8.額田王《ぬかたのおおきみ》

莫円囂隣之よめないの御諸みもろの?)

大相七兄爪湯気かいどくふのう我が背子せご

射立いめたてにけむ、厳橿いつかしが本


紀温泉きのおんせんみゆき中の出来事


☆意味☆

私の愛しい人、なぜそうも頑なに私との関係をお隠しになられるのですか。


プチ解説:次段の歌の作者、中皇命なかのおおえのみこが自分との関係をなかなか公にしないことを皮肉った歌、厳橿いつかしが本は神聖なもの、固い誓いを守ることを意味すると思われるが、そこに射目いめ(獲物を狙うための隠れる柵)を立ててこっそり活動している、ということと解釈した。


注:前半は難読文字のため解読不能、さまざまな解釈がされている。

はっきり意味の分かる部分は「我が背子せごの」と「厳橿いつかしが本」のみ。「大相七兄」は中大兄なかのおおえに七相?アナグラム?のようにも見える。


中皇命も実は読みは不明でどんな人物か詳細も分からない、明治時代の学者が「なかつすめらみこ」と読むと解釈したのが定説になっている。皇女とも言われる。

今回これを「なかのおおみこ」と読むのではないかと推察、つまり中大兄皇子なかのおおえのみことした。

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