岡本三郎君の質疑-一

(大垣委員長)

 以上で小笠原君の質問を終わります。続いて岡本三郎君。


(岡本三郎君登壇)

(日本国民党岡本三郎議員)

 日本国民党の岡本です。

 私は従来から、原子力発電所というものは非常な危険を抱えながら操業しているものであり、一旦過酷事故が発生すればその影響は計り知れないものであるという事実に基づき、国会の場において再三その撤廃について提言して参りました。その中で、力及ばず本件核惨事が発生してしまったことは国民の皆様方、ことに私の主張に同意して一票を投じていただいた有権者の方々に対して大変申し訳なく、慚愧に堪えないところであります。私は幸いにして本件核惨事を生き延びるのとが出来ました。この上は、愛するこの国が、二度と再び同じ過ちを繰り返さないように、総理の原発再稼働方針を阻止することが私に課せられた最後にして最大の政治的使命であると考えています。

 それでは質問に移ります。

 一体原子力発電所というものは、危険なんでしょうか、安全なんでしょうか。そもそも論になりますけれども、総理はそのあたりどうお考えなのか。この際はっきりお答え下さい。


(清水経済産業大臣)

 ただ今のご質問にお答えします。(岡本委員「総理、総理」と呼ぶ)

 我が国の原子力発電所につきましては、所謂過酷事故の発生は、平成二十三年三月十一日に発生した福島第一原子力発電所事故、本件摩耗核惨事の二件であります。我が国に所在する原子炉全体の稼働年数はおよそ一五〇〇炉年でありますから、これを単純に二で割れば過酷事故の発生割合は七五〇年に一度、ということになります。

 しかしながらこの事故発生確率については注意が必要です。まず、東日本大震災の際に福島第一原子力発電所一号機から四号機までの原子炉及び使用済み核燃料保管用プールの非常用冷却電源を機能不全に陥れたのは、千年に一度といわれる予測不可能な津波の襲来によるものでした。また本件核惨事におきまして過酷事故の原因になりましたのは、再出現性のない特殊生物の襲撃でありました。

 いずれの原発も事故前は規制当局による安全審査をクリアしており、また事故発生前後において現場作業員の機器操作に多少の齟齬があった事実については認められるものの、それ自体を唯一の原因とする過酷事故は我が国において過去一度も発生していないことはこれもまた事実なのであります。

 いうまでもなく米国におきましては一九七九年三月二十八日にスリーマイル島原子炉発電所事故、旧ソ連邦におきましては一九八六年四月二十六日にはチェルノブイリ原発事故がそれぞれ発生しており、この二件は作業員の操作ミスにより発生した過酷事故でありました。翻って我が国の原子力発電所においては、その種の事故については発生させたことは一度もないわけです。原発の操作に従事する作業員の練度は決して他国に引けを取るものではなく、むしろ世界一と申し上げても過言ではありません。

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