書籍18巻部分
帰還途中で落とし物を拾いました?
「やっぱりルシアのスイーツは最高よね!」
「他とは何かが違うんだよねぇ。今日も美味しかった」
「ねー!」
とてもとてもご機嫌なヘルミーネと並んで歩く
ティータイムにスイーツを提供している関係か、お客様は女性が多かった。ちらほらとカップルの姿もあったが、概ね女性客がメイン。そんな場所に悠利は行っていたわけだが、当人も周りも別に何とも思っていなかった。彼にはそういう雰囲気がある。
有り体に言うと、女子会に混ざっていても誰も違和感を覚えない。のほほんとした生来の性格なのか、十七歳という実年齢に比べて小柄なことが関係しているのか、持って生まれた童顔の影響なのか。とりあえず、そういう空間に普通に混ざってしまえるのが悠利だった。
もっとざっくり言うと、男扱いされていないとも言う。当人もあんまり気にしていないので、それで良いのかもしれない。
とにかく、二人はルシアの美味しいスイーツを堪能してご満悦だった。紅茶も美味しかったし、相乗効果で美味しさを引き立てるラインナップであった。美味しいスイーツには美味しい飲み物が必要なんだなと確信する感じで。
「ヘルミーネ、この後予定は?」
「特に何もないから、アクセサリーでも見に行こうかなって思ってるの。ユーリも来る?」
「うん、行く。見てるだけで楽しくなるんだよねー」
「選ぶの手伝ってね」
「解ったー」
うきうきのまま予定が決定して、二人は楽しそうに歩く。流れるようにアクセサリー屋への同行が決定していた。まぁ、よくあることなので気にしてはいけない。
悠利は自分が着飾ることにはあまり興味はないのだが、可愛いものや綺麗なものを見るのは好きだし、他人が着飾るのを見るのも好きだった。鑑賞は好きなタイプだと思ってもらえば良い。
そして、そういうものが好きなので、何だかんだで会話が成立する。細かなこだわりなどにも気付くので、一緒に買い物をして楽しい相手という認識をされているのだ。どちらかというと姉妹や女友達と買い物に行くような枠にされているが、誰も困っていないので大丈夫です。
そんな風にのほほんと休日を満喫していた二人だが、不意に喧噪が聞こえて視線をそちらへ向けた。詳しくは解らないが、離れた場所で煙が上がっている。
「……え、何、アレ?火事?」
「火事の煙じゃないわよ。アレは多分、何かが壊れた感じの煙」
「それはそれでダメなやつでは」
「何かあったのかしら」
二人揃って首を傾げる。その足元でルークスも不思議そうにこてんと身体を傾けていた。……えぇ、ルークスはちゃんと悠利の足元にずっといました。悠利が外出するときは、常にその側にいるのがルークスの役目なのです。護衛担当の従魔なので。
それはともかく、もうもうと煙が上がり、人々の騒ぐ声が聞こえてくる。何かがあったことだけは確かだ。
「様子、見に行ってみる?」
「危なくない?」
「遠くから確認するだけでも良いし。……ほら、何か困ってたら、悠利の鑑定で手伝えるかもしれないでしょ」
「あ、それもそうだね。うん、行ってみようか」
単に野次馬根性で言い出したのではないのだということが解って、悠利はヘルミーネの意見に同意した。まぁ、騒ぎになっているようだから、誰かが駆けつけているだろうとは思うのだけれど。
例えば、もしも何かが崩れてその内部が解らないとかだったら、悠利が手伝える可能性はある。人助けは良いことだ。自分達の手に負えなかったら応援を頼めば良いのだし。そんなわけで、ヘルミーネを先頭に悠利とルークスは騒ぎの起きているっぽい方へと向かって足早に移動する。
全力疾走とまではいかないが、それなりに早足で駆けている二人と一匹。そのとき不意に、こちらへ向けてかなりの速さで走ってくる人影が複数あった。
「あっ」
「きゃあ……ッ!」
危ない、と悠利が言うより先に、ヘルミーネの身体がぐらりと揺れた。前方からやってきた複数人の男達が、速度を落とすことなく体当たりするような勢いでヘルミーネの傍らを走り抜けたのだ。
勿論ヘルミーネは当たらないようにと避けた。避けたのだが、腕を振って走っていた男の袖口と、ヘルミーネの持っていた鞄の紐が絡まった。両者が絡んだのは一瞬だった。男は乱暴に腕を引っ張って走り去り、ヘルミーネはその反動でよろめいて転びそうになったのだ。
しかし、転ぶことはなかった。咄嗟にヘルミーネの側へと移動したルークスが、むにょんと身体の一部を伸ばして彼女を支えたからだ。
「キュピ!」
「ルーちゃん、偉い!」
「ありがとう、ルークス」
「キュイ」
お役に立てて何よりです、みたいな感じで嬉しそうなルークス。ルークスの機転のおかげで怪我をすることのなかったヘルミーネは、仕事の出来る従魔に笑顔でお礼を言った。
そして、不機嫌そうに唇を尖らせる。その憤りは、去っていった男達へと向けられていた。
「何なのよ、アレ!自分が引っかかってきたんだから、謝るぐらいすれば良いのに!」
「それ以前に、往来を人にぶつかるような速度で走るのもどうかと思うんだよねぇ……」
「本当にそれよ!もう!」
怪我こそしなかったが、転びそうになったのは事実なのでヘルミーネはご立腹だった。しかも、向こうが考え無しに突っ込んでくるのを、こちらが避けていたので尚更だ。避けてもらったのに感謝もせず、自分が原因で袖口と鞄の紐が絡んだのに乱暴に振り払って去っていった相手へは、どうやっても好意的になれそうになかった。
お気に入りの鞄の紐が傷ついていないか確かめているヘルミーネの足元で、何かがキラリと光った。気付いたのはルークスで、不思議そうにしながらそれを拾い、悠利に差し出す。
「どうしたの、ルーちゃん?何か落ちてた?」
「キュピ」
「……綺麗な金ボタンだね」
ころりと悠利の掌の上に落とされたのは、見事な細工の施された金ボタンだった。このボタンだけでも価値がありそうな、精巧な細工のものである。外れたばかりなのだと示すように、ボタンの根元には糸がちょろりと付いていた。千切れたという感じだ。
掌の金ボタンと、ぷりぷり怒りながらヘルミーネが確認している鞄の紐とを、悠利は見た。確証はないが、コレは先ほどヘルミーネと接触した男性の袖口に付いていたボタンのような気がした。落ちている場所があまりにもタイムリーだったので。
つまりは、ある種の証拠品である。この金ボタンの持ち主を探し出せば、先ほどの無礼な男性に辿り着くような気がした。
「ユーリ、何を見てるの?」
「これ、さっきの人が落とした金ボタンじゃないかなぁって」
「……つまり、そのボタンを調べて持ち主を割り出せば、あの失礼な男に会えるかもってこと?」
「ヘルミーネ、目が据わってます……」
「だって、失礼じゃない!」
せっかくの休日の良い感じの気分を邪魔されたので、怒りが収まらないらしい。どーどーと宥める悠利にも、心配そうにキュイキュイ鳴いているルークスにも絆されてくれない。よっぽど腹に据えかねたらしい。
とはいえ、手元にあるのはただの金ボタンだ。仮に鑑定して持ち主を割り出したとして、そうして対面したとして、自分のモノではないと言われたらそれまでである。何かこう、オンリーワン的な印が入っていたら別だが。
そんな風にご立腹のヘルミーネを宥める悠利とルークスの耳に、聞き慣れた声が届いた。
「お前ら、そんなところで何やってんだ?」
「アリーさん?」
振り返った悠利の視界に入ったのは、走ってきたと思しきアリーとブルックだった。今日は何やら仕事があると朝から二人で出掛けていたのを知っているので、何でここにいるんだろう?と首を傾げる二人と一匹だった。
「いえ、ルシアさんのケーキを食べてきた帰りです。お買い物でもしようかなって」
「そうなんです。……せっかく新作ケーキを食べて楽しかったのに、さっきのアレで気分最悪ー」
「あははは……」
ぷぅと頬を膨らませるヘルミーネ。美少女はそんな仕草をしても大変愛らしい。とはいえ、彼女が怒るのも解っている悠利は、困ったように笑うだけだった。
二人がここにいる理由が解ったアリーが口を開くより早く、ブルックがヘルミーネの肩をがしりと掴んだ。長身の凄腕剣士に見下ろされる形になったヘルミーネが、ピタリと動きを止める。
「新作ケーキが出たのか?」
「……あ、はい」
「いつ」
「数日前から……?」
「いつまで」
ずもももっと、何か謎のオーラというか威圧というかを背負ったブルック。声は静かなのだが、圧が凄い。悠利とルークスは身を寄せ合ってちょっと怯えていた。甘味に目がない剣士様の本気、怖い。
しかし、ヘルミーネはヘルミーネであった。彼女はブルックとは甘党同盟なのである。その同士が何を言いたいのかなど、今のやりとりで完全に理解していた。
だからヘルミーネは、威圧するように自分を見下ろすブルックに向けて、大真面目な顔で答えた。
「定番商品に追加するって言ってたので、売り切れない限りいつでもあります」
自分を真っ直ぐ見上げて告げられた言葉に、ブルックはヘルミーネの肩に置いていた手から力を抜いた。そして、大きく息を吐き出した。
「重要な情報、感謝する」
「いえ、お役に立てて何よりです」
「お前はこの忙しいときに、そんなどうでも良いことにこだわってんじゃねぇ!」
「どうでも良くない」
「後で良いだろうが!」
真剣な顔でやりとりするブルックとヘルミーネの姿に、アリーがキレた。相棒の頭に拳を一発入れるのだが、とてもとてもタフなブルックお兄さんは痛み一つ感じていないのか、普通の顔だった。割と見慣れたコントである。
ただ、忙しいときとアリーが言ったのが悠利には気になった。お仕事の途中だったとしたら、自分達が足止めをするのはよろしくない。
「あの、アリーさん、何かあったんですか?」
「あー……、お前ら、怪しい奴を見なかったか?俺らが来た方から走ってきたと思うんだが」
「「怪しい奴?」」
問われて、悠利とヘルミーネは顔を見合わせた。アリーとブルックが追いかけてくるような怪しい人がいたかと言われると、解らない。ただ、言えることはあった。
「怪しいかどうかは解りませんけど、ヘルミーネにぶつかりそうになったのにそのまま走っていった人たちはいました」
「物凄く失礼な人たちでした。向こうが私の鞄に引っかかったのに、無理矢理腕を引っ張るから転びそうになったんですよ!」
「……人相は?」
「いえ、そこまでは。男の人が三人ぐらいだったとは思うんですけど……」
「そうか」
思い出したらまた腹が立ってきたのかぷりぷり怒るヘルミーネ。ルークスが宥めるようにキュイキュイ鳴いているが、やっぱりご機嫌ナナメなままだった。
そんな彼女に構わず、アリーとブルックは難しい顔をしている。やっぱり何かあったんだ、と悠利は思った。
「怪しい人を探してるって、何があったんですか?さっき、アリーさん達が来た方から煙が出てたのと関係があるんですか?」
「……ある」
「アリーさん?」
険しい表情のアリーが悠利を手招きし、悠利は素直にそれに従う。近付いてきた悠利の耳元で、アリーは小声で事情を説明してくれた。
「フレッド様が襲撃された」
「……フレッドくんが!?」
思わず声を上げる悠利に、アリーは落ち着けとぽんと肩を叩いた。
「心配するな。ブルックが防いだから、無傷だ」
「そ、うですか……。良かったぁ……」
大事な大事な友人の無事が解って、悠利は思わずへにゃりとその場に座りこみそうになった。何とか堪えて立っているが。
フレッドは、悠利にとってとても大切なお友達だ。住んでいる世界が違うこともあって滅多に会うことは出来ないが、それでも大事なお友達であることに間違いはない。日々のほほんと生きている悠利と違って、色々と育ちの良さゆえに大変なことがあるのも察している。その友人が大変な目に遭ったと知っては、落ち着かない。
落ち着かないが、アリーとブルックが居合わせて本当に良かったとも思った。特にブルックだ。人間のフリをしているだけで、その本性は
「ってことは、今日のお仕事ってフレッドくん絡みだったんですか?」
「仕事のついでに顔合わせってところだな。そこを襲撃されてな」
「ブルックさんがいて良かったですねぇ」
「まったくだ。……ただ、安全確保を優先したせいで、襲撃者やその関係者らしき奴らに逃げられてな」
「……なるほど。つまり、僕らが遭遇した人たちが、その関係者の可能性はあるってわけですね」
「そうだな」
アリーの言葉に、悠利は黙り込んだ。真剣な顔をしている。普段のほほんとしているので、悠利がそんな風に冷えた静かな雰囲気を纏うと違和感が凄い。
しかし、悠利だって怒るときはあるのだ。彼が怒るのはいつだって大切な誰かのためである。自分自身に対するアレコレにはまったく怒らないのだが、仲間のためや仲間の健康を思ってならいくらでも怒れる少年であった。
なので、悠利は掌の中の金ボタンをぎゅっと握った。彼等が犯人であるかは解らない。この金ボタンが彼等のものであるのかすら、解らない。それでも、これがたった一つの手がかりであるような気がした。
「アリーさん」
「何だ」
「これ、その人たちが落としていったかもしれない金ボタンです」
「……何?」
何でそんなものが?と言いたげなアリー。事情を説明したのはヘルミーネだった。まだご立腹だけれど。
「私の鞄の紐と、走っていった男の人の袖口が絡まっちゃったんです。で、無理矢理腕を引っ張って走っていった衝撃で外れた金ボタンじゃないかなって」
「落ちてた場所が場所なので、可能性は高いと思うんです」
「……見せてみろ」
「はい」
悠利が差し出した金ボタンを、アリーは真剣な顔で見ている。見事な細工が施された美しい金ボタン。しかし、ボタン自体に名前が書いているわけでもない。
「それなりの細工だな。オーダーメイドか、何かの記念で作られたものか……」
「これを調べたら、持ち主を見つけることが出来るんじゃないでしょうか」
「その可能性はある。……だが」
「アリーさん?」
悠利の頭で考えつくことなんて、アリーは解っていると思っていたのだが、妙に歯切れが悪い。何でだろうと首を傾げる悠利に説明したのは、ブルックだった。
「確たる裏付けを取るには、鑑定能力で判断するだけでは弱いだろう。事が事だけに、相手もそれでは納得しないはずだ」
「え、アリーさんが言ってもですか?」
「恐らくな。アリーは自他共に認める彼の味方だ。その証言を襲撃者が認めるかと言えば、どうだ?」
「あー……、自分をはめるための罠だとか言い出しかねないやつですか」
「そういう可能性もある」
色々と面倒くさい上流階級のアレコレを匂わせての説明に、悠利は口をへの字に曲げた。ヘルミーネとルークスは詳しい事情を聞いていないので、顔を見合わせて首を傾げている。何だかんだで接触することが多いので、ここも仲良しである。
誰もが納得する物的証拠でなければいけないらしいと理解して、悠利は思わず呟いた。本当に思わず。
「やったことの責任も取らずに言い逃れとか、人間としての器が極小」
「「……ユーリ」」
ぼそりと呟かれた言葉は、近くにいた仲間達の耳には届いた。普段ぽわぽわしている家事担当の少年の口から零れた辛辣な意見に、思わず皆は遠い目をする。何だかんだで怒らせたら怖いのを知っている皆だった。
悠利としては、大事なお友達に危害を加えた相手を許したくはない。犯人は見つけて捕まえたいし、言い逃れなんて出来ないぐらいにきっちり証拠を突きつけたい。それにはこの金ボタンを鑑定で調べるだけでは弱いらしいと知って、ちょっと腹が立っているのだ。
鑑定で調べれば良いのならば、別にアリーに頼らなくても悠利が出来る。鑑定系最強チートである【神の瞳】さんにかかれば、全部解る。持ち主だって解るだろう。……しかし、それはあくまでも悠利だけが真実を知るということでもある。確たる証拠にはならない。
現行犯とか、余罪があるとか、顔を見ているとかならば、まだどうにかなるのだが。ただ拾った落とし物を調べて辿り着いただけとなると、もう一手が足りない。
「私、もう一度会ったらそいつだって解ると思うけど」
「ヘルミーネ?」
「今、思い出して似顔絵を描けとか、特徴を言えって言われたら難しいけど、ぶつかった相手なら顔とか背格好とか、見たら解ると思うわよ」
「それは本当か、ヘルミーネ」
「はい」
こくりと頷くヘルミーネに、アリーの表情が明るくなる。勿論、これも証拠としては弱いが、少なくとも金ボタンの持ち主とぶつかった相手を結びつけることは出来る。
それならば何かやりようがあるか、と皆が考える中、ヘルミーネはにこにこ笑いながら言葉を続けた。愛らしい容姿に相応しい笑みからこぼれ落ちた声は、ドス黒かった。
「私を転びそうにした相手の顔ですからね」
「「……」」
あ、根に持ってる、と悠利は思った。理由はそこか、とアリーとブルックは思った。謝罪も無しに立ち去った相手への鬱屈から、その特徴が残っているらしい。よっぽど腹に据えかねていたようだ。
まぁ、理由が何であれ、判定材料が一つ増えるのは良いことだ。怒りが収まっていないヘルミーネを見ないようにして、三人はそんなことを思った。
「……とりあえず、アジトに戻って考えることにしよう。ユーリ、金ボタンはお前が持ってろ」
「僕が?」
「お前の鞄なら、盗難の恐れもないだろう?」
「あ、はい!了解しました!」
悠利愛用の学生鞄は、異世界転移の結果とても素晴らしい
後、何故か解らないが、必ず手元に戻ってくるようになっている。
細かい仕組みは謎なのだが、とりあえず持ち主である悠利から離れすぎると戻ってくるのだ。ただし、悠利が自分でアジトに置いて出掛けたとかならば、そのままである。物凄く謎だが、そういうものだと思うことにしている。
とにかく、そういう意味で何かの保管場所としては最適なのだ。持ち主の悠利の運∞という
ご機嫌斜めのヘルミーネをブルックとルークスが宥めながら、帰路につく。並んで歩くアリーと悠利。その途中で、悠利はアリーに向けて口を開いた。
「犯人を捜したら、ちゃんとフレッドくんの役に立ちますよね?」
「……あぁ」
悠利の脳裏に浮かんでいたのは、建国祭での一幕だった。襲撃されたフレッドを、皆で何とか助けた。……まぁ、正確には凄腕の暗殺者さん(休業中)が恩返しに助けてくれたのだが。
フレッドを取り巻く環境が自分達と違うことぐらいは解っている。普通の十代の少年よりもずっとずっと大変で、危険にさらされていることも。だからこそ悠利は思うのだ。大切な友達のために、出来ることを頑張ろう、と。
「それじゃあ、僕もちょっと、全力で頑張ってみますね」
決意を宿してにっこり笑った悠利の頭を、アリーは大きな掌でぽすりと撫でた。いつもならば「お前は大人しくしてろ」と言うはずの保護者からツッコミがなかったので、悠利は許可を貰ったと理解した。フレッドはアリーにとっても大切な相手なので、許可が下りたのだろう。
斯くして、意図せず騒動に関わることになった悠利だが、今回は全力で関わっていくぞ!と珍しい決意をするのでありました。お友達のためなので当然です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます