直喩 (6/10加筆)
こころなどは無いよ口先だけだ、と
詩人は厳かに宣言した。
彼女はまるで蛇のようだった。
夕方暮れる太陽を見ながら、金属の話をしました。詩人の身体はやわらかく金属とは反対のほうに在ると思っていて、それが勘違いであると知ったときに夏が始まったのだという気がします。
「明日は雨が降るでしょう」鉛の入ったニュースキャスターは言いました。明後日には川を流れる、そのときにまで生きていたくはありません。
世界の涯から全部、滝になって消えてしまえばいいのに、そうではないから美しさなどにとらわれてわたしたちは改造人間になります。
反吐が出るのさマリンスノウみたいに、と
詩人は朗らかに吐き捨てた。
彼女はまるで海亀のようだった。
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