第2話「活動会議」

 太陽が部屋に差し込んでくる。大きく背伸びして、もう1度ソファに座り込む。周りを見ると杏はやっぱり寝ていて、尋人と竜美と、平音はテーブルで何かを話し合っている。

『行ったほうがいいかな・・・』

 そういう気持ちもあったが、ひとまず呼ばれてから行こうという気持ちの方が勝っていた。

「陽太、ちょっと来てもらっていい?」

 尋人に呼ばれて立ち上がり、テーブルの方に行く。

 合唱の話かと思って行ったが、バンドについての話だった。

 バンドについては中学の冬にみんなで放課後集まって話し合ったのを覚えている。でも、本当に実現できるとは思ってもみなかった。

「お?マジでやるの?楽しみ!俺は確か・・・」

 教室で盛り上がった話を思い出す。でも早かったのは尋人だ。

「確か陽太はベースだよ!そして竜美が・・・」

 どんどん話を進める尋人。文芸スタジオについてになると、キャラが変わったように話す。でも、とても頼もしい。面白いし、何より楽しい。

「わ、私がギターとシャウト・・・?で、できるかな・・・」

「心配すんなって!平音はやる時やるからな!」

 中学校の頃から一緒だから、どんな性格かも理解している。

「で、僕がキーボード!楽しみ!!」

「ピアノやってたし、多分大丈夫だよ・・・。」

 いつの間にか起きてきていた杏も言う。俺もそう思う。

「じゃあドラムは杏でいいよな!」

 俺は杏にそう言った。杏は少し考えてから言った。

「うん、分かった・・・やってみるよ・・・」

 ねむそうに目を擦って言う。

 俺はベースになった。正直みたことも、やったこともなく、本当の初心者だから心配しかない。でも、文芸スタジオのみんながいてくれるし、気持ちも分かってくれるから安心感も出てくる。

 明日からベース頑張るぞ!

 ん…?尋人どうしたんだ…?大丈夫…だよな…?

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