永遠の竜




はじめての雪がふったとき

ふるえることを忘れた


持ち得る限りの純粋なこころだけを持って

西の港へ立ち

雨も雪もふらない土地を思った

そこへ棲むという竜を思った


夏も秋も冬もない

永遠の土地の

空を泳ぐくじらのような

そんな竜だ


はじめての雪のなかで

私は竜だった

ふるえることを忘れた

空を泳ぐくじらのような竜だった



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