加藤弘君の質疑-一

(大垣委員長)

 以上で岡本三郎君の質問を終わります。続きまして、加藤弘君。


(加藤弘君登壇)

(大化の党蒼風会加藤弘委員)

 蒼風会の加藤でございます。

 本日は今後いよいよ本格化してくる除染作業について質問致します。総理は所信表明演説におきまして、事故収束に活躍した自衛隊についてはこれを増員し、その放射線対策のノウハウを活用して汚染区域の除染作業を推進していく方針を示されました。

 他方、平成二十三年三月十一日に発生いたしました東日本大震災の折には、避難指示区域の汚染された表土を剥ぎ取って、空間線量にして年間二〇ミリシーベルト以下を達成した区域から順次住民の帰還を促す方針で臨んだと記憶しております。

 本件核惨事において汚染された区域につきましても、同様の方法による除染を予定されているということでよろしいでしょうか。

 柴田大臣、お答え下さい。


(柴田環境大臣)

 汚染区域の除染につきましては、委員ご指摘のとおり、福島第一原発事故において避難指示区域或いは帰宅困難地域に指定された地域の表土の剥ぎ取り、その他家屋の雨樋、屋根瓦、道路のアスファルト路面等を高圧洗浄機により洗浄して空間線量の低下を目指しました。

 この際、森林山河の除染については実質的に不可能であったためこれを行わず、それによって、降雨後等にこういった未除染の箇所から汚染水が流出して、線量が一時的に元に戻る、或いは上昇する、といった事象が報告された事実はございますが、そういった場合を除いては表土剥ぎ取りや高圧洗浄機による洗浄については空間線量の低下という目に見える効果が認められましたので、本件核惨事による汚染区域の除染活動に際しましても同様の方法を想定してございます。


(加藤委員)

 ありがとうございます。重ねて質問致します。

 今回の核惨事によって、避難を要するレベルの汚染区域に指定されたのは国土の何パーセントでしょうか。お答え下さい。


(柴田環境大臣)

 全体の約五十八・二パーセントであると聞いております。


(加藤委員)

 そうですね。国土の約六割にも及ぶ面積で除染が必要だということになります。

 それでは福島第一原発事故後の除染活動の際に、表土剥ぎ取りで出た汚染土の処理についてですが、現在までの進捗状況を教えてください。


(柴田環境大臣)

 福島第一原発の廃炉作業区や浜通地区の中間貯蔵施設が現在高濃度汚染区域に指定されており、一切の立入が規制されている状況ですので、本件摩耗核惨事発生前の状況についておこたえ致しますと、福島県浜通の中間貯蔵施設において中間貯蔵が必要となる除染土の総量一二〇〇万立方メートルのうち、既に九十パーセントの搬入を終えたところで、本件摩耗核惨事の発生により作業は中断のやむなきにいたっております。


(加藤委員)

 ありがとうございます。ただいま、柴田大臣から除染土総量一二〇〇万立方メートルという言葉が出ましたが、実際に表土剥ぎ取りで出た除染土の総量はそのほぼ倍の二二〇〇万立方メートルですね。

 二〇一六年三月にですね、環境省が唐突に一キログラムあたり八〇〇〇ベクレル以下の除染土を建設資材に再利用することが出来ると決定しました。中間貯蔵施設に搬入する汚染土の総量を出来るだけ減らしたいという意図が見え見えの決定だったわけですけれども、兎に角この決定によって、なんとなく中間貯蔵を要する除染土総量が一二〇〇万立方メートルにとどまるかのような雰囲気が醸成されましたけれども、実際にはもっと多かったわけです。

 大臣にお伺い致しますけれども、本件の除染のために剥ぎ取らなければならない汚染土の総量は先の福島第一原発事故の除染活動で出た除染土総量一二〇〇万立方メートルを大きく上回ることは間違いありません。一キログラムあたり八〇〇〇ベクレル以下という再利用基準につきましては大変な批判もあった中で、今回もそれを準用されるのでしょうか。

 お答え下さい。

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