第31話 相談?

「ふぁ~。」


眠い。なんで学校はこんな早くから始まるんだ?もっと遅くてもいいじゃないか。俺はあくびをしながら学校に向かっている。昨日はマスカルとか別のオリジンとかでいろいろあって寝つけなかったからな。


「それにあのあとノキアとも話したけど、これからはしばらくあの事務所を拠点にオリジンを探すことになったからな。」


ノキア曰く、


【1人でできることは限られている。仲間、もしくは協力できる者がいるならば、使わない手はない。】


だそうだ。まぁスティアが手に入ったことでバイトも辞めちゃったし、暇っちゃ暇だからいいけどさ。


「おーい。アスカ~。」


ん?この声は…


「ロイ。おはよう。」


「おはよう。アスカ。」


後ろから自転車に乗ったロイに声をかけられた。


「今日の1限目アサギ先生だぜ。アスカは宿題ちゃんとやってきたか?」


宿題?はて?俺のとぼけた顔を見てロイは


「なんだまたやってこなかったのか?」


「こっちもいろいろ予定とかあるんだよ。だからやらなかったんじゃない。やれなかったんだ。」


「予定っつっても、どうせスティアで遊ぶ予定だろ?」


あれ?俺スティアの名前言ったっけ?でも前駐輪場でゲームのこと話したし、言ったか。


「別にいいだろ?遊ぶのだって若者の特権だよ。」


「勉強もな。」


うっ!っと俺の声が詰まった顔を見てロイは笑い、それにつられて俺も笑いながら学校に向かった。


キーンコーンカーンコーン


昼休み。俺はロイと机を合わせて昼食をとった。


「またパンかよ。たまには弁当でも作ったらどうだ?」


「お前が手を出さなきゃ持ってきてやるよ。」


ロイは俺の喰ってる昼飯をみてため息交じりにそう言った。弁当ねぇ。そりゃ俺も弁当のがいいけど、朝作るのはだるいし何より俺が弁当を持ってくると決まってロイが勝手に手をつける。せめて何かと交換しろよ!


「ははは、そりゃ無理だ。だってアスカの作る弁当旨いもん。」


「ったく。」


こう見えて実は俺って料理が上手なんだぜ。意外だろ?それしか取り柄がない?うるせぇ!


「あ、そうだ。実はこれから放課後ちょっと忙しくなるみたいでさ、いつもみたいに一緒に帰れないかも。」


「別にいつも一緒に帰ってるわけじゃないだろ。変な誤解を生むような発言すんなよ。」


「ははは、それもそうか。」


つーか忙しくなる?ロイ個人の問題じゃないのか?もしかしてバイトの仕事の件かな?


「まぁいいよ。落ち着いてきたらまた一緒に遊ぼうぜ。」


「おう!」


そうして俺とロイは昼食を再開した。


キーンコーンカーンコーン


放課後。


「よし!そんじゃあ行くか。」


俺はかばんを背負い教室から出ていこうとする。するとロイに呼び止められた。


「アスカ。どっか行くのか?」


「ん?あーいやそういうわけじゃなくて…」


どうしよう?マスカルのこと言っていいのかな?でも一応オリジンのことは秘密っぽいし、黙ってた方がいいか。


「あっわかった。またスティアの対戦相手を探すのか?」


「ん?お、おう!そんな感じだ。」


なんか勝手に誤解された。いや?大まかなことを言えば間違ってはいないのか?結局オリジンを探す活動になるわけだし。


「なぁ、アスカ。そのゲームってさ。」


「ん?どうした?」


珍しいな。ロイのあんな悩むような顔。


「あーいや。やっぱ何でもない。」


「なんだよ。気になるじゃねーか。」


「いやほんと何でもないって。たいしたことじゃないから。んじゃ俺も帰るわ。」


「?まぁいいか。じゃーな。」


俺はロイと分かれ、マスカルの事務所に向かった。

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