいとも思ってる。自分でも、自分のこと子供っぽいとは思うわ。それでもやっぱりイハラ提督がわたしの憧れなの。義勇軍の隊長なら、親が大将だろうと元帥だろうと関係ない。わたしは、わたしが特別な存在であることを証明するために義勇軍の隊長を引き受けたの」
タマキの言葉にナツコは体を震わせる。
特別な存在。
孤児であったナツコは、幼い頃は自分がそうなのではないかと信じていた。
両親の記憶も、自分の生まれた場所も日時も分からない孤児にとって、拠り所となるのは自分だけだ。だから自分はきっと特別な存在なのだと信じた。自分が特別な存在だったからこうして孤児院に預けられたのだと自分に言い聞かせてきた。
でも結局、そんなことはないと直ぐに分かってしまう。子供が孤児院に預けられる理由などと言うのは、両親の事故死や貧困、育児能力の欠如、家庭内暴力――たいていそんなものだ。
だからこそナツコは、タマキの自分が特別な存在であって欲しいという願いが痛いほど良く分かった。そしてナツコ自身も再びそう信じてみたくなってきた。
「あの! タマキ隊長! タマキ隊長はきっと、イハラ艦長みたいに――いえ、イハラ艦長よりずっと凄い人になれます! 私も頑張ります! 頑張って、宙族がどんなにたくさんいても倒して見せます!」
タマキはナツコの熱気籠もる言葉に照れながらも微笑む。
「それは心強いわ。――あ、でもこれはわたしの我が儘ですから。これから始まるのは戦争ですし、皆さんの命を預かった以上、親だろうと兄だろうと、使えるものは何でも使う所存ですから、安心して下さいね」
「あはは。頼もしいですね」
ナツコが笑うとタマキも笑みを浮かべて、それから腕時計をちらと見る。
「さて、おしゃべりが過ぎましたね。そろそろ戻りましょう。わたしが出発時刻に間に合わなかったら示しがつきませんから。ナツコさん、ここで話したことは他言無用です。口止め料は既に受け取っていますね?」
「はい。私、結構口は堅い方です」
「よろしい。では戻りましょう」
タマキとナツコは2人揃って丘を下りトレーラーの元へと向かった。
トレーラー前には既にツバキ小隊が全員集まっていて、整列してタマキを迎えた。
「全員揃っていますね。丁度時刻です。これよりツバキ小隊は、統合軍ハイゼ・ミーア基地へ向かいます。各員、トレーラーに乗り込んで下さい」
隊員達は返事をすると、手早くトレーラーへ乗り込んだ。
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