君が代も我が代も知るや岩代（いわしろ）の岡の草根をいざ生（む）すびてな

我が背子（せご）は仮廬（かりお）作らす草なくば小松が下の草を刈らさね

我が欲（ほ）りし野島（のしま）は見せつ底深き阿胡根（あこね）の浦の玉ぞ拾はぬ

※紀温泉（きのおんせん）に幸（みゆき）中の出来事

☆意味☆

隠してはいない、君のことも我のこともこの長く生きる岩にむした草（こけ）が我等のことを見ているさ。

いいじゃないか、住まわす御殿が無くても別にどこだって君に逢えれば私は気にしないぞ？

我には深い深い考えがある、それはすぐにはどうにもできない底深い海にある玉を拾うようなもの、君を大事に思ってのことなんだ。

プチ解説：恐らく当時の習慣で仮廬（かりお）と呼ばれる御殿を与えられることで正式な恋人として世間に認められたのではないだろうか。と考えての解釈

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい