愉快な双子がやってきた
「久しぶりね、アロール」
「久しぶりだな、アロール」
「……」
「相変わらず可愛いわ!」
「相変わらず可愛いな!」
「…………」
「「流石、我らのお姫様!」」
「……煩いよ、ヴィヴィ」
物凄くテンションの高い二人と裏腹に、アロールのテンションはだだ下がりだった。もはやマイナスとか地を這うとかいうレベルでも良さそうだ。顔が面倒くささでいっぱいである。
そのテンションの高い一組の男女は、お客様である。彼等が誰であるのか、
アロールを挟んでキャッキャしている二人は、とても良く似ていた。背格好も、顔立ちも、服装も似ている。共に栗色の髪を短めのポニーテールにしている。違いは、女性の方が直毛で、男性の方がアロールと良く似た巻き毛だというところだろうか。
顔立ちはどちらもたれ眉たれ目。肌は健康的に焼けており、雰囲気は柔和。アロールを可愛がる表情までそっくりだ。男女で多少の違いはあるものの、控えめに言ってうり二つという外見をしていた。
「アロール、そちら、知り合い?」
「……いとこだよ」
「あ、血縁者さんなんだ」
「こっちがヴィオラ。こっちがヴィクトル。見ての通り騒々しい二人組」
「アロール……」
身も蓋もない説明だった。そんな雑な紹介をされた二人だが、何一つ気にしていなかった。むしろ、自分達を邪険に扱うアロールに相変わらずだと喜んでいる。……アロールが何をしても可愛いらしい。
そこで、自分達が自己紹介をしていなかったことを思い出したのだろう。二人は左右からぎゅうぎゅうと抱きついていたアロールから離れて、ぺこりと一礼した。息ぴったりだった。
「初めまして。私はヴィオラ。アロールの従姉で魔物使いです」
「初めまして。双子の弟のヴィクトル。アロールの従兄で、俺も魔物使いだ」
「ご丁寧にありがとうございます。《
「「よろしく!」」
悠利に向けても屈託のない笑顔だった。クールな僕っ娘なアロールとは似ても似つかない印象。朗らかで、人好きしそうで、ちょっとばっかりテンション高め。血縁でも色々あるよねぇと思う悠利だった。
なお、アロールが面倒くさそうに二人をあしらっていても、彼女に忠実な従魔の白蛇ナージャは我関せずだった。アロールに関してはかなり過保護なところのあるナージャであるが、一族の者であるヴィオラとヴィクトルには寛大らしい。
とりあえず、見た目の良く似たこの二人が双子であることは把握した。アロールの血縁者であることも。それはともかく、何でこの人達がいるんだろうなと悠利は思った。
それはアロールも同じだったのだろう。物凄く面倒くさそうな顔で口を開いた。
「それで、何で君らが来てるのさ。僕らはこれからそっちに行く予定なのに」
「だからよ!」
「アロールが普通の馬車で戻るって言うから!」
「……普通の馬車で戻って何が悪いのさ」
「「それだと時間がかかる!!」」
そんなの嫌だ!と全力で主張する双子。どちらも二十代の半ば頃、つまりは良い大人に見えるのだが、言っていることは子供の癇癪に似ていた。何だろうこの人達と、悠利は微妙な気持ちになりながら眺めた。
いや、きっと何か理由があるに違いない。そう思って慎ましく沈黙を守っていた悠利だが、続いた言葉にその場で脱力した。
「普通の馬車なんかで戻ってきたら半日近くかかるじゃないか!アロールと過ごす時間が減る!」
「そうよ。うちの子達ならひとっ飛びで半分以下で辿り着けるもの。早い方が絶対に良いでしょ!」
「……僕は一般的に安全が保証されてる陸路で大人しく帰るつもりだったし、そもそもそういう予定で日程を組んでるんだけど。馬車も人数分借りてるし」
「「それでもヤダ!」」
「子供か!」
アロールの言葉に全てが集約されていた。本当に、子供みたいな発言だった。
とりあえず彼等の会話から判断するに、少しでも早くアロールと合流したかった双子が、お迎えに来たということなのだろう。ヴィオラの口にしたうちの子がどんな従魔を示すんだろうかと思う悠利だった。
なお、何故アロールの実家に皆で行くという話になっているのかというと、課外学習の一環だった。お勉強である。
アロールの実家は、魔物使いとそのサポートをする者達が集まって暮らしている。ラジの故郷のように同族、つまりは親戚が同じ場所に暮らしているのだ。そして、実はアロールの実家は、普通の馬車でのんびりと半日ほどかければ辿り着く距離にあった。
彼女は滅多に里帰りをしないのだが、やろうと思えばちょいちょい帰れる距離だった。その実家から、もし良かったら勉強がてら皆で泊まりに来ないかというお誘いがあったのだ。
それは、アロールを預かって貰っているお礼という感じだった。せっかくなので、自分達がお役に立てるならという好意でもあった。なかなか従魔と触れ合う機会などないので、良い勉強になるとアリーがその提案を受け入れた。
なので、二泊三日の課外学習に出掛ける面々が、荷物を準備して揃っていた。悠利以外は、見習い組に、訓練生からはクーレッシュ、レレイ、ヘルミーネ、ラジの四人が参加する。同行する指導係はアリーとフラウの二人。それ以外はお留守番だ。
なお、メンバーの選出理由は戦闘に携わる訓練生以下という感じだった。イレイシアやミルレイン、ロイリスといった戦闘メインではない
選ばれた方も、選ばれなかった方も、概ね納得していた。納得しきらなかったのは居残りが決定したジェイクだった。沢山の従魔を間近で確認できると聞いて同行したがったのだが、若手の勉強が阻害されると判断したアリーによって留守番を命じられたのである。……知的好奇心で突っ走る学者先生なので。
そんなわけで、昼食も終えて午後から馬車でゆっくり向かおうと思っていた一同の元へ、何故か賑やかにやってきちゃったのが双子のヴィオラとヴィクトルだった。アロール以外には彼等が誰か解らないので、対応が全面的に彼女に任されていた。
というか、全員外に出て今から馬車に乗りに行くぞ!という瞬間に現れたので、玄関前の庭でこのやりとりを繰り広げているのだ。賑やかだった。
ちなみに、ご近所さんの視線は「今日も賑やかだねぇ」レベルだった。元々人数が多くて日々賑やかなので、多少のイレギュラーも許容範囲になっているらしい。なんてこったい。
「……何騒いでんだ、お前ら」
「あ、アリーさん。準備できました?」
「あぁ。後のことは頼んできた。……で、何の騒ぎだ?」
「アロールのいとこさん達が来てます」
「は?」
後を任せる留守番組と話をしていたアリーが玄関から出てきた。呆れた顔の彼の視線の先には、双子にべったり張り付かれて文句を言っているアロールの姿。双子のテンションが高いのでとても賑やかだ。
悠利のざっくりとした説明を受けて、アリーは騒々しい双子を確認する。そして、あぁと小さく呟いた。
「あのやたらアロールを可愛がってた双子か。何で来てるんだ」
「お迎えらしいです。アリーさん、お知り合いですか?」
「アロールがうちに来るときにな。何でか親と一緒に挨拶の場にいた」
「……何でですか」
「知らん」
アロールを引き受けるときの顔合わせに、何故か混ざっていたらしいヴィオラとヴィクトル。親がいるのだから、そこにいとこの彼等の出番はなさそうなのだが、よほど可愛いいとこのことが気になったのだろう。そしてそれが許される辺りが彼等の関係性が透けて見える。
とりあえず、何となくの事情を察したアリーは双子に向けて声をかける。いつまでも玄関前で騒いでいるわけにもいかないのだ。
「ヴィオラ、ヴィクトル、久しぶりだな。何でここにいるんだ?」
「アリーさん、お久しぶりです。お迎えに来ました!」
「お邪魔してます!」
「……一応馬車の準備はしておいたんだが」
「うちの子の方が早いので!」
「移動時間の短縮ですよ!」
アリーが相手でもノリは変わらなかった。というか、大好きなアロールの側にいられることでテンションが上がっているらしい。二人に挟まれているアロールは、相変わらず物凄く面倒くさそうな顔をしていた。
面倒くさそうにしているが、それでも二人に話をさせても埒があかないと思ったのだろう。仕事の出来る十歳児は、べったりへばりつく双子を押しのけながら口を開いた。
「ごめん、アリー。馬車も込みで迎えに来たらしいから、予約してた分はキャンセルして貰って良いかな」
「……わざわざ全員乗れる馬車を用意してきたってのか?」
「来ちゃったんだよ……」
「そうか。解った。手続きを」
「それなら、手続きは俺がやっておこう」
「……いきなり湧くな」
突然会話に割り込んだのはブルックだった。いつまでも玄関の外でわーわーやっているのが気になったのか、外に出てきたらしい。
「迎えが来ているならさっさと行けば良いだろう」
「……まぁ、そうだな。頼む」
「任されよう」
早く行こう!みたいなオーラを出している双子を見ての判断らしい。予約しておいた馬車のキャンセルには代金がかかるが、まぁ、そういうこともあるだろう。せっかくの好意を無下には出来ないし、下手をするとアロールだけかっ攫われそうだ。
そんな大人二人の会話を聞いていたアロールが、静かな声で言い放った。自分の両脇の双子に向けて。
「キャンセル料は君らが払ってよ」
「「了解!」」
「アロール、それは」
「勝手にこっちの都合も考えずにやってきたんだから、それぐらいはやってもらう」
おいくらですかー?と財布を取り出しているヴィオラと、後で割り勘なーと笑っているヴィクトル。彼等にとってこの出費は、可愛い従妹と少しでも長く一緒にいるための必要経費らしい。
ちなみに、馬車は二台予約していた。予約代金は前払い。当日キャンセルの場合は、代金の半額を払うことになっている。既に利用料は払った上でのキャンセル料を払うというシステムなのだが、コレは業者の自衛のためである。キャンセルが無料だと、当日ドタキャンなどのマナーの悪い客がやってくるのだ。
勿論、各々の事情によってキャンセル料が調整されることはある。あるが、今回のように明らかにこちらの理由でのキャンセル(しかも既に準備を整えてくれている)の場合は、規定通りの料金になるだろう。
ヴィオラから代金を受け取ったブルックは、業者の元へと出掛けていった。何やかんやでフットワークの軽いお方である。
「それじゃ、皆さんを我が家にご招待いたしますね!」
満面の笑みを浮かべたヴィオラ。同調するように頷いているヴィクトル。面倒くさそうなアロール。温度差凄いなぁと思う悠利だった。
そしてやってきた王都の外。街道脇には乗合馬車や貸し馬車などがスタンバイしている。その一画に、その馬車はあった。
「……天馬?」
思わず悠利は呟いた。もしゃもしゃと雑草を食べているのは、ヴィオラとヴィクトルが「あの馬車に乗って!」と示した馬車に繋がれている馬だ。馬車は二台。馬の大きさは普通サイズ。一つ違ったのは、翼が生えていることだ。
悠利の声が聞こえたのか、くるりと馬が首を向ける。その動きに合わせるように、バサリと翼が揺れた。
「お待たせー!アロールを連れてきたわよー!」
ヴィオラが楽しそうに告げると、二頭の天馬は嬉しそうに鳴いた。アロールが歩み寄れば、馬車に繋がれているので無理に動くことはしないものの、撫でて貰おうと頭を動かしている。
アロールも、ヴィオラやヴィクトルには面倒くさそうな態度を取っていたが、従魔は話が別らしい。久しぶりだねと微笑んで、二頭の首を優しく撫でてやっている。一生懸命背伸びをして撫でているのが可愛らしい。
ただ、目の前の天馬を見て、悠利は首を傾げてしまった。色が、イメージしていたのと違うのだ。
悠利の中で天馬は、真っ白な馬のイメージだった。純白のペガサスのイメージが強いのだ。しかし、目の前にいるのは栗毛と葦毛の馬である。普通に見慣れた色彩だった。
「あの、ヴィオラさん」
「何かしら?」
「天馬って、白じゃないんですね」
「あぁ、白馬もいるわよ。でもほら、馬だもの。色んな色の子がいるのよ」
白馬が有名だけどねーと楽しそうに笑うヴィオラに、悠利はそうですかと答えた。やっぱりこの世界でも天馬のイメージは白が強いらしい。何となく荘厳とか壮麗とかそんな雰囲気になるからだろうか。
載って頂戴と促されて、悠利達は二つの馬車に分かれて乗車する。天馬が引いているという点を除けば、普通の馬車だ。ちゃんと屋根もドアもあるし、座席は板張りではなく布だ。まぁ、それでもソファのようにふかふかとはいかないが。
二泊三日なので皆それぞれに荷物はあるのだが、見た感じはそんな風には見えない。身軽だ。それというのも、荷物は
まだ自分の
それではこれで空の旅、……とはならなかった。アロールが当たり前みたいにヴィクトルが御者を務める馬車に乗ろうとしたので、ヴィオラが声を上げたのだ。
「アロール、どうしてそっちに乗るの!?こっちに一緒に乗りましょうよ!」
「煩いよ、ヴィオラ。ヴィクトルはこの子と話せないでしょ」
「ちゃんと通訳連れてきてるから問題ないわ!」
「通訳挟んだらテンポが遅い」
「でも!」
せっかく迎えに来たのに!と切々と訴えるヴィオラを、アロールは淡々と斬り捨てている。この天馬達の主人はヴィオラだ。だから彼女はどちらの天馬とも意思の疎通が出来るし、御者も問題なく務めることが出来る。
「ヴィクトルさん、通訳ってなんですか?」
「ん?俺の従魔。従魔同士は話が出来るから、通訳を頼んであるんだ」
「ピィ!」
「わっ、可愛いスライムですね!」
「だろー?」
ヴィクトルが合図を送ると、シャツのポケットからぴょこんと小さなスライムが姿を現した。色は柔らかな青。ポケットから出てきたように、掌にすっぽりと収まるような小さな小さなスライムだった。
初めて見る小さなスライムに、悠利は興味津々だ。ルークスのように大きな瞳しか存在しないが、感情表現は豊からしい。悠利を見てその小さなスライムは、よろしく!とでも言うように小さく鳴いてくれた。
「随分小さなスライムですね」
「プチスライムって言うんだよ。戦闘力はそんなにないけど、素早いから、索敵とか情報収集とかで頼りになるんだ」
「ピッ!」
「キュピ?」
「ピィ!」
「キュー!」
「……ルーちゃん、ご挨拶してるの?」
「キュ!」
ポーンと悠利の足元で跳ねたルークスが、プチスライムを相手にキュイキュイ鳴いている。同じスライム同士、何やら通じ合うものがあったらしい。プチスライムはそのままヴィクトルの手を離れて、ぴょんとルークスの頭の上に載った。
スライムとスライムの二段重ね。親子亀や雪だるまにするにはサイズが少々不格好だが、とても愛らしい光景であるのは間違いなかった。
「可愛い……!」
「可愛すぎるだろ……!」
うちの子がとても可愛い!となる親馬鹿が二人になっていた。どうやらヴィクトルも、うちの子可愛い!を信条に生きている魔物使いらしい。周囲の視線が微笑ましいものを見るようになっているが、当人達は気にしていなかった。
そんな風に悠利とヴィクトルがじゃれている間に、アロールがヴィクトルの馬車に乗るのは何とか決定したらしい。……交換条件として、今夜は一緒にお風呂に入ろうと誘われてしまったアロールがげんなりしている。
悠利はそんなアロールの肩をポンポンと叩きながら、一緒に馬車に乗った。どちらの馬車でも良かったのだけれど、ルークスとヴィクトルのスライムが意気投合してしまったので、こちらを選んだのだ。
御者台に座るヴィクトルの横に、アロールも座る。座席部分には窓があるので、外との会話も可能だ。そろりと悠利が覗いてみると、年下のはずのアロールがヴィクトルを顎で使っていた。強い。
「それじゃ、出発しまーす!」
「ちゃんと座ってるんだぞー」
双子のゆっるい合図と共に、馬車が動きだす。最初は普通に地上を歩く。歩きながら、天馬達は翼をゆっくりと動かしていた。
やがてその羽ばたきが力強くなり、ふわりと、一瞬の浮遊感があった。身体が浮いているような、ちょっと心許なくなるような不思議な感覚。ふと外を見れば、馬車が緩やかに上昇していた。
「わー、本当に飛んでる……」
それは同乗している面々も同じだったのか、凄いねーと盛り上がっていた。以前ワイバーンに籠ごと運んで貰ったことはあるが、そのときとはまた趣が違う。というか、どういう原理で浮いているのか悠利にはよく解らなかった。
天馬が空を飛ぶのに合わせて馬車も浮上したのだ。何の変哲もない馬車であったならば、天馬にぶら下がるようにしてナナメになっただろう。けれど今、馬車は普通に天馬と同じ高さで動いている。
「ねーアロール、何でこの馬車ちゃんと浮いてるの?」
「天馬用に作られた馬車だから。車体とか車輪とかに魔石を使ってるんだよ」
「へー。凄いんだねぇ」
「まぁ、そうだね」
天馬の馬車が凄いのは認めるが、だからって何で迎えに来てるんだと言いたげなアロールだった。どうやらまだ完全に納得はしていないらしい。或いは、ここで多少なりとも抵抗を示しておかないと、双子が増長すると思っているのか。
……彼等のテンションの高さを考えると、多少は釘を刺しておかないと突っ走りそうだなぁと思った悠利だった。口にしないだけの分別はあります。
「アロール、もう一つ聞いて良い?」
「どうぞ」
「どれくらいで到着する感じ?」
「まぁ、二時間かからないんじゃないかな」
「陸路だとどれぐらい?」
「休憩無しでそれなりの速度で4時間はかかる。休憩したりのんびりしてると半日」
「なるほど。ありがとー」
御者台で特にすることがないのか、アロールは快く教えてくれた。そのおかげで、悠利は何でヴィオラとヴィクトルがわざわざやってきたのかを理解した。確かに、陸路と空路では随分と時間が違うらしい。
そもそも、本来は昼過ぎに出発して、一日目は夕飯に間に合えば良いという計算だった。課外学習とはいえゆっるい感じのお宅訪問なので、過密スケジュールは組んでいないのだ。けれど、双子はそれが嫌だったのだろう。
可愛い可愛いアロールと過ごす時間が少しでも長くなるように、わざわざお迎えに来てくれたのだ。向こうに着いたら、アロールはまた双子にまとわりつかれるんだろうなぁと思う悠利。
「キュイ?」
「ううん、何でもないよ、ルーちゃん。その子とお友達になったの?」
「キュピ!」
「ピッ!」
考え込んでいる悠利を心配したのか、ルークスが寄ってくる。相変わらずその頭にはプチスライムが載っていた。仲良くなったのか、二匹で楽しそうにしている。
悠利が今回の課外学習に同行するのは、ほぼほぼルークスのためだった。従魔達が沢山いるところへ行けば、ルークスの勉強になるだろうというやつである。ルークスだけ参加させようとしたら嫌がられたので、悠利も同行することになったのだ。
悠利は悠利で、色んな従魔に会えるというのでわくわくしている。アロールに聞いたら「割と何でもいる」というざっくりした答えが返ってきたので、今から心を躍らせているのだ。空の旅も、新たに出会える従魔について考えるだけでわくわくが倍増だった。
そんなこんなで二泊三日のプチ旅行、もとい課外学習が始まるのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます