第3話 クステリの森

1週間後…



俺はすっかりアステノに馴染んでいた


村人には快く受け入れられ、

村長にも挨拶をした


村長は俺の心配をよそに紫髪の美人だった、下半身は蛇だったけど



アステノの村人はみんな自給自足の生活を行っていて、

俺はテオックの家の倉庫を借りる条件として、

テオックの作業を手伝っている



テオックは主に森の中で狩りをしたり、木の実や果物、山菜やハーブ等を集めているので

俺もそれに同行して主に荷物持ちをやっている


「今日は大樹の水場に行くぞ」


「大樹の水場?」


「村の西から森に入って、道なりに南西に進むとあるんだよ。

あの辺りは魔素が強いから良い薬草やハーブが見つかるんだ」


魔素とは大気に存在する魔力みたいなもので、

これを栄養として育つ植物が存在するらしい

アステノの周囲に広がるクステリの森の中には所々魔素の濃い場所があり

そこでは珍しい植物が手に入るようだ


「その場所は遠いのか?」


「そうだな、距離は結構離れてるが、道が途中まで舗装されているから

2時間掛からないと思うぞ」


舗装と言っても、もちろんアスファルトで舗装されている訳ではなく、

単に歩きや馬で難なく進める程度のものだ


簡単な保存食と水、後は邪魔な草を刈ったり採取するためのナイフを持って

俺とテオックは大樹の水場に向かった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る