出立




木洩れ日のさすほう

いっぱいにひろがる緑の葉

あい間からするどい猛禽の姿が

見え隠れする


猛禽の名はなんだろう

旋回するその翼の

これとわかるよりさきに

山を越えてそのまた遠くまで

行ってしまった


見れば

木洩れ日はまるで主を失ったように

やわらかく褪せている

あっけらかんと

秋が来たのだ



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