和泉和子君の質疑-九
(志村復興担当大臣)
転居ではなく海外旅行でございます。一家庭の海外旅行を国政の場で議題に挙げられるのはどうかと思いますね。
(和泉委員)
関係ない話ではないので質問してるんです。今年の一月上旬からシンガポールに滞在されていると聞いています。事実でしょうか。
(志村復興担当大臣)
これは事実でありますが、飽くまで旅行であります。およそ関係のない話と思われますので、その話はもうやめていただきたい。
(和泉委員)
関係なくないんです。もう半年以上もあなたのご家族は海外に滞在してるんですよ。先ほど大臣は、二〇ミリシーベルト以下の土地に家族を連れて転居できますか、という私の質問に対して、検討するとおっしゃいました。でもご家族が海外に長期滞在してるんですから、一体誰と検討するんでしょうね。
(志村復興担当大臣)
家族とです。
(和泉委員)
でも現実にはご家族は海外に滞在してらっしゃる。
そんな中で二〇ミリシーベルト以下のところに住むことを家族と検討するなんていわれて、誰が信じるんでしょう。要するに大臣はご家族を海外に避難させたんでしょう。
(志村復興担当大臣)
飽くまで海外旅行であります。
(和泉委員)
実質的な避難でしょう。
いいですか皆さん。復興の旗振り役が自分だけ家族を海外に避難させてるんですよ。自分の家族だけ安全なところに避難させておきながら、その一方で一般市民を年間被曝線量二〇ミリシーベルト以下の地域に強制的に帰還させようとしてるんです。これじゃあまるで金のない奴は被曝しても仕方がないと言ってるようなものじゃないですか。こんな酷い差別ってありますか。
大臣、ご家族はいつ御帰国されますか。
(志村復興担当大臣)
具体的な滞在日数は存じ上げておりません。
(和泉委員)
すぐに呼び返してください。
(志村復興担当大臣)
理由がないのでお断りいたします。
(和泉委員)
理由は十分にございます。帰還事業を推進する責任者として職務の公平性に疑念を抱かれてるから帰ってきてくれと言うんです。
(志村復興担当大臣)
シンガポール滞在は飽くまで家族旅行であって、避難ではありませんから、委員の疑念は邪推の類いであって見当違いであります。
(和泉委員)
娯楽目的の旅行とは到底思われませんが、たとえそうであったとしても疑念を抱かれている以上対処なさるべきでしょう。
(志村復興担当大臣)
お断り申し上げます。
(和泉委員)
今、大臣はご家族を日本に呼び返すつもりはないと明言されました。娯楽目的の家族旅行だから、というのがその理由だそうですが、一方で海外に避難する経済力のない大多数の国民に対しては法定外の被曝を強いようとしているわけです。こんな政府、到底信じることは出来ません。こんな人物を復興の責任者に任じた総理の責任についてはこれからしっかりと追及して参ります。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
(以下略)
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