第6話 初戦
ノキアの指示通りに進んでいくと公園が見えてきた。公園にはゼクトを使ってい対戦している2人のスティプレがいた。1人は帽子をかぶってる少年で、もう1人は大学生か?あの2人のどっちかがオリジンを使ってるのか?ん?ちょっと待てよ?
「なぁ。ちょっといいか?ゼクトを使って戦うっていうのはいいんだけどさ、オリジンの戦いを他の人に見せてもいいのか?自我があるってことを、他の人は知らないんだろ?」
戦闘をしている2人の周りにはギャラリーがいた。もしあそこで戦ったら、オリジンのこともバレちゃうんじゃないか?
【安心しろ。ゼクトでの戦いをみたところで普通の者にはイミテーションとの違いはわからない。もしわかる奴がいるとしたら、それはオリジンだけだ。】
「へー。…あれ?でもオリジンの居場所がわかるのはノキアみたいなスキルがある奴だけだよな?もしかして、オリジンは見ただけでイミテーションとの違いがわかるのか?」
【そうだ。そして、私のようなスキルのないものはパートナーが出歩きオリジンを探し回る。私達はそこを狙う。】
狙う?それってどういう…。っと、ノキアと話してる間に試合は終わったみたいだな。どうやら帽子の少年が勝ったみたいだな。
「あー負けちゃったか。君強いね。また今度勝負しような。」
そう言って、大学生は公園から去っていった。残された少年は喜びながらスティアに向かって話している。
「よっしゃ。また勝った。これで3連勝だぜアレク。」
【ああ。俺とマコトのコンビなら、誰にも負けないぜ。】
どうやらあの少年がオリジン使いで間違いないみたいだな。あのアレクって男、見た目は狩人っぽい恰好をしてるけど強いのかなぁ。うっ、なんだか緊張してきた。…初戦で負けたらどうしよう。戦うの俺じゃないけど…
【おい、何をしている。さっさと勝負を宣言しろ。】
はいはいわかってるよ。こうなったらやるしかないな。俺はその少年に近づいた。
「ん?お兄さんもスティプレ?俺と勝負する?」
向こうの少年が俺に気付き、声をかけてきた。よし、ここはかっこよく勝負を仕掛けて…
【ああ。是非とも手合わせを願いたい。】
お前が答えんのかよ!…まぁ確かに、戦うのもスキルを使うのもノキアだから別にいいんだけどさ。そんなノキアを見て、アレクは目を見開いた。
【待てマコト。この気配…まさか、オリジンか!?】
おっ、どうやら本当にオリジンってことはわかるみたいだな。
【さて、どうかな?】
ずいぶんと余裕そうに言い返すね。本当に勝てるんだろうな?
「オリジン?アレク。オリジンってなんだ?」
【俺を呼び出したときに説明しただろう。俺のような自我を持っているキャラクターだ。まさかこんなに早く出会うとは思わなかったがな。】
【ほう。ということは、貴様もまだ契約して日が浅いと見た。なに安心しろ。こっちは先ほど契約したばかりだ。まだチュートリアルしかプレイさせてないからな、勝つなら今かもしれんぞ?】
おいおい、なんでそんなこと言うんだよ!これじゃあ俺が初心者だってことがバレるじゃないか!
【ふん、そう言ってこちらを油断させるつもりか?そうはいかないさ。行くぞマコト。】
「おう、俺たちの力を見せてやろうぜ!」
あっなんか勝手に勘違いしてる。ラッキー。
【本当のことなんだがな…。まぁいい、こちらも行くぞ。おい、スティアのゼクト起動ボタンを押せ。】
スティアにはゼクトの範囲内に入るとゼクト起動ボタンが出てくる。そのボタンを押すとスティアのキャラクターは立体的に表現される。
【自己紹介がまだだったな。俺はアレク。こっちは相方のマコトだ。】
【私はノキアだ。こいつはアスカという名前らしい。】
らしいってなんだよ!俺の名前ちゃんと覚えろよ!
「よろしくな!アスカ!」
…いやまぁいいんだけどさ。初対面で呼び捨てでも別に…
【気を抜くなよマコト。さっきまでの戦いとは一味違うぞ。】
【さて、お手並み拝見と行こうか。】
そうして俺のゼクトを使った初めての対戦が始まった。というか、初戦がオリジン戦って結構キツクない?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます