10.中大兄三山歌《なかのおおえのさんざんうた》

香具山かぐやま畝傍うねびしと

耳成みみなり相争あいあらそひき

神代かみよより かくにあるらし

いにしへもしかにあれこそ

うつせみも 妻を争ふらしき


香具山かぐやま耳成山みみなりやまひし時、立ちて見に来し印南国原いなみくにはら


海神わたつみ豊旗雲とよはたくも入日いりひさし

今夜こよいの月夜、さやけくありこそ


☆意味☆

女を巡り争う話は神話にもある、特に珍しい話ではないさ。


何だと思って聞いてみればたいしたこともない、まるで俺の立場は仲裁に来た阿菩大神あぼのおおかみのようだな。


さて、山ではなく海は静かだ、今夜の月のように静かに収まって何よりである。

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