第9話 幼馴染
「ま。紆余曲折あったが予定通り媒体を手に入れたな」
僕は寿命が縮んだよ。
「なに水をぶっかけられた犬のような顔をしておるのだ。全ては汝のムッツリスケベによる自業自得だろう」
我だけならアッサリ終わっていたと呟くエリザに返す言葉もない。
対象の席から常備しているジャージを見つけていたが、僕が見つかった為に教室に置いてきたんだ。
それを桃華に頼んで持ってきてもらい、僕はそれを着て外に出た。
エリザは桃華のジャージを借りた。
他校の生徒だけど、変質者の捜索に躍起になった校内を歩くジャージ姿を見咎める者はいない。それが裸足であってもだ。
そうして外へ出て、いつもの服に袖を通した途端どっと疲れが出たんだ。
桃華には今度説明する話になっている。行かなかったら今日の事をバラされる。
まだ安心出来ないが、今日の所は帰って休みたかった。
エリザはこれからジャージから採取した毛髪やらでマジナイをやるらしい。
間違って僕にかけないでよ、と言っておいたけど、僕に恋させるのにマジナイなど必要ない、目の前で脱ぐだけだと失笑された。
エリザの裸は何度も見たけど、僕がお前に恋なんてするかバカバカしい、とさっさと寝る事にした。
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