第6話

先手必勝といったところか、威圧して静の状態から一番始めに動いたのは、チャイニーズマフィアの二人だった。

両手を握り合い、相手を回転させて飛ばし合うようにし、爪先とかかとにナイフを出して四人に急襲をし始めた。


シュルシュル×2 足を開いたり、閉じたりと四本の武器が軌道を変えて倒しに掛かっていく。

だが突然、竹を割ったようにスパンと止め、二人は、並んで立った。

怪しげな微笑みを顔に浮かべて。

ケガ人四人、死者ゼロ。 ギ~ィ、バンッ、爪先とカカトのナイフをしまう。


「アーアッ」×2、

「ターアッ」×2

一番始めにヤクザが走り出した。

つられて侵入警察官、無口でチャイニーズマフィアが走り出した。


右腕を背中に取られ、ロックされ、身動きが取れなく成った伝説!?の奴がいた。

相手は、一回り体が小さな奴だった。

「もう最後だ、あきらめろ、楽に殺してやる」

後ろから笑みを浮かべ、左手でナイフを取り出した。

「お前、殺すのが遅いんだよ・・・」

「なに!?・・・」

取られた右腕を持っていたが、相手は、ビックリした顔をこちらを向いていた、顎下から頭上に銃口が向けられている。

プシュッ、ドサッ・・・無音・・・、技が切れて速かった。

「右腕をかえして貰うよ、ヤクザ屋ごっこさん」

辺りを見て無表情で後ろにゆっくりと歩いて暗闇に消えて行く。


死闘を繰り返している建物内で突然、

「グオオオオ~・・・キャキャキャッ・・・」

と地を揺るがす程の低い声と猿が鳴いている甲高い声が響き渡った。

六人!?で死闘を繰り返していた侵入警察官!?とヤクザだが、チャイニーズマフィアの中の一人が

「ウグッ・・・アッ」

という叫び声を出して瞬時に暗闇に消えていった。


同時にチャイニーズマフィアに赤緑のマダラな物がかかり、一人に異変が起こる。

「・・・アッ!?・・・アッ!?・・・」

時差式に体中に電気が流れているみたいで、声のトーンも高く成っていった。

続いて体にも変化があり、両手や両足を床に付けるように成っていった。


「アァアアッ」

ジュ~ウ~ウ~、体中から白い煙が立ち上る。

そして膝を付いて前のめりに倒れた。

体は、ピクリともしなかった。

残った四人は、チャイニーズマフィアを見ていたが、次第に顔を見合わせて暗闇に消えていったヤクザの方を見るようになった。


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