シンプル美味しいナポリタン


「そんなに食べたかったの?」


 不思議そうな顔をして問いかけた悠利ゆうりを見て、ヤックとカミールは声を揃えて叫んだ。


「「だって、美味しいって言ってた!」」


 と。

 実に正直な感想だった。とてもとても正直な感想だった。あまりにも正直すぎて、思わず悠利が笑ってしまうぐらいだ。目の前の二人が、怖いぐらいに真剣な顔をしていたのも理由になる。

 事の発端は、今日の昼食を何にするかという話だった。

 何だかんだで皆が出払っていて、昼食を食べるのは悠利と料理当番のヤック、自習をしていたカミール、留守番役のティファーナの四人だけだ。なので、悠利は二人に何が食べたいかを聞いてみたのだ。この人数ならば、好きなモノを作って食べられると思ったので。

 そんな悠利の質問に対して、二人はこう答えた。「ナポリタンが食べたい」と。

 何でナポリタン?と思った悠利が理由を聞けば、以前にケチャップ味の野菜炒めを作った際に話題に上がったからだと二人は主張した。元気のなかったルークスに様々な種類の野菜炒めを振る舞ったときがあるのだが、そのときの話だ。

 炒めた野菜をケチャップで味付けしただけのそれは、パスタに絡めればナポリタンになるなというような感じの野菜炒めだった。そういうパスタもあるよと説明したのは悠利であり、どこかで似たような料理を食べたことのあるアロールが「ケチャップ味のパスタ、美味しいよね」みたいなことを口にした。

 それを、二人は覚えていたのだ。


「だって、今度作ってくれるって言ったのに、全然作ってくれないし」

「それはほら、色々と食材とか段取りとか人数の関係とかがあるから……」

「オイラも、ずっと食べたいなって思ってた……」

「お願いだから二人とも、そんな恨みがましげな顔で見ないで……」


 作ってくれるって言ったのに、と口を揃えてぼやく二人に、悠利は困ったように笑った。確かに約束をしたかもしれないが、確約は出来ないのだ。何せ、食事は二人のためだけに作るわけではないので。

 勿論、二人もその辺りのことは解っている。解っているから、今日まで大人しく我慢していた。いつか都合の良い日に悠利が作ってくれるかもしれないと、期待して。

 そんな二人だったので、料理のリクエストを聞かれて思わず大声で「ナポリタン食べたい!」と叫んでしまったのだ。期待ばかりが膨らんでいたとも言える。


「えーっと、作るのは構わないんだけど、一つだけ良い?」

「何だ?」

「何かあるの?」

「本当に、本当に、ケチャップで味付けしただけのパスタだからね?特別な調味料とか何もないし、あんまり期待しすぎてそこまでじゃなかったってがっかりしないでね?」


 二人の意気込みがあまりにも強かったので、思わず予防線を張るように諭してしまう悠利だった。どんなに美味しい料理でも、心の中で期待値を爆上げしてしまっていると「そんなに美味しくなかった」みたいになることがあるのだ。期待をするのは悪くないが、過剰な期待は時にマイナスになってしまうのだ。

 一生懸命な悠利の様子に、ヤックとカミールは顔を見合わせた。そして、二人揃って笑う。悠利の考えが杞憂だと言うように。


「オイラ達、そのケチャップ味のパスタが食べたいだけだよ、ユーリ」

「そうそう。ケチャップが美味いの知ってるし、あの野菜炒めが美味かったから食べたいってだけだから」

「それなら良いんだけど」


 二人の言い分を聞いて、ホッと一安心する悠利。それなら大丈夫かなと胸をなで下ろす。作って食べて、期待以下だったと思われるのは悲しいからだ。何が悲しいって、頑張って作ったのに美味しくなかったときの二人の反応を見るのが、だ。その辺りは悠利らしかった。

 誰が見ても解るほどに安堵した表情になった悠利に、ヤックは楽しそうに笑いながら口を開いた。


「ユーリは心配性だなぁ」

「別に心配性ってわけじゃないんだけど」

「でも、オイラ達のことを思って言ってくれたんだってことは解るよ。ありがとう」

「そうだな。そこは感謝しとくよ、ユーリ」

「……えーっと、どういたしまして?」


 今の会話の流れにお礼を言われるようなことはあっただろうかと、悠利は首を傾げながら答えた。よく解っていなかったので、語尾に疑問符がついているが気にしてはいけない。そんな悠利だと解っている二人は、楽しそうに笑うだけだ。

 とりあえず、これで本日の昼食メニューが確定したことになる。

 メインはナポリタン。朝食の残りのスープとサラダを添えれば、立派なランチになるだろう。果物をデザートにすれば完璧だ。悠利は脳内でメニューを組み立てて、問題ないと判断した。


「それじゃあ、お昼はナポリタンにしようか」

「「やった!!」」


 悠利の言葉に、二人は手を叩いて喜んだ。そこまで喜ばれると、もっと早くに作ってあげれば良かったなぁと思う悠利だ。ナポリタン自体は、別に難しい料理でもないので。ただ単に、機会がなかっただけなのだが。

 調理に取りかかる二人に、楽しみにしてるからな!と素晴らしい笑顔を残してカミールは去っていった。それはもう素晴らしい笑顔だった。あの一瞬を切り取っただけなら、いったいどこの貴族のご令息だとか言われそうなぐらいには。

 悠利が作ろうと思っているナポリタンは、割と基本に忠実なシンプルなものだ。具材はピーマンとタマネギとソーセージ。味付けの基本はケチャップ。昔懐かしいケチャップ味のパスタである。


「野菜の下拵えをしてる間に、鍋にお湯を沸かしておこうね。パスタ茹でないとダメだから」

「えーっと、四人分だからそこまで大きな鍋はいらないかな」

「パスタはたっぷりのお湯で茹でた方が美味しいから、大きめの鍋を使おうか」

「ん、解った」


 大鍋に必要量のお湯を入れ、蓋をして火にかける。お湯が沸くまでの間に、具材を切る作業だ。二人でやれば、別に大変でも何でもない。特に今回は、難しい切り方は必要ないので。


「ピーマンはヘタとワタを取って細切りにして、タマネギも同じぐらいの幅で切るよ」

「解った。ソーセージは?」

「ソーセージも細切りにしようかな。その方が食べやすいし」

「なるほど。具材の形を揃えると食べやすいって、前にも言ってたよね」

「うん。後、炒めるときも楽かな」


 うんうんと納得したヤックは、テキパキとピーマンの処理に取りかかる。……流れるようにタマネギ担当からは逃げていた。別にスライスにするわけではないのでそこまで目が痛くはならないはずなのだが、ピーマンの方が安全だと思ったのだろう。

 ヤックがピーマンを担当するならと、悠利は慣れた手つきでタマネギを切っていく。サラダに使うようなスライスのときは覚悟が必要だが、野菜炒めレベルの大きさに切るなら問題はない。……タマネギが目に染みるのは、古今東西どこでも同じなのである。

 具材を全て切り終えた頃に、お湯が沸いたので、人数分のパスタを茹でる。パスタを茹でている間に、野菜を炒める作業だ。


「フライパンにオリーブオイルを引いて、ピーマンとタマネギを炒めるよ」

「ソーセージは?」

「火が通るのが早いから、野菜を先に炒める方が良いよ」

「解ったー」


 慣れた手つきで野菜を炒める悠利。その手元を見つつ、ヤックはパスタを茹でる鍋を時々混ぜている。炒め物は火の通りにくいものから順番に入れることで、均一に火が入るのだ。

 もしくは、先に炒めて一度外に出すという方法もある。海老などをさっと炒めて混ぜたい場合は、あらかじめ炒めておくと良い感じになる。最後の味付けのときに戻せば、火が通り過ぎることもないので。

 野菜に火が通ってきたら、ソーセージも加えてもうしばらく炒める。全体にしっかりと炒まったら、塩胡椒を軽くしてケチャップを投入する。ここにパスタを入れて混ぜるので、少ししっかりめに味付けするのがポイントだ。


「ケチャップを混ぜるときは、弱火か火を消してやる方が良いよ。焦げちゃうから」

「焦げるのは嫌だ……」

「ケチャップが全体に浸透したら火を止めて、味見ー」

「味見ー!」


 味見は料理当番の特権とも言えるものなので、ヤックもうきうきで小皿を持ってくる。一口分ずつケチャップ味の野菜炒め状態の具材を取り分け、口の中へ入れる。

 ピーマンもタマネギも火が通ってほどよく柔らかくなっており、ソーセージがアクセントを加える。味の基本はケチャップだが、下味として塩胡椒がしてあることで安心感があった。


「うん、美味しい」

「美味しい」

「本当は、すりおろしたニンニクを入れるとぐっと美味しくなるんだけど」

「だけど?」


 美味しいなら入れれば良いのにと言いたげなヤックに、悠利はひょいと肩を竦めた。ニンニクは美味しいが、致命的な欠点が存在する食材である。欠点というと失礼かもしれないが。


「匂いが……」

「あ……」

「明日が休みならともかく、皆は普通に出掛けるでしょ」

「あー……」

「どうしても匂いがしちゃうからさぁ、ニンニクって……」

「じゃあ、今度休みの前の日にニンニク入りで作って……」

「善処します……」


 しょんぼりと肩を落とすヤックに、悠利は目を逸らしながら答えた。基本的に美味しいを追求したい彼らだが、何だかんだで人と接触する以上、相手を不快にさせるようなことは避けたいのである。人付き合いは気遣いが大事です。

 そうこうしてる間にパスタが茹で上がったので、ヤックはいそいそと作業を進める。ちなみに、麺を茹でた後に鍋のお湯を捨てる作業を、悠利はあまりやらない。眼鏡が曇るからだ。手元が危なくなる悠利より、他の面々が担当した方が安全だという判断である。眼鏡族あるあるだ。

 湯切りをしたパスタはしっかりと水を切り、フライパンの中へ。ケチャップで味付けをした野菜炒めと絡めることで、味が絡むのだ。


「最後にちょっと火を入れて全体を混ぜ合わせれば、完成ー」

「美味しそう」

「ヤック、落ち着いて」

「だって、匂いが美味しそうなんだよ……!」

「まぁ、気持ちは解るけど……」


 最後に火を入れたことで、香ばしいケチャップの匂いが鼻腔をくすぐるのだ。匂いだけで美味しいだろうと思わせてくるケチャップパワー、流石である。

 味見だけだからねと告げて、悠利は一口分のナポリタンを小皿に入れる。自分も一口分だけ味見だ。ここで味が薄かったら、ケチャップを追加しなければならないので。

 しっかりとケチャップの絡んだパスタが実に美味しい。ケチャップの酸味と甘味が、何とも言えず食欲をそそる。ちゃんと美味しく仕上がっていたので、悠利は満足そうに笑った。


「それじゃ、盛りつけてご飯の準備にしようか」

「了解!後、これ凄く美味しいからお代わりしたい」

「盛りつけて残った分は、カミールと相談してお代わりしてください」

「やったー!」


 少し多めに準備されたナポリタンを見てのヤックの発言である。食べる前からお代わりを要求する辺り、よほど気に入ったらしい。まぁ、食べたいと願っていた料理がお気に召したようなので、悠利としても一安心なのだが。

 器にナポリタンを盛りつけ、乾燥バジルを散らす。鮮やかなケチャップ色の上に緑が散って、とても綺麗だ。火の通ったピーマンの緑も映える。

 てきぱきとスープとサラダも準備し、デザートの果物まで盛りつけた頃合いで、カミールとティファーナがやってきた。時間バッチリである。


「二人とも、良いタイミングですね。準備が出来たところです」

「やりぃ!」

「あら、それは良かったわ」


 にこやかに悠利が告げると、カミールはガッツポーズで喜ぶ。ティファーナは上品に微笑みつつ、大喜びしているカミールを不思議そうに見ていた。彼が何をそこまで喜んでいるのか、事情を知らない彼女には解らないのだ。

 いそいそと席に着くカミールとヤック。早く食べようと言いたげなオーラが漂っていた。実に微笑ましいお子様二人の反応に、ティファーナは首を傾げる。


「今日のメニュー、二人のリクエストなんですよ」

「そういうことね」

「そういうことです」


 悠利の説明に、ティファーナはふふふと笑った。色々と成長してきていると思っても、こういうところはまだまだ子供だった。そして、それがまた好ましいのだ。


「それじゃ、いただきます」

「「いただきます」」


 仲良く唱和して食事に取りかかる。メニューはナポリタンとスープとサラダとデザートの果物。実にシンプルだ。ただ、ナポリタンは具材たっぷりなのでボリューム満点。お代わりも一応用意されている。

 ヤックとカミールは、念願のナポリタンを早速頬張っている。もごもごと口を動かす姿は、どことなく頬袋に餌を詰めこんだリスに似ていた。勢いよく食べているせいで、口元がケチャップで汚れているのもご愛敬だ。

 そんな二人の姿に笑みを浮かべつつ、悠利とティファーナも食事に取りかかる。こちらは慌てず騒がず、落ち着いて食事をしている。悠利にしてみれば何度も食べたことのあるナポリタンだし、ティファーナはそこまでナポリタンに欲求はなかったので。

 上品にナポリタンを一口食べたティファーナは、あらと上品に呟いた。


「ティファーナさん?」

「ケチャップ味のパスタって、こんなに美味しいんですね、ユーリ」

「お口に合いました?」

「えぇ、とても」

「それなら良かったです」


 ティファーナの返答に、悠利はにこにこと笑った。作った料理を美味しいと言ってもらえることが、悠利には何よりの喜びだ。

 それに、自分で言うのも何だが、今日のナポリタンは結構美味しく作れたと思っているのだ。味の決め手はやはり、美味しいケチャップだろうか。異世界のケチャップは、在る人物がトマトが大好きすぎて様々な加工品を作ったものらしく、日々改良が重ねられているらしい。何でも専門の研究機関があるとか。トマト博士の情熱が凄い。

 日本でもケチャップを初めとする調味料は、千差万別だった。同じ種類の調味料でも、メーカーが違うだけで味が変わる。ケチャップもそうだった。甘味が強いものもあれば、酸味が強いものもある。そういう意味では、《真紅の山猫スカーレット・リンクス》で浸かっているケチャップは、ナポリタンに適した味だったのかもしれない。

 パスタと具材を一緒に口の中に放り込めば、それぞれの食感が互いに引き立て合う。タマネギの甘味とソーセージの旨味に、ピーマンの苦みが良いアクセントだ。それらを全て包み込んでパスタと調和させるケチャップの美味しさが、完璧とも言える。

 ケチャップ味ということで子供向けと思われがちだが、別にそんなことはない。シンプルな味付けだが、不思議と奇妙な懐かしさで悠利を満足させる。トマトソースのパスタとも、ミートソースのパスタとも違う、ケチャップだから出せる味わいだった。


「これを、カミールとヤックは食べたかったんですか?」

「前に、この味付けの野菜炒めを作ったことがあるんです。そのときにパスタの話をしたら、食べたいって言われてまして」

「……えーっと、それはつまり」

「予定が合わずに作れないままだったので、期待が募っちゃったみたいです」

「そういうことですか」


 美味しい美味しいと言いながら勢いよく食べている二人の姿。悠利の説明で、彼らが何故そこまでナポリタンに興奮しているのかを理解したティファーナだった。お預けが長かった弊害である。

 ぺろりと一人前を平らげると、スープとサラダもきちんと食べてから、二人はいそいそとお代わりをしようと台所へと移動する。そこで喧嘩もせずに、二人で仲良く半分こをする辺りが、彼らだった。実に平和だ。


「ユーリとティファーナさんはお代わりって」

「いらない、いらない。僕のお腹はこれで十分です」

「私も大丈夫ですよ。二人で食べてくださいね」

「「はい!」」


 とても良いお返事だった。ここまで大喜びしてもらえると、作った悠利としても感無量だ。お代わりできっちり全部さらえてきたらしく、二人はとても嬉しそうに笑っている。


「そういえば、これは具材は他のものでも大丈夫なんですか?」

「何となくこのイメージだったのでこうしましたが、家で作って食べるなら好きな具材で良いと思います」

「人参も美味しそうだと思いませんか?」

「そうですね。人参も美味しいと思います。後、ソーセージの代わりに厚切りベーコンとかも」

「あら、それは肉食の皆が喜びそうですね」


 悠利の発言に、ティファーナはころころと笑った。彼女はそこまで肉に反応しないが、仲間達に肉食が多いことをよく解っていた。ソーセージも美味しいが、厚切りベーコンのジューシーさもまた格別である。

 そこでふと、悠利は思いだしたことを口にした。雑談のつもりで。


「そういえば、上に目玉焼きが載ってるのもあるんですよね。お店でそういう風に提供してるところがあったんですけど」

「目玉焼き、ですか?」

「半熟の目玉焼きだと、黄身がとろっと絡んで美味しいらしいです」

「色々とアレンジがあるんですね」

「ですねー」


 玉子とケチャップの相性は良いので、目玉焼きを載せても美味しいだろうというのは想像に容易い。そういうのもあるんですよと口にしただけの悠利であり、雑談として受け止めているティファーナである。

 違う反応をしたのは、少年2人だった。


「何それ、オイラ聞いてない」

「どう考えても滅茶苦茶美味いやつじゃん」

「……え?」

「「何で教えてくれなかったんだよ!!」

「ふ、二人とも、お、落ち着いて……」


 表情の消えた真顔で呟いたかと思ったら、二人揃って大絶叫。今食べている美味しいナポリタンが、更に美味しくなる可能性があると知った彼らの切実な叫びだった。切実なのは解ったが、近くで大声で叫ばないでほしい悠利である。普通に耳が痛い。

 何で何でと訴えられて、悠利は困る。ナポリタンはちゃんと作ったのだ。目玉焼きが載っているのはアレンジバージョンである。そこで文句を言われても困る。後、今まで忘れていたので。

 しかし、それを言っても二人が収まらないことは一目瞭然。仕方ないので悠利は、困ったように笑いながらこう告げた。


「それじゃあ、今度は半熟目玉焼きの載ったナポリタンにしようか」

「本当!?」

「マジで!?」

「二人とティファーナさんが美味しいって言ってくれたから、他の人も気に入ってくれるかもしれないしね。また作るよ、ナポリタン」

「「やったー!!」」


 自分達の希望が叶うかもしれないということで、二人は満面の笑みになった。やったな、と喜び合う姿は微笑ましい。ティファーナも思わず笑顔を浮かべている。

 しかし、喜んでいたカミールはすぐに真顔になって口を開いた。


「また期間が空くとかないよな?」

「……カミール、地味に根に持ってたんだね」

「だって、ユーリの料理はいつも美味しいけど、でも、目玉焼き載ったナポリタン、食べたい……!」

「今度はこんなに間が空かないようにするから……」

「絶対だぞ?」

「はい……」


 前科持ちなので、悠利は大人しく頷いた。ナポリタンへの情熱、恐るべし。そんなに思いっきり食べたくなるような料理かなぁ?と思ったが、それは言わない悠利だった。




 なお、二人がナポリタンの美味しさを主張しまくったので、皆からリクエストが上がったこともあり、目玉焼き載せナポリタンは数日後に提供されるのでした。




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