第18話 先生と友達
「なるほど。新しく買ったゲームをしていたら、朝起きるアラームのセットを忘れてしまい遅刻したと…」
「ええそうなんですよ。」
俺が校門前で
「新しく買ったゲームって、いま
「あっはい。これです。」
俺はポケットのスティアを先生に渡した。
「うむ。ではこれは俺が預かろう。」
「えっ!?何でですか!?」
「教師の前でゲームを出す奴があるか!ゲームを持ってくるのは構わんが、せめて俺にバレないようにしろ!」
しまった!誘導尋問か!
「あと遅刻したのならもうちょっとマシな言い訳を考えて伝えろ!例えばおばあさんが足を痛めてたから病院に連れて行ったら遅れたとか…」
いやそれ完璧な嘘じゃん。別に嘘をつきたくないってわけじゃないけどさ…
「なんだその顔は。俺の言葉に文句でもあるのか。」
俺の不満そうな顔を見て先生はそう言ってきた。
「いやーその、嘘をつくのはよくないかなーと思って…」
「そんなのバレなきゃいいんだよバレなきゃ。」
教師の発言じゃねぇ。
「まぁいいか。そんじゃ放課後になったら職員室に来い。ゲームを返してやる。」
「はぁ、わかりました。」
くそ!俺のスティアが…。まぁしょうがない、とりあえず席に着くか。俺の席は5列ある内の真ん中の席で後ろから2番目だ。席に座ってため息を吐いていると…
「いやー災難だったな、アスカ。」
「ロイ。」
後ろから話しかけられ俺は振り返る。俺の後ろの席に座ってるこいつはロイ・シッターという名の俺の友達だ。こいつは髪の毛が肩くらいまであり、なかなかのイケメンだ。よく女の子に告白されるらしいが本人は女の子より男と遊んでるのが楽しいらしく、一部ではそっちのケがあるのではないかと言われている。もちろん俺はそうじゃないと信じている。信じてるよ?いやほんと。
「で、あれがお前が楽しみにしてたゲームか?」
「ああ。まさか没収されるとは思ってなかったけどな。」
「そりゃ教師の前で取り出したらそうだろ。」
ロイは笑いながらそう言った。
「にしても先生も適当だよなー。でもあんな性格だから、俺らには結構好評なんだよな。」
そう。アサギ先生は男に好かれやすい。年齢はもう30になったが髭も綺麗に剃っており、顔立ちはまだ若く見える。だが大雑把で適当なところもあるため、よく別の教師に怒られているところを見かける。前にアサギ先生に聞いたが奥さんのミズハさんには尻に敷かれているみたいだった。
「でさ、アスカ。放課後ゲームが返ってきたら俺にも遊ばせてくれねーか?そのゲーム。」
「あー、まぁいいけどさ。俺もまだほとんど遊んでないから、あんまり先に進むなよ。」
「あれ?昨日1日中遊んでたんじゃないの?」
「リセマラに説明書とかでいろいろ時間喰ったんだよ。」
ロイは「あー」っと納得した感じだった。まぁリセマラしてたのは事実だし、説明もノキアから聞いたことを考えると、あながち嘘じゃないよな…。そういやオリジンのことは言ってもいいのかな?んーわからん。これも後でノキアに聞こう。っと考えているとチャイムが鳴った。
「さぁ、授業を始めるぞ!起立!礼!着席!」
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