おどる
右手をのばして
肩のまえでたかく親指をあげる
そしてリズムにのりながら
上体ごと前へ
そのとき指のかたちは人差し指をのばして
おおきいともちいさいとも
いえないかれらは
みんなで
これをおどる
いいや
おどりかどうかも
はっきりとはしない
だれにも解明されたことがない
次にはんたいの手で
となりのものの肩を
まえから
中指でとんとふれる
このとき
けっしてとなりをみない
つねに
まえをむいている
かなでての音楽にあわせて
これをする
ぐるぐる、ぐるぐる、これをする
それがあったと
ラジオでつたわったとき
ああもうやってしまったのかと
さけのみおやじが
つぶやいた
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