第20話 帰宅
「おっ、きたきた。アスカー。」
駐輪場につくと俺を見つけたロイが手を振っていた。
「悪い悪い、待たせちまったか?」
「いやそんなことねーよ。んじゃ、帰ろうぜ。」
ロイは自転車を手で押しながら校門に向かっていった。俺もそれについていく。
「で、ゲームは返してもらったか?」
「ああ。それが聞いてくれよ。職員室にゲームを取りにいったら、アサギ先生が俺のゲームで遊んでてさ。あげくのはてに貸してくれまで言ってきたんだぜ?アサギ先生、よく教師になれたよな。」
「まぁ教育免許は大学で誰でも取れるみたいだしな。俺も大学いったら取ろうと思ってる。」
「あ、そうなの?つーかロイ、将来教師になるのか?」
すごいな。もう将来のことなんて考えてるのか。俺なんて今日のことで頭がいっぱいなのに…
「いや、まだそこまで考えてないけどさ。資格はあって困るものじゃないだろ?」
まぁ確かにそうか。
「というか俺たちまだ2年生だし、大学なんてそんな先のことまだ考えられねぇよ。」
「いやー1年なんてあっという間だぞ?来年には受験生だし、行きたい学部とかも考えないとな。」
受験かー。俺はどうしようかなー。
「特になりたい職業があるわけじゃないしなー。」
「なりたい職業がなくても大学に進んだ方が社会人になったとき給料が高くなるみたいだぜ。」
へーそうなんだー。じゃあ大学行こうかな。
「それよりもさ、アスカが買ったゲーム、ちょっと見せてくれよ。」
「ああ。ほら、これだよ。」
俺はスティアを起動させてロイに見せた。
「へー、これがそうか。これってハード扱いになるんだよな?ソフトも同梱されてる感じ?」
えっ?あーえっと?ハード?ソフトは多分ゲームソフトのことだと思うけど…。俺が反応に困っていると、ロイは俺の顔を見て
「あー、ハードっていうのはゲーム機のことで、ソフトはゲームソフトのことだよ。」
やっぱりソフトはゲームソフトであってたか。ハードはゲーム機ね。
「そうだなー。ゲームソフトをセットする場所もないし、ハードとソフトが一緒になってる感じ。」
「なるほど。んで、このキャラクターがお前の使ってるやつか?」
スティアにはデフォルメのノキアが立っている。
「そう。ノキアって名前なんだ。このキャラクターを自分で動かして、タップするとスキルが発動できるようになってる。そんでバトルフィールドに入ったら敵の方に進んで全部の敵を倒したら試合終了。」
「他にキャラクターはいないのか?ステータスとかは?」
「このゲームにはキャラクターは1人しか選べないんだ。そのキャラもランダムなんだけどな。そんでステータスはない。こっちのスキルを使うタイミング。敵と戦う時間帯。そういったものが勝利の鍵を握るんだ。」
「へー。買ったばかりなのに、結構詳しいな。」
「なんて、俺もまだチュートリアルしかやってないんだけどね。」
「なんだよそれ。」
ロイは笑いながらもスティアに興味深々だ。
「しかし、1人しか選べないって言ってたけどこのキャラ、アスカの好みじゃないよな。なんでこのキャラを選んだんだ?」
まぁそこは疑問に思うよな。
「いやこのゲームではキャラは選べないんだ。」
「は?じゃあどうやってこのキャラを選んだんだよ。あっもしかして、ガチャか?」
「
「なんで英語で言ってんだよ!」
俺たちは笑いながらシグナルを歩いていた。
「んじゃそろそろ俺帰るわ。」
「ん?俺ん家で遊ばないの?」
てっきり来るもんだと思ってたけど
「いや、この後バイトがあるんだよ。また今度アスカん家行くわ。」
「そっか。んじゃーなー。」
俺はロイに手を振った。さてと…
「ノキア。時間が余ったからお前の言った通りオリジン探しをしようか。」
俺はスティアに向かって話しかけた。
【うむ。では行こう。】
「あっ待って。一応家帰って着替えてからでいい?」
制服のままでもいいけど、一応学校がバレるのはよくないと思う。
【まぁいいだろう。装いは大事だからな。】
ノキアの許可ももらったし、俺は家に帰って着替えることにした。
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