晩ご飯は豪勢にバーベキュー風です
日がまだ落ちきらぬ明るい時間帯に、宿泊予定地に到着することが出来た。元々、人間である
この宿泊予定地は、昼食を取った場所とは段違いで快適な野営地だった。魔物除けが整備されているだけでなく、簡易のかまどと洗い場まで付いている。悠利のイメージで言うならば、キャンプ場の一角みたいな感じだ。
流石に街道の真横ではなく、少し離れた場所にはなっている。それでもすぐに街道に戻れる場所だし、街道の様子をうかがうことは出来る。広い空間に魔物除けがきっちりと用意されているので、夜も比較的安心して眠れるというありがたさだ。
その至れり尽くせりな場所で、悠利と見習い組は夕飯の用意に取りかかっていた。
本日の献立は、かまどを利用した野菜の串焼きと、キノコの炊き込みご飯だ。それと、スキレットのように使えるフライパンを持ってきたので、そこで茄子とトマトをチーズ焼きにする。
これではメインディッシュがないと思われるだろうが、そこは悠利達の管轄ではない。そう、肉は、別に担当がいるのだ。
「たーだーいーまー!」
「肉をいっぱい捕ってきたぞー!」
実に元気の良いレレイとバルロイの声が聞こえた。悠利達が振り返れば、そこには、獲物を担いだ獣人組の姿があった。そう、彼らは近場に肉を狩りに行っていたのだ。
元気満々のレレイとバルロイの背後から現れた他の獣人達も、各々獲物を持っていた。どうやら簡単な血抜きは終わらせてきたらしく、これから解体して食べられるようにするようだ。慣れた様子で準備を整えている。
そんな一同の輪から外れてこちらへやって来たのは、ラジだった。見習い組と一緒に野菜の串焼きの準備を整えていた悠利は、不思議そうに首を傾げる。
「ラジ、どうかした?」
「あぁ、頼みがあって」
「頼み?」
「肉の味付けを幾つか頼めないかと思って」
「……普段使ってる肉の状態にしてくれたなら、何とかなるよ。調味料は一通り持ってきてるから」
ラジの頼みに、悠利は割と大真面目にそう答えた。普段お店で購入しているようなお肉の状態にしておいて貰わないと、悠利の手に余るのだ。解体とか、悠利にはちょっと縁がない世界なので……。
そんな悠利に、ラジは解ってると答えた。悠利が解体作業などと無縁なことを彼はちゃんと理解している。それで用事は済んだはずだというのに、ラジはその場に留まっている。
「どうかした?」
「いや、ユーリがあの三人のこと気にしてたから」
「あぁ、味付けの好みとか、食事が口に合ったのかとか、ちょっとね。美味しかったとは言ってくれたけど、細かい好みは聞けてないから」
午後も訓練だったしねぇと続ける悠利に、らしいなと言いたげにラジは小さく笑った。大人であるルードのことも気にしているが、それよりもやはり、十三歳トリオの方が気に掛かるらしい。育ち盛りの子供達なので、美味しくご飯を食べてほしい気持ちがあるのだ。
その辺りを理解しているのか、「味付けの好みは解らないが」と前置きをした上で、ラジは口を開く。
「少なくとも、ユーリの味付けが気に食わないとかではなさそうだった。お代わりしすぎて迷惑じゃなかったかと心配してたぐらいだ」
「むしろお代わりは、レレイとバルロイさんが豪快にしてた気がするけど……。でも、口に合ってたならよかった。晩ご飯も喜んでもらえると良いな」
「ユーリのご飯は美味しいから問題ないさ」
「ありがとう、ラジ」
普段と違う場所、普段と違う状況で仕事をこなす悠利を気遣ってくれたのだろう。他愛ないやりとりをしてくれるラジに、悠利は笑顔を向けた。……なお、その間も野菜の串焼きを作る手は休めない。相変わらず凄いな……と見習い組が小声で呟いていた。
「そういえば、あの子達ってラジから見てどんな感じ?強い?」
「ん?あぁ、個人の戦闘力なら俺の方が上だとは思うけど、連携が見事だったよ」
「連携?」
「そう。肉が沢山必用だから皆で狩りに行っただろう?そのときの動きがな。お互いに補い合ってて上手かったよ」
思い出すように告げるラジに、そうなんだと悠利は呟いた。まだ十三歳の子供達。年齢を考えればまだまだ子供だと思ってしまうのは、身近な場所にヤックがいるからだろう。十三歳と言えばヤックと同い年だ。
だが、流石は狼獣人ということだろう。物心ついた頃から戦闘訓練を受けている彼らは、幼いながら優れた身体能力を誇り、各々の役割を果たしているらしい。
「オーリィは斥候を担当していち早く獲物の情報を入手するし、それを聞いたピーニャが即座に仕留めにかかってた」
「ラルクくんは?」
「あの子は、必要なとき以外は動かなかったな。二人が動く後方で全体を俯瞰的に見てた」
「へー、そうなんだ」
大剣を携えていたラルクが積極的に動かないというのは、悠利にとっては不思議な感じだった。だが、三人の中ではそれでバランスが取れているのなら、問題はないのだろう。色々あるなぁと思った。
「それじゃ、肉の準備が出来たら声をかけるよ。よろしく」
「解体作業、頑張ってー」
「あぁ、頑張るよ。まぁ、僕が頑張らなくても、レレイとバルロイさんが張り切ってるけどね」
「あはははは」
ひらひらと手を振って去っていくラジ。思わず声を上げて笑う悠利。その悠利の反応に、視線を解体作業を行っている一同へと向ける見習い組の四人。
彼らの視界に入ったのは、お肉だー!と言わんばかりのテンションで張り切っているレレイとバルロイ。その二人を落ち着けと諭しているルード。黙々と自分達の作業を行っている狼獣人トリオであった。
「……レレイさん、安定のレレイさん」
「バルロイさんもな」
「……あのテンションで用意された肉、すっげー量になりそう」
「焼く、面倒」
「心配するな。焼くのは多分レレイさん達がやってくれる」
ぼそりと本音を零したマグに、ウルグスが先を見通したようなことを告げた。まぁ多分そうなるだろうなと悠利も含めて皆は思った。嗅覚の優れているレレイやバルロイは、肉を焼くのがとても上手なのだ。美味しいお肉を食べたい気持ちで頑張ってくれることだろう。
そんなことを思いながら、夕飯の支度をせっせと進めるのであった。
「このお肉美味しいねー!」
満面の笑みを浮かべて肉を頬張っているのは、レレイ。彼女達が狩ってきて解体した肉を、悠利が調味料で味付けして焼いたものだ。かまどの数が多かったので、野菜を串焼きにするのと同時に肉も沢山焼けるのだ。ちなみにレレイは、肉を焼きながら肉をもりもり食べている。
味付けも色々あった方が良いだろうということで、生姜醤油のもの、すりおろしたニンニクと塩だけのもの、塩胡椒と乾燥ハーブのものを用意した。切り分けた肉に下味を付けるところまでが悠利達の仕事で、焼くのはレレイ達がやってくれるので助かっている。
ちなみに、野外バーベキューのように野菜の串焼きと切った肉を焼いているのとは別に、大きなままの肉を熾した火の上でぐるぐる回して焼くという豪快な調理もしてある。そちらはシンプルに塩を振っているだけらしいが、丸焼き肉ということで場の空気は盛り上がっている。
単純に串に刺して焼いただけの野菜達も、野外の空気感もあっていつもより美味しく感じられる。ちなみに、味付けは各々で好きなものをかけてもらう方式だ。醤油、塩、ポン酢を持ってきている。今のところ人気は醤油と塩だった。
「肉が美味いのは解ったから、焼くのも忘れるなよ」
「ちゃんと焼いてるよー。あ、こっちのお肉食べ頃だよー。誰か食べるー?」
「はいはい、レレイさん!俺ら貰います!」
「解ったー」
クーレッシュのツッコミに笑って答えるレレイは、肉の焼き加減を見極めて絶妙のタイミングで網から引き上げている。その彼女の呼びかけに答えたのはカミールで、取り皿を持って駆け寄っている。見習い組で山分けするのだろう。
……普段のレレイならば大皿料理に突撃して肉をもりもり食べるのだろうが、不思議と焼き係を担当しているときはそういうことが起きない。確かに焼けた肉をその場で食べてはいるが、独り占めするようなことはない。彼女の中で何か切り替わるスイッチでもあるのだろうか。
とにかく、そんなわけでレレイは焼けた肉を皆に振る舞う役をやっている。バルロイも同じくだ。ルードも焼き係を担当してくれており、悠利達は黙々と食べるだけで良い。ちょっぴり申し訳ない気持ちだ。ただ、肉を焼くのは嗅覚の優れた獣人の方が得意なので、適材適所とも言える。
ちなみに、大きな肉は獣人トリオが時折火の通り具合を確認してくれているので、そちらの心配もない。
なお、今一人の獣人であるラジはと言えば、野菜の焼き具合をリヒトと共に確認してくれていた。下準備を悠利達が整えてくれたこと、一日中歩き続けて普段より疲れているだろうことを考慮して、焼き係を担当してくれているのだ。
確かに普段より体力を消耗している悠利は、その気遣いをありがたく受けた。見習い組の四人も同じくだ。行軍スケジュールはゆるっとしていたが、それでも一日中歩いていたことに変わりはない。
「んー、やっぱり直火で焼いた野菜は美味しいね。このタマネギも良い感じ」
串に刺して網で焼いたタマネギは、甘味がぎゅっと詰まっていて何とも言えず美味しかった。焼き目が付いているのも食欲をそそる。悠利はポン酢をかけてさっぱりと味わっているが、醤油でも塩でも美味しいだろう。
肉は勿論美味しいが、野菜もこうやってバーベキュー的な感じで食べるといつもより美味しく感じる。切って焼いただけでも美味しいのだから、屋外パワーはとても強い。
肉はどれが何の肉かを細かく聞いてはいないが、近場にいた魔物を色々と狩ってきてくれたらしい。魔物肉は普通に美味しいので、どれを食べても美味しかった。
「これって何のお肉だっけ?」
「それはウイングコッコの肉です。丁度食べ頃の個体がいたので」
「そっか。教えてくれてありがとう、オーリィちゃん」
「いえ。こちらこそ、美味しい味付けにしてくださってありがとうございます」
悠利の言葉にオーリィはぺこりと頭を下げた。生真面目な性格なのか、年上である悠利達を相手に敬語を崩さない。それでも、最初に比べて幾ばくか打ち解けた雰囲気が出ているので良かったなぁと悠利は思う。
ウイングコッコはその名の通り空飛ぶ鶏だ。よって肉の味わいは鶏肉に近い。今悠利が食べているのは脂のある部位らしいが、網の上で焼いたことで余分な脂は落ちており、食べやすい。悠利が食べたのは生姜醤油で味付けをされたものだったので、生姜のさっぱりとした風味も一役買っているのだろう。
噛めば噛むほどに、じゅわりと口の中に広がる肉の旨味が何とも言えない。その肉の旨味を感じながらタマネギを食べると、相乗効果で更に美味しく感じる。
「ユーリ、このライスすっごく美味しいよ」
「ピーニャちゃんの口に合って良かった。味付きのライスは食べたことなかった?」
「なかったの」
笑顔で感想を伝えてくるピーニャに、悠利も笑顔を向ける。他二人に比べて年齢相応の無邪気さがあるピーニャは、気安く話してと告げた悠利達にタメ口で話すようになっている。お互いその方が楽なので、特に周囲からも何も言われない。彼女の人徳かもしれない。
そんな彼女が大絶賛しているのは、悠利達が用意したキノコの炊き込みご飯だ。複数のキノコを食べやすい大きさに切り、和風出汁と酒、醤油で味付けをしたものだ。具材はキノコとお揚げのみなので、とてもシンプルである。
シンプルだが、キノコの旨味は素晴らしい。調味料は必要最低限だというのに、お揚げとキノコの旨味がぎゅぎゅっとご飯に詰まっていて、優しい味わいだというのに奥深いのだ。米の一粒一粒にその旨味が染みこんでいて、食べる手が止まらないようだ。
ご飯を白米ではなく炊き込みご飯にしたのは、その方が具材も食べられて良いかと思ったからだった。普段の食事ならば汁物も用意して栄養バランスをなるべく考えた食事に出来るが、流石に屋外でそこまできっちりとしたご飯は作れない。大人数の食事を作ることを考慮して串焼きを選んでいたので、せめてご飯にキノコを入れておこうと思ったのだ。
あと、単純にキノコの炊き込みご飯が美味しいだろうなと思ったのも理由だ。どうせなら、美味しいご飯を食べて貰いたかったので。
「そのまま食べても美味しいけど、焼きおにぎりにしても美味しいからね。良かったら、網で焼いてみて」
「試してみる!」
「試すなら、レレイの分も持っていってあげてー。多分確実に食べたがるから」
「解ったわ」
悠利の言葉に満面の笑みを浮かべて、ピーニャはおにぎりを二つ手にして去っていく。そう、食べやすいようにキノコの炊き込みご飯は全ておにぎりにしてあるのだ。そうしておけば、焼きおにぎりにも出来て便利だと思ったので。
普通のおにぎりを焼いて醤油を塗る焼きおにぎりも美味しいが、中までしっかり味の付いている炊き込みご飯を焼きおにぎりにするのもまた、美味しいのだ。カリッと香ばしく焼かれた表面と、柔らかなままの中身の対比が絶妙なのである。後で僕も食べようと思う悠利だった。
そんなことを思っていたら、皆を呼ぶリヒトの声が聞こえた。
「茄子とトマトのチーズ焼き出来たぞー。食べる奴は取り皿持ってきてくれ」
その声に、何人かが立ち上がった。なお、かまどの前から離れられないレレイは、「あたしも食べるんで冷ましといてください!」と取り置きを頼んでいた。猫舌のレレイはすぐには食べられないのを知っているリヒトは、解ったと告げて彼女の分を取り皿に入れた。
いそいそとリヒトの元へ赴いたメンツの中には、アロールの姿もあった。彼女はチーズが大好きなのだ。
「そんなにいっぱいはいらないから」
「うん、解ってる。熱いから気を付けてな」
「大丈夫だよ。ありがとう」
取り皿に茄子とトマト、そしてその上にかかったたっぷりの溶けたチーズを入れて貰って、アロールはリヒトに礼を言ってその場を離れる。いつも通りの淡々とした態度に見えるが、その口元は幸せそうに緩んでいた。好物を前にして出てしまった反応だ。
スキレットのように使えるフライパンを使って作った茄子とトマトのチーズ焼き。食べやすい大きさに切った茄子とトマトをフライパンに敷き詰め、オリーブオイルをかけ、塩胡椒と乾燥ハーブで味付けをする。そして、その上にチーズを載せて焼くというシンプルなものだ。
だが、シンプルだからこそ美味しいの見本みたいなものでもある。全ての具材が相性抜群なのだ。茄子とトマトがオリーブオイルと合わないわけがないし、チーズもそれらと仲良しなのだから。
ふーふーと熱々のチーズが載った茄子に息を吹きかけて冷ましてから、アロールは口へと運ぶ。火が通って柔らかくなった茄子は、噛むことでじゅわりと水分を出してくる。その茄子の旨味に塩胡椒と乾燥ハーブの味が絡み、オリーブオイルが全てを包み込む。そして、チーズが最後の一押しとばかりに存在感を出してくるのだ。
アロールは特にチーズが好きなので、とろりと蕩けたチーズが茄子に絡んでいるのが何とも言えずに美味しかった。口の中で全ての味が混ざり、極上のハーモニーを奏でている。
続いてトマトも同じように食べるが、こちらもこちらで大層美味しかった。柔らかくなったトマトは気を付けないと潰れてしまいそうだが、だからこそ口の中ですぐに旨味に変わるのだ。温かいトマトというのも悪くはない。
「アロール、それ、美味しい?」
「……美味しいよ。ただ、茄子もトマトも水分が多いから、気を付けないと口の中を火傷すると思う」
「それは重要な情報ね。ありがとう。気を付けて食べるわ」
大真面目な顔で頷いてから、ヘルミーネは焼き係をしているレレイに声をかける。
「レレイ、聞いてたわよね?いつも以上にしっかり冷まさないと、大騒ぎすることになるわよ」
「解った」
「……今にも食べそうにうずうずしてたけど、本当に解ってるの?」
「大丈夫、解ってる!熱いのは苦手だから、ちゃんと待つよ」
あたしを信じて、みたいなレレイを、ヘルミーネは軽く流した。ちゃんと伝えたからねと告げてから、食事に戻る。……まぁ、これも一種のコミュニケーションだ。いつものやりとりである。
屋外でわいわいがやがやと皆で食事をするのは楽しい。バーベキューとかキャンプみたいな気持ちになるからだ。美味しそうに食べている仲間達を見るだけで、悠利の表情も思わず緩んでしまう。
そんな風に皆が食事を楽しんでいると、ラルクが声を上げた。
「あの、丸焼き一つ目、ひとまず焼けました。切り分けるんで、食べる人は並んでください」
その言葉に、大多数がガタッと立ち上がった。主に子供組である。何せ、ででんと大きな肉の丸焼きである。興味が湧かないはずがなかった。
ちなみに肉は豚系の魔物のものらしく、悠利の中では子豚の丸焼きのイメージになっていた。なお、焼いているビジュアルは太い骨についた塊肉を、ぐるぐる回して焼いている感じである。
ラルクはその大きな肉を危なげなく流し台へと運び、包丁を器用に使って肉を削いでいる。ある程度の塊でざくざく切っているのを、皆は取り皿を手に順番に受け取っていた。てっきり大人組が切り分けるのかと思ったらラルクがやっているので、悠利は思わず「あれで十三歳なんだよねぇ……」と呟いてしまった。
大人びているとか、しっかりしているとかではなく、身体能力的な意味で十三歳には思えなかったのだ。あの大きな肉を一人で運べるのもだし、大きな肉を簡単に切り分けられる力も凄いと思ったのだ。
そんな風に眺めていると、切り分けられた肉を持ってクーレッシュが戻ってきた。そして、取り皿に入っている肉を一切れ、悠利の取り皿へと入れてくれる。
「クーレ?」
「せっかくだから食べてみろよ」
「うん、ありがとう」
クーレッシュの好意にありがたく甘えて、悠利は取り皿に入った肉を口へと運んだ。食べやすい大きさに切られているだけでなく、じっくりと火を通したからか見た目よりも柔らかい。味付けはシンプルに揉み込んだ塩だけだというが、肉の旨味と脂が混ざって良い感じだった。
一口サイズに切って焼いたものとも、網焼きとも、蒸し焼きとも、フライパンなどの鉄板で焼くのともまた違う。火で炙るようにじっくりと焼いたからこそ出せる美味しさがあった。口の中で肉の弾力を感じる度に、じゅわりと肉汁が広がって美味しさに表情が緩む。
それは何も悠利だけではないらしく、仲間達も皆、美味しい美味しいと言いながら食べている。屋外パワーも確かにあるだろうが、それを差し引いても十二分に美味しいお肉だった。
ふと視線を向ければ、肉を切り分けるラルクの後ろで、オーリィとピーニャが新しい肉をセットしていた。夜は長い。少し早めに夕飯の支度をしたので、皆でわいわいと騒ぎながらゆっくりご飯を食べても大丈夫だ。何せ、夜道に日は暮れないというのだから。
たまにはこういうのも良いなぁと思いながら、お肉を頬張る悠利でした。
なお、大量に用意したはずの料理は全て仲間達の胃袋に消えてしまい、沢山食べる人凄いなぁと思う悠利だった。残るよりずっと良いのです。
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