第3-3話 魔獣

魔獣…

理性を持たない怪物

動物との明確な違いは魔素を多く持っている点

その分身体能力が高い、魔力を持っているなど非常に危険な存在である

と数日前にテオックから説明を聞いた


魔獣が唸り声をあげている、今にもこちらに突進してきそうだ


「おい、ヨウヘイ、逃げるぞ!」

テオックが魔獣を見つめたまま俺に話しかける


俺とテオックが駆け出そうとした瞬間、

魔獣がテオックに向かって走ってきた


テオックはすんでの所で回避する


「うお、あぶねぇ…」


テオックにかわされた魔獣はそのまま走り抜ける


「ヨウヘイ、今のうちだ!

走るぞ!」


俺とテオックは大樹の水場から離れ、森の中に逃げ込んだ


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少し走り、魔獣の姿が見えなくなった所で一息ついた

俺は息が切れていたが、テオックはそこまで疲労していなさそうだった


「あれはラズボードだ。

あの突進に当たったら痛いじゃすまないぞ」


見たら分かる、あんなもの食らったら全身骨折だ


さっきラズボードから逃げた時にこれまで通ってきた道ではなく、

そのまま森の中に入ってしまったので、どちらへ移動しているか分からない


「とりあえず大樹の水場を避けて移動しよう」

テオックの後に続いて移動する

時折背丈の高い草が邪魔になる、このまま遭難したりしないんだろうか


「これは帰れるのか?」


「ん?ああ、そっか

アステノに住んでる連中はみんなこの森は庭みたいなもんだ。

まあ魔獣に会ったらただじゃすまない事もあるけどな」


あっけらかんと言う



それから程なくしての事だった


茂みから音が聞こえる


「クソ、追いかけてきやがったか」


先ほど振り切ったと思ったラズボードが目の前に現れた

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