書籍21巻部分

森の中のワーキャットの里

「わぁ、ここが、ワーキャットの里なんですね」


 感嘆の声を上げた悠利ゆうり同様に、周囲では皆がここがそうなんだと言いたげにうきうきしていた。王都ドラヘルンから馬車でゆっくりと移動して三日。広大な森の中に燦然と輝くワーキャットの里に、一行は到着していた。

 何故悠利達がワーキャットの里にいるかと言えば、話は簡単。悠利を仲良しのお友達として慕っているワーキャットの若様リディが、「自分が行けないなら遊びに来て貰えば良い」という発想に至った結果である。一応正式にリディの両親、里長様ご夫妻によるご招待でもあるので、お子様のワガママだけで実行されているわけではない。

 今回のメンバーは、リディのお友達枠で悠利と従魔のルークスで、引率役としてアリー。お勉強の補助担当としてジェイク。若様誘拐未遂事件のお礼をしたいということでリヒトとマリアとアロールとその従魔ナージャ。経験を積むということで見習い組全員と、訓練生からはイレイシア、ロイリス、ミルレイン。……そして、マリアがうっかり暴走したときの押さえ役として、ラジ。それ以外の面々は仕事があったりしたのでお留守番だ。

 いつもはこういうときに一緒にいるクーレッシュやレレイがいないので、悠利としてはちょっと変な感じだった。まぁ、たまにはこういうこともある。お留守番組であるクーレッシュ、レレイ、ヘルミーネの三人からは、ワーキャットの里がどんな風だったか教えてねと言われている。お土産話をたっぷり持って帰るつもりだ。

 さて、そのワーキャットの里である。

 王都ドラヘルンから人里のない方へない方へと進んだ結果、ここは広大な森のど真ん中だ。しかし、森のど真ん中で四方が木々に囲まれている以外は、建築物などは王都ドラヘルンと遜色はなかった。つまりは、見慣れた街並みである。

 違うところと言えば、うろうろしている住人がワーキャットばかりというところだろう。カラフルな色合いの二足歩行する猫の皆さんが、楽しげに生活している姿が視界に広がっている。感情に合わせて揺れる耳や尻尾が何とも言えず見ていて楽しい。

 突然現れた人間の集団に少し驚いたようにしながらも、ワーキャット達は特に騒ぐことはなかった。話が通っているのだろう。物珍しそうな視線は向けてきても、そこに悪感情はなかった。


「街並みはそれほど違いはありませんけれど、やはり住人がワーキャットの皆さんだけというのは不思議な感じがしますわね」


 そう穏やかに告げたのはイレイシアだった。吟遊詩人として色々なものを見、色々な経験を積むことを目的にしている彼女は、今回ワーキャットの里に来られたことをとても喜んでいる。

 ワーキャット達は決して閉鎖的ではないが、それでもこうして里まで一般人が入れることは滅多にないらしい。悠利が若様と仲良くなり、友達という立場を手に入れたからこそである。悠利としては、単に友達の家に遊びに来たというぐらいの認識だが、冷静に考えるとそれなりにすごい状況ではあるのだ。まあ悠利にはそんなこと関係ないのだけれど。


「建物とかは普段僕達が見てるのとあんまり変わらないよね?」

「そうですわね」


 悠利の言葉にイレイシアは素直に頷いた。町並みにあまり違和感を抱かないので、ちょっと落ち着くのがありがたい。建物の雰囲気もそうだが、全体の感じも何というか、見慣れた感じなのだ。

 民家が立ち並ぶ一角があり、同時に様々な店が立ち並ぶ。店頭で食べ歩きが出来るような料理を売っている店もあれば、惣菜屋のように器を持ち込んで測り売りをしているような店もある。

 勿論、肉や魚、野菜を取り扱っている店もある。洋服や家具屋、雑貨屋、武器や防具を取り扱う店に日用品を取り扱う店。それに、鍛冶屋や毛並みを整える美容師のような店も見える。この里で全ての生活が賄われているのだと解る程度には、様々な店、様々な建物があった。そして、そのいずれも洗練されている。

 確かに王都の方が規模は大きいし、それだけに豪華ではある。しかし、ワーキャット達のこの里は、その面積と暮らしているであろう住人の割合を考えれば、かなり高水準でまとまっている。

 そこでふと悠利は不思議なものを見た。不思議というのは言い方が間違っているかもしれない。しかし、住人全てがワーキャットというこの里においては、それは確かに異物だった。人間である悠利達と同じ程度に、ワーキャット達とは違うと分かる外見の存在がいたのである。

 それは猫耳と猫尻尾を生やした人間の姿をした人々だった。有り体に言えば獣人に見える。

 ワーキャットというのは、顔立ちも手足などの構造も何もかもが、全て猫である。本当に、人間サイズの猫が二足歩行しているようにしか見えない。対して獣人はそれぞれの動物の性質を持ってはいるものの、獣の耳と尻尾を持つ以外は外見は人間と変わらない。そういう意味では街中でよく見かけるのは獣人の方だ。だから別に獣人そのものが珍しくはない。

 しかし、やはり二足歩行する猫、ワーキャットばかりのこの里において、獣人はちょっと浮いている。はて?と悠利は首を傾げる。何で獣人さんがここにいるんだろうという気分だった。

 そんな風に首を傾げている悠利の耳に、こちらへ駆け寄ってくる足音と「お待たせしてすみません」という穏やかな女性の声が聞こえた。

 視線を向ければ、申し訳なさそうにぺこりと頭を下げる一人の女性。見知った存在である黒猫のワーキャットのお姉さん、フィーアだ。この女性は悠利の友達である若様、リディのお世話役として側にいる女性だ。悠利達とも顔見知りである。

 

「出迎えが遅れてしまい、申し訳ありません」

 

 そう言ってフィーアは頭を下げる。いつ頃着くという連絡は一応入れていたものの、予定は未定のようなもの。悠利達は誰も彼女が不手際をしたなどとは思っていないので、その旨を伝える。それに対してフィーア安堵したように微笑んだ。


「ところで、慌ててらっしゃったみたいですけど、何かあったんですか?」


 悠利の質問にフィーアは困ったように微笑んだ。その微笑みを見て、悠利は色々と察した。何となく察せてしまった。そんな悠利な予想を裏切らず、フィーアは彼女がバタバタしていた理由を告げてくれた。


「若様が、お迎えには自分が赴くのだと駄々をこねられまして」


 そっと目を伏せるフィーア。やっぱりそっかあという顔になる悠利。リディは確かに悠利の友達で、この里の若様という身分ある立場である。しかし、まだ幼いお子様なのだ。つい先日まで人の言葉を話すのもおぼつかなかったような、そんなおチビさんなのである。案内も兼ねたお出迎えなど、出きるわけもない。

 ただし、これは幼児あるあるなのだが、皆がそれはちょっと無理じゃないかなと思っても、当人はなぜか謎の自信で自分は出来ると思い込んでいたりするのだ。今回もそれであり、自分はちゃんとお出迎えが出来ると言い張る若様をなだめすかしてフィーアが出迎えに出てきたということらしい。


「お疲れ様です」


 その言葉はとても自然に悠利の口からこぼれた。子供の相手は大変だ。悠利にとってリディは大事なお友達ではあるが、それと同時にやっぱり幼児枠である。若様、今日も絶好調だなという気持ちになった。


「それでは皆様を里長様の屋敷へとご案内させていただきます」

 

 そう告げるフィーアの案内で、悠利達は街の中を進んでいく。案内に従っているので、周囲のワーキャットとも騒いだりはしない。ただやはり子供達は見慣れない人間というものに興味津々なのか、親の後ろに隠れたり、建物の影からだったりだが、じーっと悠利達を見ている。

 しかし、駆け寄ってきて声をかけるというようなことはしないので、やはりちょっと怖いと思っているのかもしれない。僕達別に怖くないよ、という思いを込めて、悠利はにっこり笑っておいた。

 とはいえ、確かに悠利や見習い組がいて、子供連れの集団ではあるものの、ざっくり分類するならば彼らは冒険者の一団である。少なくとも訓練生達は冒険者ギルドで依頼を受けて仕事をしている。今回は荒事に長けた面々という印象は少ないメンツであるが、リヒトやラジなどは見るからに前衛と解る風情なので、多少の圧はあるだろう。

 それに何より一同の先頭を歩くアリーの威圧感である。スキンヘッドで眼帯の、明らかに強いと解る大人の男。まあ、確かに子供達が寄ってこないのも普通かなと思う悠利だった。

 そうして歩いていると、やはりちらほらと獣人らしき姿が見える。先ほどからずっと気になっていたので、悠利は素直に質問することにした。解らないことをすぐに聞けるのは悠利の美点である。多分。


「あのフィーアさん、この里はワーキャットの方だけが住んでいると聞いたんですが、獣人の方も住んでらっしゃるんですか?それともあの方々は交易とかで来られた外部の方ですか?」

「え」

 

 悠利の問いかけにフィーアは足を止めた。そして悠利が目線で示す先にいる獣人と思しき人々を見てあぁと納得したように微笑んだ。


「いいえ、彼らはこの外のワーキャットです」

「え」

 

 思いもよらないことを言われて、悠利はポカンとした。悠利だけではない。周囲の面々も首を傾げている。傾げなかったのはアロールと、アリーとジェイクの二人。彼らはそれぞれの方向から様々な知識を持っているので、フィーアの発言の意味が解っているのかもしれない。


「あの、ワーキャットっておっしゃいますけど、あの方々はどう見ても獣人ですよね」

「はい。彼らは今、獣人のような姿に擬態しております」

「擬態」

「擬態です」


 ニコリと微笑むフィーア。悠利は彼女が告げた言葉を口の中で何度か繰り返す。擬態、それは本来の自分とは違う姿で、他のものに紛れるための姿である。

 ちなみに悠利にとって最も身近な擬態といえば、本日の同行者にもいる人魚のイレイシア。彼女は人魚であるが、こうして陸上を移動するときは二本の足で歩いている。海や川など水のある場所では人魚らしく下半身は魚であるが、一定年齢以上の人魚にはこうして尾鰭を足にする擬態能力が備わるのだという。

 つまりはワーキャット達も同じことだと察することは出来た。しかし、何故そうしているのかはよく解らないので、やっぱり首をかしげたままである。

 そんな悠利の姿に、フィーアは追加で説明をしてくれた。

 

「一定年齢を超えたワーキャットには、獣人のような姿に擬態する能力がございます。今、擬態している彼らは、これから行商で外へ出て行く者達です」

「行商で外に……。ワーキャットのままじゃダメなんですか?」

「ダメというわけではないのですが、場所によってはワーキャットであることで余計なトラブルが生じることがあるのです。王都のように様々な種族の見られる土地では問題ないんですけれど」


 そう言ってフィーアはちょっと困ったように微笑んだ。自分達は何もしていなくとも、トラブルに巻き込まれる可能性がある。だから、それを避けるために擬態という能力を用いて、獣人に扮して移動する。何とも不便な話である。

 その話を聞いて、悠利はちょっとだけ、何だか嫌な気分になった。ワーキャットの皆さんは確かに見た目こそ二足歩行する猫で、見慣れていないと驚くこともあるだろう。しかし、中身は悠利達と何も変わらない普通の優しい人たちだ。見た目だけで判断する人ってどこにでもいるんだなぁと、ちょっと遠い目をする悠利であった。

 悠利のもやもやを察したのか、フィーアは慌てたように言葉を続けた。その表情は穏やかだ。

 

「ああ、勿論取引先の方々には、私共がワーキャットであることは伝えてありますし、あちらもそれは分かっていらっしゃいますよ」

「そうなんですか?」

「ええ、ああして擬態するのは、どちらかというと道中の危険を避けるためです」

「道中の危険……?」

「場所によっては、私達のような姿のものは魔物と間違われることもありますから」

「魔物はお洋服着ないと思うんですけどね、僕」

「そうですよね」


 悠利の素朴な意見に、フィーアはころころと笑った。確かにと悠利の背後で仲間達もうなずいていた。

 ワーキャットやワーウルフのような二足歩行する動物の姿をした種族は、多々いる。そして、それらをより凶悪にしたような見た目の魔物もいる。

 しかし、往々にして魔物達はあくまで魔物である。人のような文化的な生活は送っていないので、服は着ていない。毛むくじゃらのまんまである。そこを考えれば、人と同じように服を着て文化的な装いをしているワーキャットを見て魔物と判断するのは、何も考えていないなぁと思えるのだ。

 まあ、早い話がワーキャット達は道中のトラブルを避けるために擬態という能力を使っているだけである。取引先との関係は良好。そういう意味では別段問題はどこにもない。そういった説明を受けて、悠利はホッと胸をなで下ろした。知り合いの種族が迫害されるのはうれしくない。なので、少なくとも取引先とは関係が良好だと聞いて嬉しかったのだ。

 そうして雑談を交わしながら歩いていくと、町並みの最奥に大きな屋敷が見えた。実に立派なお屋敷である。 

 聞かなくても分かる。これが里長の屋敷であろう。流石は里を束ねる里長様のお屋敷。すごく立派だなぁと思っていた悠利の耳に元気な声が聞こえ、そしてドスと何かが悠利の腹に突撃した


「ゆーり!」

「うっ……!」

「若様!皆様と一緒にお迎えなのですから大人しくと申し上げたでしょう!」

「若様、話を全然聞いてませんでしたね!」


 悠利のお腹に突撃をしてきたのは、今日も今日とて自由な若様である。友達の姿を見たら、我慢できなくなったらしい。なお、それなりの勢いで突撃された悠利が倒れなかったのは、アリーが咄嗟に腕で支えてくれたからである。

 悠利のお腹に顔を埋め、抱きつき、ご機嫌の小さな生き物。金茶色の毛並みの子猫を見下ろして、悠利は苦笑してから口を開いた。

 

「こんにちは」

「こんにちは!」

 

 悠利の言葉に、リディは満面の笑みで答えた。側で聞こえる小言を完全にスルーしている。悠利に会えたことが嬉しいと全身で表現している。

 そんなリディの姿に、護衛役である茶猫の青年クレストも、学友である赤猫の少年エトルも盛大なため息をついた。悠利達を案内していたフィーアも一緒になっている。……常日頃若様のお側に控える三人は、安定の若様に頭を抱えている。

 そして今日は、ため息をついているのはその二人だけではなかった。リディと同じような金茶色の毛並みを持ったワーキャットの男性と、その傍らに控える淡いグレーの毛並みのワーキャットの女性が困ったような顔をしていた

 この状況、その立ち位置はまあまず間違いなくリディの両親だろうと判断して悠利は、ぺこりと頭を下げた。困ったような顔をしていた二人は、悠利のお辞儀に気づき、こちらもぺこりと頭を下げてくれた。子供の自由奔放さには、大人も手を焼くのだろう。


「リディ、皆様をお迎えするのなら、ちゃんとお迎えしなければいけませんよ」

「ははうえ」

「さ、こちらへ」

「はい」


 それでも普段なら我が儘いっぱいに自分のやりたいことしか通さない若様が、今日は随分と素直であった。やはり母親には弱いのだろうか?てててーっと母親の元へ戻った。リディは両親の間に立って妙に澄まし顔である。余所行きの顔とでも言おうか

 もう既に突撃してるから、今更キリッとしても台無しなんだよなぁと思った気持ちを悠利はそっと心にしまった。ここで迂闊なことを言って若様の機嫌を損ねるのは悪手である。


「ようこそお越しくださいました。この度は息子の我が儘に付き合っていただいてありがとうございます」

「いえ、こちらこそ、得難い経験をさせてもらえるとありがたく思っております」


 里長であろうリディの父親の言葉に、アリーはそう答えた。確かに数日かけてここへやってくるというのは、予定の調整もかあってそれなりに手間はかかった。しかし、それを差し引いても滅多にない経験をさせてもらえるというありがたさはあるのだ。異文化交流は大事である。

 特に、見習い組や訓練生に経験を積ませるという意味では、大変ありがたい。実際に依頼などで接することはあったとしても、そのときは仕事だ。交流は二の次で仕事をしなければならないので、異文化交流に割く時間は少なくなる。

 経験とは、金で買えない財産の一つだ。知識と同じで、知っているということ、体験したということは、記憶に残りやすい。それらは誰かに奪われるものではないので、課外授業めいたことが出来るならば、《真紅の山猫スカーレット・リンクス》としてもありがたいのだ。


「まずはお休みになる部屋へ案内させましょう。荷物を整理されましたら、夕飯までゆっくりとお過ごしください」

「痛み入ります」


 皆を代表してアリーが頭を下げる。それにならうように悠利達もぺこりと頭を下げた。

 今回悠利達は、里長の客人という扱いになる。ワーキャットの里には一応宿屋もあるらしいのだが、悠利達は里長の屋敷に泊まらせてもらえることになった。大きなお屋敷でのお泊まりである。ちょっとわくわくしている悠利だった。

 案内をされている途中、悠利の隣を陣取っている若様が口を開いた。くいくいと悠利の袖を引っ張って注意を引いてから、ちゃんと悠利の目を見て話しかける。


「ゆーり、いっしょにねよう」

「え?リディと同じ部屋でお泊まり出来るの?」

「いっしょだと、きっとたのしい」


 楽しみと言いたげに顔をキラキラと輝かせる若様。その言葉に、悠利はちらりと案内をしてくれているフィーアや、若様の側に従っているクレストへと視線を向けた。ここでエトルに視線を向けないのは、子供の管轄じゃないよねと思ったからだ。

 そしてそんな悠利の視線の意味を理解して、世話役の女性はきっぱりと言いきった。


「若様は自室でお休みです。お泊まりは出来ません」

「なんで!?」

「里長からもそのように言われておりましたでしょう?ご迷惑になりますから」

「めいわくじゃ、ない!」

「若様、ちゃんと一人で起きられるようになってからです」

「うぐぅ……」


 ズバッと言い切ったフィーアの言葉に、リディは呻いた。自由で我が儘が持ち味の若様であるが、今の一撃は効いたらしい。「……わかった」と答える声は沈んでいた。

 そんな風に沈んでしまった若様に声をかけたのは、カミールだった。何だかんだでリディとも仲良し枠に認定されている彼は、持ち前の社交性で落ちこんだ若様を励ますことにしたらしい。


「寝るのを一緒にするのは無理でもさ、寝るまでの時間部屋でお喋りとかは出来るんじゃないか?」

「おしゃべり?」

「そう。昼間は一緒に勉強とか交流とかして、夜は部屋でお喋り。きっと楽しいぞー」

「……たのしそう!」


 一瞬で若様の機嫌が直った。それならよいよね?と伺うように視線を向けられたフィーアとクレストは、顔を見合わせた後にこくりと頷いた。ただし、悠利達の迷惑にならないのなら、という注釈付きだ。

 とりあえず許可が出たので、ご機嫌になった若様。さぁ、家の中を案内するぞ!みたいなテンションで元気に歩いていく。その背中を、悠利達は微笑ましげに見つめるのであった。




 そんなこんなでワーキャットの里での課外授業が、楽しく愉快に始まるようです。




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